【NHK放送】
テレビは原則として、民放を見ない。理由は単純でコマーシャルになると、とたんに音量が上がり、ケトン食で聴覚が敏感になっている身にはノイズがきつ過ぎるからだ。昔はコマーシャルを「トイレ休憩」と呼んだが、今はトイレにいても聞こえる。
老人は昔ながらにNHKを観ていて、受信料の支払い拒否などという「高等戦術」を知らない。
アメリカには「パブリック・ブロードキャスト(公共放送=PB)」という無料のテレビ放送がある。
費用が寄付なのか、それとも特定のスポンサーがいるのかどうかは知らない。コマーシャルがないのは確かだ。
私が日本映画の名作の数々を観ることができたのは、この放送で、エドウィン・ライシャワーが元駐日大使(当時ハーバード大教授)解説のお蔭だ。彼は駐日大使の時代に精神異常の男に刺され、日本での輸血が原因でC型肝炎になり、肝硬変で死ぬ前に、安楽死が許されていたカリフォルニア州に移住して、亡くなった。米国における「尊厳死」のはしりでもある。
PBでの映画は、日本語のままの上映で、英語の字幕が出た。ライシャワーの英語解説は非常に分かりやすかった。
「羅生門」、「七人の侍」、「西鶴五人女」などの日本映画の名作をこれで初めて見た。大島渚の映画もあった。
日本のNHKは高い受信料を取りながら、無料の米PB以上の番組を流せないでいる。
一体金をどこに使っているのか?と思う。
「クローズアップ現代」を長年担当した国谷裕子さんの「キャスターという仕事」(岩波新書、2017/1)によると、
いろいろ苦労していることが分かった。特に一度NHK東京本局のニュースキャスターとして失敗した経験があるという告白は興味深かった。特に「日本語のテニオハがおかしかった」というくだり。
だがそれに対する「リベンジ」として「クローズアップ現代」に挑戦した、という説明が私には違和感があった。
リベンジ=「復讐」であり、そんな言葉は、美人でチャーミングな国谷さんに似合わない、と思った。
それはともかく、籾井勝人前NHK会長は、安倍内閣の圧力に屈して、国谷さんに土下座させたなどと、一部週刊誌に報じられたが、「文藝春秋」12月号に彼は取材記者との会見に応じ、「クローズアップ現代」の内容に関して自民党本部に呼び出しがあった事実を認めている。
その上で、「NHKには(自分の会長時代に)充分な内部留保金があり、受信料を値下げすべき」と主張している。
まるで芥川龍之介「薮の中」みたいな話で、どっちが本当かよくわからない。
しかし、米PBにならって公共放送は無料とはいかないまでも、できるだけ低料金にすべきだと、私は思う。
よく「学生時代は文藝春秋を読んだが、卒業して就職したら週刊誌しか読まなくなる」と言われるが、後期高齢者になっても未だに「文藝春秋」を読んでいる私は、未だに幼稚な学生時代にあるのかも知れない。
しかし、この雑誌は右と左のバランスがよく取れていると思う。
「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」
テレビは原則として、民放を見ない。理由は単純でコマーシャルになると、とたんに音量が上がり、ケトン食で聴覚が敏感になっている身にはノイズがきつ過ぎるからだ。昔はコマーシャルを「トイレ休憩」と呼んだが、今はトイレにいても聞こえる。
老人は昔ながらにNHKを観ていて、受信料の支払い拒否などという「高等戦術」を知らない。
アメリカには「パブリック・ブロードキャスト(公共放送=PB)」という無料のテレビ放送がある。
費用が寄付なのか、それとも特定のスポンサーがいるのかどうかは知らない。コマーシャルがないのは確かだ。
私が日本映画の名作の数々を観ることができたのは、この放送で、エドウィン・ライシャワーが元駐日大使(当時ハーバード大教授)解説のお蔭だ。彼は駐日大使の時代に精神異常の男に刺され、日本での輸血が原因でC型肝炎になり、肝硬変で死ぬ前に、安楽死が許されていたカリフォルニア州に移住して、亡くなった。米国における「尊厳死」のはしりでもある。
PBでの映画は、日本語のままの上映で、英語の字幕が出た。ライシャワーの英語解説は非常に分かりやすかった。
「羅生門」、「七人の侍」、「西鶴五人女」などの日本映画の名作をこれで初めて見た。大島渚の映画もあった。
日本のNHKは高い受信料を取りながら、無料の米PB以上の番組を流せないでいる。
一体金をどこに使っているのか?と思う。
「クローズアップ現代」を長年担当した国谷裕子さんの「キャスターという仕事」(岩波新書、2017/1)によると、
いろいろ苦労していることが分かった。特に一度NHK東京本局のニュースキャスターとして失敗した経験があるという告白は興味深かった。特に「日本語のテニオハがおかしかった」というくだり。
だがそれに対する「リベンジ」として「クローズアップ現代」に挑戦した、という説明が私には違和感があった。
リベンジ=「復讐」であり、そんな言葉は、美人でチャーミングな国谷さんに似合わない、と思った。
それはともかく、籾井勝人前NHK会長は、安倍内閣の圧力に屈して、国谷さんに土下座させたなどと、一部週刊誌に報じられたが、「文藝春秋」12月号に彼は取材記者との会見に応じ、「クローズアップ現代」の内容に関して自民党本部に呼び出しがあった事実を認めている。
その上で、「NHKには(自分の会長時代に)充分な内部留保金があり、受信料を値下げすべき」と主張している。
まるで芥川龍之介「薮の中」みたいな話で、どっちが本当かよくわからない。
しかし、米PBにならって公共放送は無料とはいかないまでも、できるだけ低料金にすべきだと、私は思う。
よく「学生時代は文藝春秋を読んだが、卒業して就職したら週刊誌しか読まなくなる」と言われるが、後期高齢者になっても未だに「文藝春秋」を読んでいる私は、未だに幼稚な学生時代にあるのかも知れない。
しかし、この雑誌は右と左のバランスがよく取れていると思う。
「記事転載は事前に著者の許可が必要です。必ずご連絡いただきますようお願いいたします」