台所裏の洞窟

考えたことのメモ
あるいはバーグ・デイブレイク

冷蔵庫の中のチョコレート

2005-09-02 18:37:31 | Weblog
共用の冷蔵庫にチョコレート(ピースに分割されたもの)が置かれる。
「自由に食べて下さい」
と言われる。字義通り、自由にチョコレート全部を持っていった人が怒られる。
「なら『自由に』などと言うな」
という主張はしかし通る。チョコレートの食べ方について「全部は取ってはいけない」という規則が書かれた紙が、冷蔵庫のドアに貼られる。

今度は1つだけ残して他を持っていった人が現れ、チョコレートは1回につき1つと制限される。すると、体格でかい人がこう主張した。
「この小指大のチョコレートを1つだけというのは私としては納得いかない。せめて2つまでにしてほしいところだ」
また、体格の小さい人がこうも言った。
「このこぶし大のチョコレートを1つ持っていけと言うのか」
かくして、チョコレートを持っていく量について体重や身長に基づいた規則が冷蔵庫の扉に貼られる。この時点で社内会議が必要となり、健康コンサルタントが派遣される。

「隣の席の人にも持っていってあげたいのよ」
という主張が認められ、隣の席の人の分も持っていって良いという規則が追加される。隣の隣の人に持っていきたい人が現われ、今度はどの範囲までの人に持っていくことが許されるかについての規則が追加される。あるグループに持っていくという行動についての厳密な規則も追加される。この時点で弁護士がつく。

チョコレートを持っていって良いという話しか書いていなかったため、あるとき食べ切れずに残しておいたチョコレートを冷蔵庫に戻すと言う問題が発生した。冷蔵庫に戻すことが一度は禁止されるも、おすそわけによって余った分は戻しても良いのではないかと言う議論が始まる。食品安全性上何分であれば冷蔵庫に戻しても大丈夫かについての定性的な議論が行なわれ、冷蔵庫にはその結果の論文3辺(チョコレートの品質問題と、冷蔵庫の性能と、そのオフィスにいる細菌等の研究)が吊らされ、その論文を元にした「季節に応じたチョコレート差戻し基準」というマニュアルが冷蔵庫の扉に張り付けられる。この時点で上記3辺の論文に関係した研究家もつく。

ある日、標準的な人がチョコレートを3つ持っていこうとしたところをチョコレート監視委員会に捕まる。
「おいおまえ、チョコレート管理規則12390条には(以下略)」
その人は答えた
「チョコレートごときに何ドルの無駄を費やせば君らは気がすむのかね」

この社長の一言で冷蔵庫が撤去された。

この文章を書いている者曰く
「この文章を読むのに何分の無駄を費やしたのかな」

人々曰く
「いやいや、秒ですよ」

書いている者曰く
「幸せだな。コンサルタント料を支払わなくて良くなるだろうよ」

人々曰く
「こんな下らないものなど読むに値しません」

書いている人曰く
「幸せだな。とても良い仕事をしている気分になるだろうよ。少なくとも社長が来るまでは」
キーワード
おすそわけ
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 感情面での力 | トップ | これはテスト »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL

あわせて読む