日本共産党座間市議会議員もりや浩一のもりもりレポート

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TPP問題、国民の血の出るような叫び

2010年12月26日 | 農業

日本共産党の市田忠義書記局長が、11月19日の参院予算委員会で行った質問の一部を紹介します。
この質問には大変多くの好反応がありました!

市田
 総理に聞きます。これほどの規模で、北海道をはじめ日本全体が立ち上がった、このことをどう受け止めておられるでしょうか。

>菅直人首相
 私どもは、先の「(包括的経済連携に関する)基本方針」のなかで、経済連携、いわゆる「開国をする」という方向と、農業の再生を両立させると、そういう方針を明確にいたしました。
しかし、もちろんこの経済連携、TPPについてはご承知のように、関係国との協議という段階でありますけれども、そういうことについて、農業に携わっておられる皆さんが、いろいろ心配をなさっているということは、そのとおりだと思います。
私は、逆に農業再生のためには、もう待ったなしのところまできていると。ですから、この両立こそが日本の将来を開く道になると、このように考えております。

市田
 農業団体だけじゃないんです。市民も経済団体も消費者も立ち上がっている、それをどう受け止めているかと聞いたんです。国民の血の出るような叫びを、総理はわかっておられないと私は、思うんです。
 農水省に聞きます。TPPへの参加で北海道経済にどういう影響が出るか。北海道(庁)の行った試算を述べてください。

鹿野道彦農水相
 北海道農政部で行った試算は、道内農業生産や関連産業等への影響は2兆1千億円程度で、雇用は17万3000人程度減少、農家戸数は3万3000戸程度減少、こういうことであります。

市田
 では、日本全体の農水産物等への影響はどうなっていますか。

>農水相
 多面的機能、農産物と水産物あわせまして4兆5000億円産出が減るというふうな試算を出させていただいております。

市田 それ以外にもいろんな数字を今日お答えくださいと、きのういっておいたでしょう。

>農水相
 国内の農産物の生産額は4兆5000億円程度減少、食料自給率は40%から13%に低下、農業の多面的機能は3兆7000億円程度喪失、関連産業への影響は国内総生産で8兆4000億円程度減少、350万人程度の就業機会の減少と、こういうふうな試算を出しているところです。

市田
 そういう数字はあんまりいいたくなかったんでしょう。TPPに参加することになれば、例外なく関税撤廃が求められて、アメリカ、オーストラリアからの農産物の大量輸入で、日本の農業は壊滅し、国内生産は崩壊する。自給率13%ということになれば、国民の胃袋のほとんどが外国にゆだねられる。関連産業も廃業に追い込まれるし、地方の雇用も失われる。里山荒廃どころか、日本の農山村地帯は見る影もなくなるでしょう。

 北海道農業はすでにEUレベルを超えて、肉用牛ではアメリカをも超えている。貿易の完全自由化・市場開放と、農業を「両立」させる対策を取るんだと菅総理はいわれた、(しかし)それは不可能なんです。世界的に見ても大規模化している北海道でさえ、壊滅的な打撃を受ける。

 
総理は、「第三の開国」ということをいわれます。総理のいい方を聞いていると、日本の貿易は、農林水産物を中心に、まるで“鎖国”状態にあるかのように聞こえます。
 そこで農水省に聞きます。主要国の農産物の平均関税率はどうなっていますか。

>農水相
 農産物の平均関税率は、インドが124・3%、韓国が62・2%、メキシコが42・9%、EUが19・5%、米国は5・5%、日本が11・7%。

市田
 いまお話があったように、日本は11・7%、アメリカに次いで世界で2番目に低い。日本は“鎖国”どころか十分すぎるほど国が開かれている。

 そして、この関税率の低さは、今日の日本農業の疲弊、困難の主要な原因だったんです。TPPへの参加は、それに追い打ちをかけて、いわば崖(がけ)っぷちに立っている人を――それを救うのが政治の責任なのに――崖っぷちに立っている人を、崖から突き落とすようなものなんです。

 国民はこうした現状を前にして、食料自給率についてどう考えているのか。この10月、政府が行った「特別世論調査」というのがあります。
実に9割の人が、食料自給率を高めるべきだと(答えている)。では、同じ調査で「外国産のほうが安い場合は、輸入食料のほうがいい」と答えた人はどれぐらいいますか。

>農水相
 これも、本年9月に内閣府が実施した世論調査によりますと、外国産のほうが安い食料について「輸入する方がよい」と考えている国民の割合は、5・4%という数字であります。

市田
 安ければ外国産の方がいいと考えている人はわずか5・4%なんです。政府が行った世論調査でこういう答えが出ている。こういう冷厳な数字を私はしっかり見つめるべきだと(思います)。要するに、圧倒的な国民が望んでいることは、これ以上輸入に頼ることではなくて、「安全で安心な食料は日本の大地から」ということなんです。

市田
 いま世界では、食料を市場任せにすることによる害悪が明らかになって、各国の「食料主権」を保障するルールの確立、これを求める流れが大変広がってきています。
 総理にお聞きしたいんですが、こういう自国の食料は自国でまかなうことを基本にしよう、ただ海外に輸出したらそれでいいんだ、それではだめなんだという、この世界の流れについてどういう認識をお持ちでしょうか。

首相
 私にも、たくさんの消費者運動とかいろんな有機農業の運動をやっている昔からの仲間がおりまして、確かに多くのそういう関係者が心配をしておられます。
 同時に、私が最初から申し上げていますように、それではこれまでの形のままで、とくにその経済的な連携をやらないで、農業が自然に立ち直ってくるかといえば、決してそうではない状況にあることを、やはり一方で考えなければならないわけです。
 私も民主党のなかで、農業再生本部の本部長をやらされたこともありまして、そういう中から現在の戸別所得補償の考え方も、いろんな関係者のなかから出てきたわけであります。
 「食料主権」の考え方も、私はまさにそのとおりだと思っております。つまりは、地産地消、できるだけ自分たちの国、自分たちの地域でつくられたもので自分たちが生きていくことができる、そういう社会が望ましいと思っています。

市田
 両立が困難だということも、菅総理はさきほどいわれました。どうして、後継者が育たないかといったら、農業だけで食べていけないからなんですよ(「そうだ」の声)。輸入自由化をやって、価格も流通も市場任せにしてきたから、農業所得が減って、後継ぎが減っているんです。なにか平均年齢が65歳とかそんなところに理由があるんじゃないんです。
 外務省に聞きます。2004年4月16日に、第60回国連人権委員会で、「各国政府に対し食料に対する権利を尊重し、保護し、履行するよう勧告する」。こういう内容の「食料に対する権利に関する特別報告書」が出され、この報告書に関する決議が、日本を含む圧倒的多数の国の賛成で、採択をされました。
反対した国はどこか、棄権した国はどこか、挙げてください。

>外相
 現在、人権理事会というものに改組されていますが、当時2004年は国連人権委員会というものでございまして、加盟国は53カ国でございました。反対をしたのはアメリカ、棄権票を投じたのはオーストラリアでございます。

市田
 圧倒的多数で、「食料主権」につながる考え方が採択されているんですよ。反対したのはアメリカ、棄権はオーストラリアだけ。
 結局、自国の農産物輸出拡大のためなら、こういう世界の流れに真っ向から反対して恥じない、ほかの国がどうなってもいい、こういうアメリカなどが進めている潮流に追随していっていいのか(「そうだ」「そのとおり」の声)。TPPは、農業だけにとどまりません。金融、保険、公共事業の入札、医師、看護師、あるいは介護士などの労働市場の開放まで含まれています。賃金も、アジア諸国の低賃金との競争にさらされて、大幅に引き下げられる危険があります。
 市場原理万能で、なんでもかんでも市場任せにしていくというやり方は、農業をみても、環境をみても、いまの日本の雇用をみても、破たんはすでに明らかであります。

 わが党は、世界経済が結びついて、貿易が拡大することそれ自体が悪いといっているわけではありません。そういうなかでも、たとえば「食料主権」のように、農業、食料、あるいは環境、労働などは、市場だけに任せていてはなりたたなくなるじゃないか。そこをはっきりさせて、それらを守るルールをつくることこそが、21世紀のまともな経済発展の方向だということを指摘して、私の質問を終わります。
(ここだけ)

国民の血の出るような叫びを、総理はわかっておられないと私は、思うんです。がよかったという反応もありました。
質問の全文を見てみてください。→コチラ

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