日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

豊穣の近畿を行く - 能登

2017-10-07 21:17:04 | 居酒屋
飲み切りボトルが空いたところで「住茂登」を辞去し、次なる店に移りました。同じく教祖推奨の「能登」を訪ねます。
先達の導きに頼ってばかりというのも芸のない話です。ましてや長浜では、教祖の推す二軒の毛色が似通っているだけに、一軒は自力で開拓するのも悪くないように思われました。しかし、呑み屋街らしきものがどこにあるのか判然としない中、まばらに散らばる呑み屋の中から、これぞという店を探し出すのは至難の業というものでしょう。今夜は二軒目も手堅く行きたいという考えが勝りました。

「居酒屋味酒覧」だけでなく「居酒屋百名山」にも登場する、教祖がとりわけ絶賛してきた名店だけに、情報量は「住茂登」以上に多く、事前に予想できる部分は少なからずありました。こちらが勝手に重ね合わせていたのは三国の「魚志楼」です。小上がり、座敷を主体としつつも、玄関から奥へ通ずる廊下に沿って、わずかばかりのカウンターがあり、そこで居酒屋使いもできる仕組みだろうと見込んでいました。そしてこの予想は見事に的中しました。
白木のカウンターでは二人組の御常連が盃を傾けていました。見やすい位置にホワイトボードの品書きがあり、居酒屋使いをしたい向きには、この中から一品ずつ選んでいけばよいという寸法です。川魚が主役なのは「住茂登」と同様ながら、こちらではさらに子持ち鮎、ワカサギ、手長海老など品数が増え、さらには鱧、よこわ、つばすといった関西らしい品々も加わり、二軒目でも趣向を変えて楽しめます。話好きな女将の客あしらいも堂に入っており、呑み屋としての居心地は「住茂登」に一歩勝るものがありました。

以上の通り、さすがと実感させてくれる名店です。ただ、事前情報からある程度の予測ができてしまい、自ずと期待も高まる結果、その期待をも超える感銘までは受けないという、教祖の推奨店にありがちな結果でもありました。この手の店の場合、二度、三度通うことで本当のよさが分かってくるものです。長浜で呑むなどという機会が再び巡ってくるかどうかは未知数ながら、実現の折はもちろんこの店の暖簾をくぐりたいと思っています。

能登
長浜市朝日町2-2
0749-63-1096
1130AM-1400PM/1700PM-2300PM
水曜定休

能登・七本鎗
突き出し(もろこ焼き浸し)
鮒ずし
子持ち鮎天ぷら
しじみ汁

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