レビュー

音楽や書籍に関するフェイバリットの紹介とそのレビュー。

1、カルメン/ビゼー

2016-10-12 09:09:27 | 日記
NHK教育(Eテレ、というの?)かなんかで、「これまで自分が聴いてきた10曲で生涯を語ろう」みたいな試みがあって、なかなか面白いんで、オレもやってみようと思いつく秋の夜長。

・・・

幼い頃、実家に古くて安物の、「オーディオ」なんて呼ぶのが恥ずかしいくらいの質のステレオセットがあった。
薄っぺらなレコードプレイヤーに、ふたつのチープな小箱のようなスピーカーが繋がった、おもちゃみたいな代物だ。
そいつでオレは、親が元々持ってたレコード・・・なのか、親が子供たちに聴かせようと買ってきたものなのかわからないが、とにかく、クラシックのオムニバス版のようなのを聴いてたんだった。
名曲のいい部分(有名なフレーズの箇所)をざく切りにして詰め物にされた、それこそ「クラシック名曲ベスト50」みたいなやつだ。
ベストといえば、その頃、「ザ・ベストテン」なんて歌番組が猛烈にもてはやされ、ものすごい視聴率を取ってたっけ。
だけどオレは、そっち方面にはまったくなびかなかったのだ。
なびかないというよりも、まるでそそられなかった。
オレの感性の構造は少々奇妙にできてるようで、ある意味、脳機能障害が混じってる気がしてるんだが、つまりオレって、「音を聴いてると、歌詞が頭に入ってこない」ようなのだ。
言葉の意味が音の裏で素通りしてしまって、まったく理解できない。
誰もが普通に同時進行でやってると思われる作業、すなわち、歌詞の解釈を音の雰囲気に溶け込ませて情景を思い浮かべる、ってことが、オレには瞬時にできない。
なので「歌」を聴いても、歌詞の意味は捨てて、音だけを拾うって作業に集中することになる。
テレビを一緒に観てるよめはんにも不思議がられるのだが、オレは「CMの意味・訴求内容を理解できない」。
CMは、映像と音声と文字情報を組み合わせた複合表現だが、オレは音に聴き入ると映像が見えなくなり、映像を見てると言葉を拾えなくなり、言葉の意味を理解しようとすると音楽も映像も脳内から追い出されてしまう。
どれかひとつしか追えないのだ。
というわけで、オレは日本語の歌の価値を半分しか理解することができない。
オレにとって、音楽に歌詞は必要ないんだった。
その代わりに、音の構造は、ひとよりも明晰に、立体的に捉えることができてると自覚してる。
いわゆる「サヴァン症候群」の小現象じゃないかと思いたいんだが、音楽を幾何学的に解体して捉えることができてる、ような気がする。
話は飛んだが、幼い頃に、オレはクラシックの小片を繰り返しに聴いてたんだった。
その中でも好きだったのが、ビゼーの「カルメン」って曲だった。
こいつの何楽章めか知らないが、6拍子(3拍×2)に2拍をねじ込んでるような部分があって(のちにウイントン・マルサリスの音楽講座をテレビで観て、この構造を「シンコペーション」というのだと知る)、それを脳裏で幾何学に起こし得たときのドーパミン?エンドルフィン?の大放出が、オレにとっての音楽における最初の感動だった。
そのときの驚きは、鮮明に覚えてる。
このレコードは、繰り返し繰り返し、ものっすごく繰り返しに聴いた。

東京都練馬区・陶芸教室/森魚工房 in 大泉学園
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