Movie1001  映画千一夜

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第38夜 THX-1138 (1971、日本未公開)

2009年10月06日 | 第40夜まで
 ジョージ・ルーカス監督作品だが、実は日本未公開だ。

 公開されたのはその前身ともいえる作品「電子的迷宮/THX-1138:4EB」の方で、こちらはルーカスが学生時代に撮った15分の短編である。彼の代表作である「スター・ウォーズ(1977、日本公開は1978)」の日本語版公開時(1982)に併映された。

 この短編を見たフランシス・フォード・コッポラが資金を提供、長編作品としてリメイクされたのが本作で、ジョージ・ルーカス監督の商業映画デビュー作に当たる。が、興行的にははかばかしくなかったらしい。主演のロバート・デュバルはコッポラの「ゴッドファーザー (1972)」にも出演している。

 25世紀の未来を舞台にしたSF映画である。人類はコンピュータ管理下の地下都市で精神抑制剤を投与されて、ある意味では平和に従順に日常の作業に従事している。タイトルの「THX-1138」は登録された主人公のIDナンバーで、すでに人間に名前は存在しない世界なのだ。
 その中で人間としての感情が目覚めてくることによる波乱が描かれる。特に男女間の「愛情」と呼ばれる感情がだ。

 後の「マトリックス(1999)」に繋がる世界観が感じられるし、仮に舞台が精神病院ならミロス・フォアマン監督のアカデミー賞受賞作「カッコーの巣の上で(1975、日本公開は1976)」も同じテーマで括れるかもしれない。管理社会の中の異物とそれを排除しようとする体制側の戦いの物語だ。

 ジョージ・ルーカス監督の日本初登場作は青春映画「アメリカン・グラフィティ(1973、日本公開は1974)」でこれもコッポラの製作だ。主演はリチャード・ドレイファス。ルーカスの次作「スター・ウォーズ」でブレイクするハリソン・フォードが端役で出演しており、現在は監督として有名なロン・ハワードもこの頃はまだ俳優として顔を見せている。

 「THX-1138」も今ではビデオまたはDVDで鑑賞することが出来るが、見ようとする人はよほどのマニアだろう。ただし、「THX」の名は音響機器を中心に生活の中に入り込んできている。
 映画の製作時点ではこのアルファベット3文字の連なりには特別な意味はなかったらしいが、その後「アメリカン・グラフィティ」では車のナンバーに使われたり、「スター・ウォーズ」では各エピソードのどこかに「1138」が出てくるというので機会があったら注意して見てみたい。

 後にルーカスフィルムの一部門としてスタートし、音響クォリティ管理を担当するTHX社はこのデビュー作にちなんで名付けられたものである。またこのとき開発の中心人物だったトム・ホールマンのイニシャルが奇しくも「TH」であるのは偶然か?

 THX社は主に映画館や家庭用AV再生機器のクオリティチェックを行う。マスターと再生音の品質差をチェックするわけだ。規定品質をクリアしたものにはTHXマークが付けられる。というより、高品質のお墨付きなのだから付けることを許していただけるという方が正確だろう。THXマークがあれば、ハイクオリティでそれなりのコストがかかっているということになる。
 認定劇場はその後も年1回のチェックがあり、基準が守られていなければ認定が取消される、というから厳しい。

 今夜はここまで。また明日の夜をお楽しみに。
ジャンル:
映画(DVD)
キーワード
スター・ウォーズ アメリカン・グラフィティ リチャード ルーカスフィルム カッコーの巣の上で ドレイファス アカデミー賞 フランシス ゴッドファーザー フォアマン
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