ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【記事がわからん】難波先生より

2017-06-13 14:54:57 | 難波紘二先生
【記事がわからん】「中国」が夕刊を廃止して始めた「セレクト」という新聞は本紙と別売りで、毎週月曜日が休刊だが、各地の県紙記事を載せていてなかなか面白い。

 この前「白いカラス」(京都新聞)の記事を転載していたが、6/9号は「白いキジ」(神戸新聞)の記事を転載している。これもアルビニズムだが「部分白子」で、羽の上側には赤っぽい羽毛が斑状にある。
 「医薬経済」6/1号に、「日本アルビニズム・ネットワーク」役員、伴悠介氏のインタビューが掲載されていた。日本では5000〜1万人にひとりと言われる「白子」の人が受ける差別や苦労がよくわかった。が、時間がないので人間のアルビニズムについては、別の機会に述べたい。
 「白いキジは吉兆との言い伝えもある」と記事中にある。「日本書紀」(講談社学術文庫)孝徳天皇の記に「大化6(650)年2月に長門の国司が白いキジ(白雉)を朝廷に献上した」という記述がある。「白雉」は瑞兆とされ、この年は遡って1月から元号が「白雉(はくち)」と改元された。日本初の元号「大化(645〜)」はたった5年しか続かなかった。(孝徳天皇は白雉5=654年に死去。祥瑞当たらず。)
 書紀の順徳天皇の条を読むと、白雀、白烏、白鹿などが目撃されたという話が出てくる。これで、動物の自然アルビーノは大昔から存在していたことがわかる。「神戸」の記事も、ちょこっと、この「白雉」にふれていたら、もっとよかったと思う。

 こういう風に県紙が他県紙の面白い記事を、クレジットを明示した上で、転載しあうのはよいことだと思う。ウォーターゲート事件の報道で有名になったワシントン・ポストは1970年代当時、発行部数50万部程度だったと思う。「NYタイムズ」など、他の有力紙が「ポスト」の記事を転載したから、あれだけ全米に知られ、ニクソン大統領辞任にまで発展したと記憶する。

 「記事がわからん」というのは、例の大洗の被曝事故についての報道で、①作業員5名の正規の所属がいまだに報じられない、②原子力機構が公開した、爆発が起こったチャンバーと周囲の床の状況写真と新聞のイラストや記事との間に食い違いがあるという2点だ。
 各紙とも一致しているのが「室内で作業していた5人の男性のうち、2名は職員でドラフトの前に立って作業していた」という点だ。「中国」では50代男性が左側に立ち、両手でステンレス容器の蓋を持ち上げている(大量被爆をした男性)。右側に20代の男性が立ち、金属容器を手で固定している。残り3人の作業員は後に少し離れていたが、密室で爆発が起こったのだから、当然被爆ないし粉塵吸入をするはずだ。しかし第5の40代男性の安否については、まったく報道されていない。

 6/10「毎日」は「ステンレス容器は直径15cm、高さ22cmの円筒形。蓋は6本の六角ボルトで留められていた」と書いている。イラストには6本のネジのうち、作業者側の4本が抜かれ、反対側に締めたままの2本のネジが、隣り合わせに残っている。(プロならこういう外し方はしないだろう。)ボルトの頭が六角なら、取り外すには六角レンチがいる。
 ところが6/9「産経」が掲載しているドラフト内部の写真を見ると、
http://www.sankei.com/life/photos/170609/lif1706090066-p2.html
 放射性物質を意味する「逆さ三菱」マークの付いた金属容器には、蓋にまだボルトが残っている。さらに右には小さなほうろう引き金属パッドがあり、その左手前に赤い握りが付いたドライバーのようなものが写っている。これらは一体何だろう?何のために持ち込まれたのだろう?
 金属容器と蓋の間には黒いゴムパッキングのようなものが認められる。これは容器内を気密に保つためのクッション・リングではないか?
 もし金属容器が気密であり、何らかの原因で内部が陽圧になっていたとすると、蓋のネジがゆるむにつれて内圧が下がり、密閉されたビニール袋なら破裂する可能性がある。ところが、公開されたビニール袋の写真を見ると、縁のところに丸いリングが付いていて、気密になるようになっていない。(6/8「毎日」、「日経」の写真)
 どうしてビニール袋が破裂したのかさっぱりわからない。記者は現場の状況を理解した上で記事を書いているのだろうか?と思う。

 もうひとつ目立つ所見はドラフトの前面のガラスが完全に下まで押し下げられており、両端がガムテープで下の操作パネル枠に固定されていることだ。これは事故後に機構側が適切な処置をした後の写真だろう。
http://www.sankei.com/life/photos/170609/lif1706090066-p1.html
 ここではリノリウム(?)床に、半透明のビニールシートがガムテープで留められている。シートがどの位置に敷かれていたのか、部屋の図解がないとはっきりしない。黒い塊は金属容器から四散した核燃料だと説明がある。
 6/8「中国」のイラストによると爆発が起きた「燃料研究棟」1階108号室は、西側に屋内廊下があり、部屋はその東に隣接しており、ドラフトは廊下側の壁隅に置かれていた。廊下からドアを入るとすぐ左奧だ。
 ドラフト・チャンバーは有毒物質発生や爆発の危険性があるから使用するので、チャンバー内の排気を強力にするため、普通は窓のそばに設置する。チャンバー天井と屋外排気筒との接続も短くてすむからだ。それなのになぜ廊下側の隅に設置したのだろう?これもわからん。
 上記の疑問について、メディアの調査・解説報道を期待したい。

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