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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

34度! 猛暑の茶臼山で真夏のキノコ狩り(妻女山里山通信)

2013-08-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 確か梅雨明け前の長期予報では、北信越はやや冷涼な夏なんてことだったと思うのですが、連日34、35度という猛暑が続いています。さすがに夜は21度ぐらいまで下がるのですが、昼間は信州にしては湿度の高い毎日。用もあってなかなか山に行けない日々が続きましたが、先週末やっと最も暑い時間に行く事ができました。久しぶりに樹液バーを覗くと、オオムラサキを始めほとんどの昆虫が姿を消していました。例年より半月程早い光景です。そこで、妻女山から久しぶりに茶臼山へ脚を延ばしました。真夏のキノコ狩りが目的です。

 クラクラする様な暑さの中、笹薮を抜けてまず眼に飛び込んで来たのがアカヤマドリ。傘の直径が30センチ位になる真夏のキノコで、茶色の傘に白いひび割れができるのが特徴です。虫が入り易いキノコなので、本当は10センチ位の幼菌が欲しかったのですが、幸い写真のものは15センチぐらいでしたが虫がまだ入っていませんでした。迷わずゲット。傘の裏の菅孔の部分は取り除いて調理します。このキノコは、和風の調理が合いません。タマゴタケもそうですが、洋風の方が合うのです。おすすめは「アカヤマドリのプロヴァンス風オムレツ」。タマゴタケもそうなんですが、卵やバター、クリームとの相性がいいのです。「タマゴタケのクリームパスタ」。リゾットなどにも向いています。

 急登の草むらに見つけたのがシロオニタケ、毒キノコですが、形が可愛い、面白い。たぶん一度見たら忘れないでしょう。そして、灌木の下の薄暗い中に白く怪しく光っていたシロタマゴテングタケ。死の天使と呼ばれるドクツルタケ、タマゴテングタケと共に、三大猛毒キノコと呼ばれるものです。特に真夏の白いキノコは、食べない方が賢明です。キノコ屋の言葉に「どんなキノコも一度は食べられる」というのがありますが、もし猛毒キノコだったら、たぶん二度目はありません。これを7、8本採りました。これを汲取式トイレの便槽に入れておくとひと夏ハエが発生しないのです。防火用水なら蚊が発生しません(但し動物が飲み水として利用しないところ)。しかも、いずれは生分解して無害になる天然の除虫剤です。

 そんな猛毒キノコを食べる虫がいるのですから、自然界は不思議です。キノコを食べる虫は多くて、コウチュウ目に属するオオキノコムシ科・デオキノコムシ科・コキノコムシ科、ゴミムシダマシ科等。ハエ目にはキノコバエ科・チャボキノコバエ科・ツノキノコバエ科・ホソキノコバエ科・クロキノコバエ科等。ナメクジやカタツムリ・キセルガイもよくキノコについています。なにか解毒のシステムを持っているのでしょう。毒キノコではありませんが、月の輪熊もヒラタケ、オシロイタケなどは食べる様ですし、椎茸にニホンカモシカの食痕があるのを見た事もあります。次に見つけたのが、写真の緑色のキノコ。以前ここにはアイタケが出たので、そうかなと見るとつばがあります。違う。テングタケ科かベニタケ科のようですが、未同定です。なんでしょう。

 帰路に見つけたのがオニイグチモドキとアカジコウ。どちらも食菌ですが、オニイグチモドキはそれほど美味しくもないし、アカジコウは残念ながら虫が沢山入っていて傷んでいました。他に沢山出ていたのは、ニガイグチモドキとブドウニガイグチ。どちらもニガイグチと付く様に毒キノコではないのですが、強烈に苦くてとても食べられません。昔、不注意で一本ニガイグチがキノコ鍋に入ってしまったことがあり、全部捨てたそれこそ苦い経験があります。

 往路とは違う林道を歩いていると、特有の白粉臭い香りに包まれました。下を見るとクサギの白い花が満開でした。この花は、昔、祖母が使っていた様な白粉の香りがするのです。クサギの秋の青い果実は、羽根つきの羽根の様でこれも特徴的です。

 余りの暑さと湿気のためか昆虫達も少なめで、オオムラサキはメスを一頭見たのみでした。ツバメシジミが一頭。クサフジで吸蜜するハキリバチが一頭。腹部に黄色い花粉をたくさん付けています。バラの葉を丸く切る害虫とされますが、餌でなく巣のパーティションに使うという面白い生態を持っています。コナラにドロバチが?と思って撮影したのですが、帰って拡大してみると触覚が蜂ではない。見当をつけて調べてみると、ハチモドキハナアブでした。キノコももどきは多いけれど、昆虫類はもどきとつく擬態が本当に多い。進化というのは不思議なものです。

 茶臼山展望台から見た風景は、靄(もや)っていました。信州の夏といえばカラッと晴れて、暑くても湿度が低くて入道雲がニョキニョキが定番なのですが、この暑さと湿度には参りました。北アルプスどころか、そう遠くない虫倉山もほとんど見えません。ずっと虻とヤブ蚊が追い掛けて来るのにも参りました。タオルを二つに折って振り回しながら歩きましたが、たいしたことはしていないのに体力をかなり消耗しました。

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