日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

関東一円はしご酒 2016秋 - 大坪屋

2016-09-17 20:53:53 | 居酒屋
「遠州屋本店」でのひとときは今回も上々でしたが、相変わらず身体が酒を受け付けません。二杯目をいただくともう次には行けなくなりそうな気がしました。酒と肴が尽きたところで切り上げ河岸を替えます。訪ねるのは「大坪屋」です。
「丸千葉」に限らず、界隈には場所柄労務者御用達とでもいうべき大衆酒場が何軒か散らばっています。そのような中、今回目に付いたのが常磐線のガードの近くにある「元祖25度酎ハイ」の看板を掲げた店です。店先からのぞき込んだ限りでも、コの字カウンターを中心にした店内の雰囲気は看過できないものがありました。ならば今日は浅草よりもここだろうと思い立ち、駅の方まで戻ってきた次第です。

暖簾をくぐると、スナックのママのごとく派手な出で立ちをした女将に迎えられました。先客が引け余裕が出てきた店内ながらも、詰めて座るようにとの指示に従い、着席したのはカウンターが折れ曲がる場所の少し手前です。
改めて観察すると、コの字のように見えていたカウンターは、V字に近い形をしていました。まず斜めの長い辺が左手前から右奥へ向かって延び、そこから鈍角に折れ曲がって少し進み、今度は直角に折れ曲がり少し進んで終わるという造りです。そのままさらに延ばしてもよさそうなところ、切れた先には年季の入った氷温式の冷蔵庫が鎮座していて、その前にはやはり年季の入った木製の卓があり、ここを持ち場にして女将が酒を注いでいます。余裕のあるカウンター内部の造りと氷温式冷蔵庫の組み合わせは、語弊を恐れずいうなら横須賀の「銀次」を彷彿とさせます。
ただし、温厚な「銀次」の女将に対し、こちらの女将はかなりぶっきらぼうです。注文を受けるとまず焼酎をジョッキに注いでシロップを入れ、次いで炭酸の栓を抜いて足下に捨て、ジョッキと炭酸を運んでいきますが、その動作の一つ一つが荒っぽく、声もいちいち大きくて、慣れない一見客は面食らうかもしれません。仕切壁の向こうにある厨房では、年配の店主と若主人が調理していて、出来上がると威勢のよい合図が飛んできます。「酒場放浪記」のポスターが貼られていることからして、自分が知らない初期の放送に登場したこともあるのでしょう。よくも悪くもがさつな雰囲気は、たしかにあの番組が好みそうであり、逆に教祖は間違っても紹介しそうにありません。
一見客でも抵抗なく入れそうな「丸千葉」と「遠州屋本店」に対し、こちらはお客を選ぶ店なのでしょう。実際のところ、一見と思しき客は九時を過ぎると皆断られていたのに対して、かなり遅くにやってきた常連客はそのまま通されました。断られるかどうかの瀬戸際で、どうにか入れてもらえたのは幸運だったのかもしれません。

強烈な雰囲気とは裏腹に、特別な酒と肴はありません。とはいえ看板にもある酎ハイは、金宮焼酎を使って一杯200円の出血価格。肴も200円台が一番多いという価格設定で、400円する酒とビールが高級品に見えてきます。名物らしき鮪はぶつ切りが200円、刺身が350円、一番高い中トロでも550円で、しかも価格以上に満足できる分量です。酒二杯と肴二品をいただいて、お愛想は1050円という文字通りの「センベロ」でした。ともすればがさつに思える雰囲気も、荒くれ者を安く手軽に酔わせるこの店ならではのことなのでしょう。常連からの根強い人気が窺われる一軒です。

大坪屋
東京都荒川区南千住4-4-1
03-3801-5207
1700PM-2200PM(土曜 1600PM- )
日祝日定休

清酒・酎ハイ
まぐろさし
肉どーふ
ジャンル:
お酒・お茶
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