日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2017 - 万年青

2017-09-21 01:26:40 | 居酒屋
「しらかば」を出た時点でまだ10時台でしたが、「鳥善」の袖看板の明かりは早々と消えていました。これによりザンギという選択肢は事実上なくなり、あとはもう一軒はしごして終わりという流れになりました。複数の候補があった一軒目と違い、この時間からということになると選択肢は自ずと絞られ、今夜も「万年青」の暖簾をくぐります。
結果として二日とも全く同じ店をはしごするという、ある意味芸のない選択に落ち着きました。馬鹿の一つ覚えに走るとしても、一軒目と二軒目で順序を変える余地はあったかもしれません。実際、昨晩「万年青」に万全な腹具合で臨めなかったこともあり、今日はこちらを先にして、「しらかば」には余力があれば行くという選択も考えました。それにもかかわらず、順序まで昨夜と同じに落ち着いたのは、「しらかば」でししゃもをいただきたかったのもさることながら、この店には深夜帯が最も似合っているような気がしたからです。たとえば旭川の「独酌三四郎」の場合、お客が引けて落ち着いた九時過ぎに訪ねるのが定着し、他の時間帯に行くことは考えられなくなってきましたが、この店については深夜が最も落ち着くような気がしてきたとでも申しましょうか。

注文を変えることで趣向を変えるという方針はここでも貫かれます。そして、注文したい品も決まっていました。当店名物の玉子焼です。お客の八割方が注文する一番人気にもかかわらず、なぜか品書きには載っていないという不思議な品ですが、実はこれまで一度も注文したことがありませんでした。一見するとありふれた品であることに加え、見た目の物量感が相当あり、一人には多すぎるように思われたからです。それをあえて選べるのが日参の特権でもあります。
何年使えばこうなるのかと思うほど、熱で曲がってしまったフライパンを使い、専用のコンロに女将が付きっきりになって作るのが当店の玉子焼です。山盛りのキャベツとともに出てきた玉子焼きは、陳腐な言葉を借りればふわふわの半熟で、厚焼き玉子とも出汁巻き玉子とも一味違う当店独自の味に仕上げられています。見た目の物量感にかかわらず、比較的あっさりいただけるのは味付け肉と同様です。人気のほども納得できる逸品でした。

万年青
釧路市栄町4-2
0154-24-4616
1700PM-400AM
月曜定休

酒二合
お通し(スパゲティサラダ)
おでん二品
玉子焼き
しじみ汁

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