日々雑感

最近よく寝が、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

憲法改正には外敵が必要

2017年05月17日 09時31分48秒 | 日々雑感
 安倍首相は、総裁選では施行60周年を迎えた日本国憲法を改正すると宣言し、総理就任後の国会で、「現行の憲法は、日本が占領されている時代に制定され、60年近くを経て現実にそぐわないものとなっているので、21世紀にふさわしい日本の未来の姿あるいは理想を憲法として書き上げていくことが必要と考えている」と述べ、憲法改正は自身の長年の夢と宣言したが、その後国会での具体的な進捗は見られなかった。

 安倍首相は、とうとう痺れを切らしたのか、あるいは森友問題から目を逸らすためか、今年憲法記念日、憲法第9条改正と2020年の施行を目指す考えを表明し、在任中の改憲実現に強い意欲を示した。ここでの改正内容は、9条1、2項はそのまま残し、3項に自衛隊を明記するとのことである。

 自民党は今年3月に開いた党大会で、総裁任期を現在の「連続2期6年」から「連続3期9年」とする党則改正案を了承した。これにより、2018年9月に連続2期目の総裁任期が満了を迎える安倍晋三首相がもし3期目に選出された場合、総裁任期は2021年9月までとなり、2020年施行は任期中の功績となり、歴史に名を刻むことになる訳だ。

 そこで早速8日の自民党役員会で改憲に向けた党内や国会での議論を加速させるように指示したとのことだ。安倍首相の憲法改正に取り組む今回の積極的な姿勢は、これまで国会の議論を見守る姿勢をみせてきただけに、与党内にも困惑が広がっているようだ。

 また首相の表明した改正内容は、自民党が野党時代の平成24年に発表した憲法改正草案にはなかった。草案では現行憲法の2項の「戦力の不保持」を削除し、「自衛権の発動を妨げるものではない」と明記した上で「国防軍」の保持を盛り込んでいた。

 そこで石破茂前地方創生担当相が早速嚙みついた。石破氏は草案の起草委員会メンバーで、思い入れが強い。一方、首相は実質的に関与しておらず、これまでの経緯を考慮していない。首相は改正内容の全体の整合はさておき、「自衛隊の合憲化」を優先する方針を鮮明にしたのだ。

 11日に開かれた衆院憲法審査会の幹事懇談会では、自民党は首相の発言は自民党内向けであり、また2020年施行に審査会は縛られないと苦し紛れの釈明をした。憲法審査会は、議席数に応じ各党に委員が配分されている、民主党議員等も参加する会であり、これまでの経緯を無視するわけにはいかないのだ。

 しかし、自民党にはこれとは別に憲法改正推進本部があり、こちらは首相の意向を受けて憲法の草案を作成し、憲法審査会に諮る予定のようだ。憲法審査会はこれまで苦労して草案を練り上げてきた筈だ。推進本部の作成する別案をおいそれと受け入れないと思うが、そこは自民一強時代の首相の意向だ。簡単に靡くかもしれない。

 憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際に行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

 共同通信社は4月29日、憲法施行70年を前に世論調査の結果をまとめた。これによれば、9条改正を巡っては必要49%、必要ない47%で拮抗(きっこう)し、安倍首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だったとのことだ。この世論調査では、憲法改正には賛成・反対が拮抗しており、どちらになっても圧倒的とはならず、国論を二分する状態となるだろう。

 しかし、日本国民は概して急激な変化を好まず、また、憲法の部分的な条項をいちいち改正するという伝統の無い日本では、大きな国民的な感激や興奮が無い限り憲法改正は行われないだろうと予測する学者もいる。すなわち、憲法改正のためには外からの大きな刺激が必要なのだ。

 北朝鮮のミサイル発射実験は相変わらず続けられ、核実験の懸念も残るが、これらは単なる金王国存続の為の威嚇と思われ、韓国国民はさほどの関心を払っていないようだ。しかし、安倍政権はここぞとばかりに不安を煽り、憲法改正への雰囲気作りに邁進しているように思えてならない。2017.05.17(犬賀 大好-338)
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