ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【米本昌平氏】難波先生より

2014-03-20 08:39:35 | 難波紘二先生
【米本昌平氏】
 ネットにこういう意見が出ている。例の「11Jjgen」氏の「捏造追求」サイトだ。
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_20.html?showComment=1395146891083

<他でもすでに取り上げられているので、書店で立ち読みして確認したが、自称 科学史専門家の米本昌平氏が中央公論4月号の寄稿がかなりイタイことになっている。その内容からすでに疑惑が出てから執筆してると思われるが、例のnature論文の完成度の高さを称賛。図の”取り違え” を些細なことのように論評。京大理学部コネクション中でのリップサービスなのか、疑惑を薄めるための印象操作をしてるのか。単純にとらえれば、よく調べもせず前のめりの知ったぶりで失敗したということか。STAP細胞発見が我々につきつけたものは別の意味で大きかったようだ。 米本氏は5月号で釈明してほしい。”私もだまされた”なんて白々しいことは言わないでね。>

 こういう意見もある。
 
 <まあ今回のは、論壇やネット論壇の「名士たち」の判断力や情報収集力、世論に流されない独立精神や良識を試す格好のリトマス試験紙でしたね。>

 2/3のメルマガで、こう書いた。

 「理研の発表によると、
 http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140130_1/
用いたマウスのリンパ球の中に、もともと全能幹細胞が含まれていた可能性を排除するため、T細胞受容体(TCR)遺伝子の再構成があるかどうかをチェックしている。このSTAP細胞から作られたクローンマウスの体細胞には、TCR遺伝子の再構成が認められたという。
 ここまで実験がデザインされ、確認が取れていれば、私のような懐疑論者も信じざるをえない。ただ疑問は残る。
 一旦免疫遺伝子を再構成した細胞は、幹細胞になってもその遺伝子を引き継ぐので、もう余分な胚型TCR遺伝子がないはずだ。…
 (この「余分な胚型TCR遺伝子がないはず」というのは、私の誤解で通常、余分な胚型遺伝子が1~2個残るのだそうです。ただ再構成した遺伝子はちゃんと残る。)
 無脊椎動物の棘皮動物類に属するウニでは、未受精卵に、針で突くなどの、機械的刺激を与えただけで発生が始まることが知られている。哺乳類の細胞でも、弱酸性環境に曝すという簡単な刺激で簡単に「幼児化」が起こるとは…
 第三者による追試確認が必要だが、事実と確定すれば大変なブレークスルーである。昨年文化勲章を受賞した本庶佑氏は『ゲノムが語る生命像』(講談社ブルーバックス, 2013)において、「現代生物学は還元主義的な解析により、極限に達した。これから必要なのは綜合だ」と述べている。この主張に反して、還元主義の出発点になっていた土台に、大きな欠落があった可能性がある。
 「還元主義」というのは現象全体をあらかじめ包括的に捕らえ、それを部分に分けて、各部分について構造や機能を、マクロ、ミクロ、分子、原子と細かく解析して行く方法だから、最初に捕らえそこなうと大きく欠落した部分を残したまま、細かい解析が進んでしまう。そこで「群盲象をなでる」という現象が生じえる。
 「生命体は単なる部分の寄せ集めではない」とする「生気論(Vitalism)」6)の復活につながる可能性もあろう。
 6)ハンス・ドリーシュ:「生気論の歴史と理論」, 書籍工房早山, 2007 」

 このドリーシュの本の訳者が米本昌平である。
 彼は京大の全共闘で「バリスト」時代のことは、その「独学の時代:新しい知の地平を求めて」, NTT出版, 2002, に書かれている。丸万証券に入社、三菱総研を経てシンクタンク「科学技術文明研究所」を2002年に創立している。一時、「毎日」に「時代の風」という評論を連載していた。
 で、この書の中で生気論の再評価を行い、その後ドリーシュの訳本を出したので、「日本の生気論者」として注目していた。恐らく、小保方の業績に「共感するであろうな」と思っていたが、やはりそうであったか、と思う。
 
 「STAP細胞事件」について週刊誌からこういうメールが来た。(例の「週刊現代」記者はこちらの修正要望にすべて応じてくれた。安心してお求め下さい。)こっちは「週刊ポスト」。
<今回の件の影響、日本の研究者に今後どのような影響を与えてしまうのか、などについて、…難波先生に是非ともお話伺わせていただきたく、取材のお願いを申し込ませていただきます。
 明日の締切記事という急なお願いで恐縮でございますが、何卒、ご協力承りますよう、ご連絡をお待ちしております。>

 私の恩師は「ペーパーテストでは学生が何を知っているかはわかっても、何を知らないかがわからない」といって、試験はすべて口頭試問だった。だから一夜漬けの試験勉強は何の役にも立たなかった。
 何しろ敵は「その根拠は?その根拠の根拠は?その根拠の根拠の根拠は?」と三段重ねに質問してくるから、全員がどこかで立ち往生。知識の底が見透かされてしまう。
 このメールなんか、自己紹介もないし、学歴もわからない。どこから話せばよいのか、どのレベルの話をすればよいのかも、わからない。困ったことだ。
 まあ、電話を待つことにしよう。
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STAP批判の仕方 (Nekogu)
2014-03-23 23:16:03
・難波先生のSTAP批判の中で気になることがあるのでコメントします。
> 一旦免疫遺伝子を再構成した細胞は、幹細胞になってもその遺伝子を引き継ぐので、もう余分な胚型TCR遺伝子がないはずだ。…
 (この「余分な胚型TCR遺伝子がないはず」というのは、私の誤解で通常、余分な胚型遺伝子が1~2個残るのだそうです。ただ再構成した遺伝子はちゃんと残る。)・・・
以前の文章中にも同様の記述がありますが、TCR遺伝子の再編成は、対立遺伝子排除 (allelic exclusion)により、2つの染色体のうち一方に起こり、他方の対立遺伝子はもとのまま、つまりgerm line のままです。どのT細胞にも、germ line 遺伝子は残っているのです。免疫学のテキストでご確認下さい。
nature論文について (れい)
2014-03-24 08:07:02
はじめまして。

上記の件で、現在STAP論文を精読してる者としての、個人的見解を。

articleの論文を丁寧に読んでいくと、TCR再構成の話はFig.1までで終わりのようです。要するに、CD45+のT細胞が多能性を獲得する話はFig1までで、その後の実験ではCD45+の細胞だけを選抜して使っていて、T細胞を使ったかどうかまでは論文内では言及していません。

ですので、STAP幹細胞でTCR再構成が見られないのは、当たり前かもしれません。

論文の主旨も「T細胞が多能性を獲得した」ではなく、「体細胞が多能性を獲得した」です。

そこを理解できていない方々が多いように感じます
対立遺伝子排除 (Ak)
2014-03-25 02:02:13
Nekogu様

allelic exclusionに関するご指摘をなさっているのですが、説明の中に正確でないと感じる点があるので指摘しておきます。

T細胞は、その分化の過程でまず一方のアレルのTCRβ鎖の組換えを行い、それが成功したら対立遺伝子を排除します。もし組換えが失敗だった場合、さらにもう一方のアレルのTCRβ鎖の組換えを行います。こちらも失敗すると、アポトーシスで死んでしまいます。
また、TCRのallelic exclusionは完全ではありません。文献によると、1-10%程度のT細胞で複数アレル由来のTCRが発現しているそうです。(Balomenos D et al., J Immunol, 1995)

すなわち、germline遺伝子を維持したT細胞が多数存在するという主張は正しいですが、「どのT細胞にも、germ line遺伝子は残っている」という記述については間違いだと思います。
お礼 (Nekogu)
2014-03-25 22:19:55
Ak 様

TCR遺伝子再構成の機序についての貴重なご指摘ありがとうございます。
Unknown (Dr.CKD& Akちゃん)
2014-05-30 14:27:30
このときも独り相撲やってたのねオバカンテイさん達!
Unknown (オバカンテイさん)
2014-05-30 14:29:05
あらごめんなさい、この時は名前違ったのね、笑えるわ。

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