本村太朗の三つ眼の巨人

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(2004年8月19日より)

起業家と見栄の程度

2017年08月06日 | ビジネス
仕事柄、起業家と話すことが最近多い。事業提携であるとか、融資の話とか様々であるが、一つ気づいたことがある。それは、起業家自身が持っている「見栄」の大きさによって、ビジネスとしての成功確率が決まってくるのではないかということである。

ある起業家は、商談の場で、自分のビジネスには必要がなさそうだからお断りすると早々に伝えてきた。だが、直後に別の取引先候補と商談を持っているようであった。これは、見栄を張りすぎている例だといえよう。おそらく、自分たちの強み弱みがわかっておらず、課題を商談で表現できないために、取引先のウインドウショッピングをやってしまう典型的な形である。そして、取引のテーマ以外のビジネスチャンスを逃しているはずである。これはビジネスとしての成功確率は低くしているといえる。一方、何でも取引先に解決策を見出してもらい、それを吟味せずに乗っかってしまうタイプもいる。これは見栄がなさすぎる例といえよう。このような人は悪意のある取引先と出会ってしまったときに、一気に足元をすくわれる可能性があり、一撃でビジネスが吹っ飛ぶ可能性がある。つまり、起業家に必要な「見栄」の程度は先に挙げた2例のどちらでもなく、適度な見栄を張れることであると思う。しかしながら、日本の中小企業の代表たちが、適度な見栄を張れるのはそれほど多くないというのが実情であろう。

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