三代目虎真之助blog 『森から出たまこと』

「森はいのちの源」 奥三河の森から学んだこと、感じたこと、得たものを書き記しています。

合同現地研修会

2016-12-17 15:23:55 | 土木

合同現地研修会

日時:12月14日(水)PM1:00~

場所:新城市作手清岳地内

参加者:愛知県農業土木研究会新城支部 32名

    愛知県農業土木測量設計技術者協会 30名

    愛知県新城設楽農林水産事務所建設課 8名

年に1度、発注者と設計者と施工業者が集まり、

より良いものを、より安く、より早く、より安全につくるための意見交換会。

施工業者にとっては、現場の声を今後の設計に反映してもらうための、より良い機会でもある。

 

今年は、当社が施工している「農地環境整備事業 高里第1地区 排水路工その4工事」が、その対象となった。

 

現場を見学した後、会場を鬼久保ふれあい広場に移動し、

コンサルの設計思想の確認や、図面上では読み取れない現場施工上の課題について協議を行う。

 

当社から改善提案をさせていただいたが、その主旨は以下の通り。

水路や河川工事など、流水がある現場では、その水替え計画が最重要課題となる。

当該工事では、平時の流量から8インチのポンプ1台での水替えが設計されているが、

実際には時間1mm程度の降雨でも、半日もそれが続けば、

あっという間にポンプの容量をオーバーし、現場に雨水が流れ込んでしまうことが予測された。

しかもそれが、護岸の基礎部分の施工中であれば、手戻りや手直しが発生し、工期・経費ともにロスが生じる。

昨年度、当社もそれで痛い目にあった。

 

そこで、今回は、現場提案として発注者からの承諾の下、基礎コンクリートに2次製品を使用し、

当初設計の内、現場での型枠設置やコンクリート打設など、施工に時間を有する部分の改善を図った。

 

おかげで、手戻りや手直しの発生はなく、工期の短縮も図れたわけだが、

問題はそのコスト。

2次製品を使用した方が歩掛りは高くなり、m当たり2500円のコスト増となった。

 

その実証結果を踏まえ、

「水替工は降雨時の水量も予測した上でポンプの設置基準を定めるか、もしくは、

オーバーフローを予測し当初から2次製品の使用を設計に反映できないか?」と提案させていただいた。

 

設計者と発注者からの回答では、両者ともなかなかすぐには難しいとのこと。

まず降雨時の水量予測は、ゲリラ豪雨の多発など降雨量の予測が不能であり設計に反映できない。

2次製品での設計は、より安価な工法を選ぶのが原則であるため、高額となる工法を選ぶ理由がない。

 

言われてみればその通りなのだが……。

 

ただ、今後の建設現場の人材不足も鑑みると、人工(にんく)や職人的技術力の必要な現場施工よりも、

プレキャスト工法(工場生産による2次製品を使用する工法)が主流になっていくのは間違いないだろう。

 

現時点では、その工法の採用は、企業努力であったり企業の創意工夫の範疇に過ぎないかもしれないが、

こうした意見交換の機会を通じて、今後の施工のあり方をより深めていければと思う。


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