
2005年に、ビューエルM2の支払いが終了し、やっと債務のない生活が訪れそうだというのに、やはり悪い虫は騒ぎ出すもので…。このあたりから更なる深みにはまってゆく私であった。
当時は実家からもらってきた、93年式のCB7型USアコードクーペに乗っていた。12年落ち、走行も12万kmオーバー。とはいえ年間数万マイルを普通に走るUSAメイドの車であるからして、造りも大雑把で、特にひどいくたびれは感じられなかった。ダラーっと流すのがとても気持ちいい車。しかも車検も1年近く残っていた。え〜、つまり、すぐに買い替える必要性は特になかったわけだ。だのに……次々とクルマのカゲが浮かび…。
ユーノスロードスター(初代)
キャデラック エルドラド ツーリングクーペ
フォード マスタングコブラ(先代)
シボレー コルベット(C4前期型)
アルファロメオ スパイダー(新・旧)
サニトラ
最終的な候補車はこのあたりであった。見事にジャンルばらばら。一つ共通している事といえば、実用性&社会性に極めて乏しい、そんなところだろうか。毎日のように、ネットであちこちの店や、個人売買のサイトを見て回る日々。そんな中、一軒の旧車専門店のホームページを見つけた。どうやってたどり着いたのかは覚えていない。きっと運命だったのだろう。そして在庫車リストの中に見つけた2台の車…。
昭和59年式ホンダシビック そして、
昭和57年式マツダサバンナRX-7……。
どちらも「あーーーー!!そうだこんなのがあった!!」と思わせる、私が小学生の頃にたくさん走っていた懐かしのクルマたち。なぜだろう、私は高額な買い物をする時、前からそれが欲しくて欲しくてたまらなくて、やっとの思いで手にする、という経験がないのだ。もちろんそれまでに候補に挙がっていた車たちだって、ある程度本気で検討していたが、今回も結局、ビューエルのように
「あったから」
そんな出逢いを大切にする事になろうとは。
早速お店とメールで連絡を取りあい、訪ねてみたが、シビックは車検切れ、サバンナはクラッチマスターを修理中との事で、どちらも試乗は叶わなかった。そのかわり色々なお話を聞き、家に帰っていろいろ考えた。
実は、はじめ買おうと思ったのはシビックの方だったのである。理由としては…
・赤の内装がステキ(サバンナは黒)
・実用性がある(何をイマサラ……)
・走行80,000kmワンオーナー
・サバンナの半額以下
そんな所だった。対するサバンナは走行も12,2000kmで複数オーナー、シビックとの実用性の比較など口にする方がおかしい。サバンナのあのたまらないスーパーカーなスタイリングにはかなり惹かれていたのだが(子どもの頃、グリーンのSAのミニカ−も持っていた)、ビューエルというアヤしいバイクにも乗っている関係上(今後の壊れっぷりが不明なため・笑)、シビックでもまぁいいかなと、納車のための整備・修理項目も相談して見積もってもらって、それでは作業をよろしくお願いします、と、お店を出た帰り道のバイパス道路。オーディオからはクレイジーケンバンドの「GT」。そして信号待ちで並んだ1台。その車、いすゞベレットGT。横山剣さんのかつての愛車。ユーミンが「コバルトアワー」で歌う白いベレGまさにそのもの。そして信号は変わり、男らしい骨太な排気音を残し、ベレットは幻のように消えて行った。本当にカッコ良かった。呆然と見送った直後、私に電流が走った。
生まれて初めての感覚だった。
おい、お前本当にこのままでいいのか?シビックでいいのか?周りが顔をしかめるような、でも思わず振り返ってしまうような、そんな車が欲しかったんじゃないのか?お前が幼い頃に好きだったあの車は、もうお前の手の届く所にあるんだぞ、今逃したら次のチャンスはいつになるかわからないぞ。
そんな声が聞こえた気がした。そして様々な感情がグルグルと頭の中を回り、気がついたら家に着いていた。すぐにお店に電話をして謝り、もしできるならあらためてサバンナで検討し直させてもらえないかとお願いした。快く対応してくれた担当の方には本当に感謝の気持ちで一杯である。
それから待つこと3週間、納車の為の整備と修理(セルモーター修理、フロントハブベアリング修理、クラッチマスターO/H、前席およびドア内張り張り替え)を終えた、ほぼフルノーマルのアイボリー色したサバンナが、とうとう我が家へとやってきた!意味なく外環を遠回りしてみたり。そのスタイリング、運転席からの風景、そして独特のエンジンフィールに終始興奮していたのを覚えている。それと、かなり久しぶりのマニュアル車(笑)。
後に聞いた話だが、SA22Cは、非常に多く生産されたのに現存数はかなり少なく、そのうちノーマル車ともなると天然記念物モノといえる程珍しいそうだ。これは……動体保存に努めなければならないな。現状と方向性についてはまた別項で触れるとして、何となく東京ディズニーシー裏へ行って撮った写真を添えつつ、私は出勤します。合掌。