世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

毛皮の襟のローブを着た自画像

2016-05-28 04:31:54 | 霧の風景


アルブレヒト・デューラー、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。

なかなか良い目をしている。これは本物の男である。名声を呼んだ富も、かなりの男前である美も、自分本来のものだ。この男は正しい人生の修業をして、尊い画業を積んだのである。しかしこれだけ探して、優良な本物はほとんどこれとトルストイだけだというのが、人類の現実なのだ。人間は本当の自分から逃れるために、あらゆるあがきをしているのである。画家がこの絵をイエスに似せて描いているというのもおもしろい。なぜならイエスは、人類にとって、人類の罪と本当の自分自身を象徴する存在だからである。





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