「滝」の俳句~私の心に見えたもの

220728 佐々木博子(「滝」瀬音集・渓流集・瀑声集 推薦作品より)

桜貝ずらりと並べ泣いてをり 谷口加代

2017-05-06 05:07:37 | 日記
 例えば、<加代は床に正座し、ブルーのベッドカバーの上にずらりと桜貝を並べて泣いていた。>と、小説は書き出され場面が展開して行く。桜貝は、「拾うと幸運がやってくる」と言われているので、これほどたくさんの桜貝があるのだからハッピーエンドの嬉し泣きで物語が終わって欲しいがどうなのだろう。桜貝は、幼い頃の母との思い出だったり、初恋を思わせるイメージがあって、嬉し涙を思うには少々無理がある。謎めいた句に、そんなことを考えていたら、泣いている人をほうっておけない人は皆「どうして泣いているのだろう」と思うとおもった。私もどうやらそういう人だったらしい。「どうして?」とは訊かないで、ただ背中を摩ってあげようと思う。作者の意図にまんまんと嵌ってそれでいい。そういう句だと思う。(博子)
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