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安田真奈監督インタビュー

2007-04-26 04:35:20 | movie
Q 監督が映画を撮るようになられたキッカケは?
A 高校時代に、森田芳光監督の『家族ゲーム』を観たんです。家庭教師が普通の中流家庭にやってくるというごく日常的な設定なんですが、なんでこんなに面白いんだろうって思ったんです。全然映像スペクタクルもなければ、大事件が起こるようなドラマでもないんですが、脚本、役者、撮影、音響、演出、全てが光っていました。「社会の大事件」ではなく、「個人の大事件」でも脚本・演出次第で面白くなるのだなぁと思いました。
 その後大学を卒業して、メーカーの会社員になったんですが、その頃は「年1本は映画を撮ろう」という目標を立てて映画を撮っていました。会社員として仕事をしながら、週末や夏休みを利用して映画を撮り続けました。
Q『幸福(しあわせ)のスイッチ』のテーマは、家族の〈絆〉ですよね?
A 例えば、普通のサラリーマンの家庭だと、その奥さんや子どもはなかなか働くオヤジの背中が見えません。しかし、「小さな電器屋」だとその真逆で、人と人との繋がりが濃密なんです。家族のドラマならば自営業という設定にしたい、ってずっと思っていたんです。自営業の中でも、電器屋のようなお客さんの家に上がりこむ商売って、少ないじゃないですか。店頭で小売りをする商売とはお客さんとの人間関係でも格段と深さが違うし、電器屋さんが人間ドラマの宝庫に見えました。オヤジの背中が近くに見える「小さな電器屋」に家族ドラマの舞台として魅力を感じました。
Q 『幸福(しあわせ)のスイッチ』の配役を決定した経緯を教えて下さい。
A プロデューサーとあれこれ相談をして決めました。関西が舞台の映画なので、関西出身の役者さんに演じてもらいたいという、こだわりがありました。
Q セリフの方言がすごく良い雰囲気ですよね。
A ありがとうございます。関西弁がインチキな映画って、関西人が観るとすぐにわかるんですよ。
 セリフがインチキな言葉にならないようにしました。映画の中の和歌山県の田辺弁は、関西の中でも独特な方言です。
 キャストの三姉妹には田辺弁でセリフの読み合わせをしてマスターしてもらいました。関西弁特有のどぎつくない、柔らかい話し方や、関西人ならではの柔らかい人間関係というものの良さをナチュラルに描き出したドラマって、非常に少ないんです。関西出身なので、それを私は担当したいんです。関西ならではの、柔らかい自然な雰囲気を出すために、関西で映画を撮り続けていきたいです。
Q 監督がお好きな場所は?
A 今回、和歌山県の田辺でロケをして、田辺が好きな場所のひとつになりました。ミカン畑のオレンジ色がすごく目にまぶしくて鮮やかなんですよ。梅林が広がっていてのどかで、夜は星空が美しくて、地元の人たちは皆親切で素朴で素敵な所なんです。
 常連のお客さんがミカンジュースを作るエピソードがありますが、あのエピソードは田辺に行ってからできたエピソードですか?
 始めから、電器屋さんに長居するお客さんのエピソードがもともとあって、そこから田辺のミカンのストーリーと結びつきました。映画の中に出てくるエピソードはすべて取材に基づいているんですよ。電器屋舞台を構想しはじめてからは10年、脚本執筆と取材には3年かかりました。
Q 監督はモノを見る視点がとても面白いですね。
A マイナーなモノが好きな、面白がりなんですよ(笑)。今はネジに興味があります。
 次回作はネジをモチーフにしたファンタジー作品かもしれません。
 最後に、これから『幸福(しあわせ)のスイッチ』を観る方々へのメッセージをお願いします。
 毎日楽しいか、つまらないか決めるのは、結局のところ本人次第なんですよね。本人が世の中をどう見るかに尽きると思います。その人ならではの、個人の視点の切りかえ、『幸福(しあわせ)のスイッチ』を見つけてほしいと願っています。多くの方に、ご自身やご家族を重ねて観ていただきたいです。
* * *
 インディーズ映画祭で数々の賞に輝き、TVなどで多くの短編作品を手がけてきた安田監督。監督最新作の『幸福(しあわせ)のスイッチ』は、ささやかでも家族にとっては重大な出来事の数々を描いた、誰もが共感できる優しくて温かい作品だ。電器屋のガンコ親父と対抗する次女、怜を演じるのは若手実力派女優、上野樹里。そのガンコ親父を演じるのは、強烈な存在感を放っている沢田研二。また、三姉妹のうち母親代わりの長女、瞳を本上まなみが持ち前のほんわかとした雰囲気で演じ、天真爛漫な三女、香を中村静香が演じている。 

(撮影:原田奈々)
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