ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始めいつのまにか、トライアスリートになってしまった私。

【6/12/2017鹿鳴荘便り 序】難波先生より

2017-06-13 13:03:06 | 難波紘二先生
 梅雨入りしたというが、ほとんど雨が降らない。
 先日まで満月に近い月が出ていて、すぐそばにやや赤味を帯びた大きな星が見えていた。金星にしては時間が遅いので、「火星かな?」と思っていたが、テレビのニュースで木星だと知った。そこで人類が木星を探検に行く、アーサー・C・クラークのSF名作「2001年宇宙の旅」(1968)と同名の映画を思い出した。
 今、AIが話題になっているが、あの映画では木星探検の宇宙船に積まれたスパコンのハル(HAL)がAIを備えており、途中で反乱を起こす。乗組員がそれと戦いHALを無力化するところが、最大のヤマ場だった。
 今はAIの長所しか話題になっていないが、人智には限りがある。短所の予測とそれへの備えも重要だと思う。
 それにしても、今から50年も前に、今日のを予言していたこの作品は偉大だと思う。

 中江兆民の遺著「続一年有半」が死ぬ3ヶ月前にわずか10日間で書き上げられたことは弟子の幸徳秋水の証言がある。兆民の「喉頭がん」、治療については本文で述べるが、ふと思いついて彼の執筆速度と量を調べてみた。
 兆民は「一日5頁書けば、20日か1月も生きていれば沢山だ」といって執筆を開始した。岩波文庫版では第1章「総論」、第2章「再論」、第3章「結論」という章立てになっている。
 文庫本により執筆文字数を概算すると約3306字で、400字詰め原稿用紙に換算すると83枚分となる。毎日8.3枚を書いたことになる。まさに驚異的なスピードだ。
 第3章が文庫本1頁の量しかないのは、やはり力尽きたのではないかと思う。
 ちなみに私が利用しているWORDのフォーマットは1頁1200字、400字詰め原稿用紙3枚に設定してある。「鹿鳴荘便り」の本文3頁を書くとほぼ兆民の執筆料に匹敵するが、参考書を調べないと書けないし、とても1日でこの分量はこなせない。兆民恐るべし、と思った。

 熊野純彦「日本哲学小史:近代100年の20篇」(中公新書)
を見ると、著者は東大哲学の教授なのだが、日本最初の哲学書である中江兆民「続一年有半」が代表的「20篇」の中に入っていない。
 巻末の「関連年表」にも「哲学・思想書」の欄に兆民の「理学鉤玄」と「一年有半」は上げてあるが、「続一年有半」が抜け落ちている。
 著者本文を読むと、「一年有半」には「日本に哲学なし」という短文が含まれていて、「そもそも国に哲学がないのは、たとえれば床の間に掛け物がないのと同じで、その国の品位を劣等にするのは免れない」と日本の哲学者に対する痛烈な批判を述べているから、取り上げたものと思われる。
 兆民思想のエッセンス・神髄は「続一年有半」に述べられているのだが、日本の哲学者がこの本を読んでいないらしいことがよく分かった。

 今回は、
 1.訂正など=
  1)Unkownさんの兆民の死因についての書き込みに対して
  2)「買いたい新書」の書評

 2.記事がわからん=原子力機構の爆発事故について

3.新聞小説=「赤玉ポートワイン」をめぐって

4.団地の現在=ひばりが丘団地と高知県大川村について

という4つの話題を取り上げました。
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