アトリエから・・イメージの世界で鉄と遊ぶ/上野玄起鉄の造形スタジオ

八ヶ岳南麓、森の中、川のほとり、陽だまりの中にある小さなアトリエ。八ヶ岳の暮らしとそこから生まれた作品たちを紹介します。

ロフトのための階段はしご

2010年12月31日 | 柵、門扉、アーチ
家具などを作る時には、使っていない時もオブジェのように空間に存在してほしいと思っています。

今回作らせて頂いたのはロフトに上がるためのはしご状の階段です。
6年前からはしごをいろいろ探しておられたそうですが、なかなか思ったものに出会われなかったそうです。
昨年オープンアトリエにお越しいただいて作品をお買い上げいただいたのが縁で、今年のオープンアトリエの際にこのはしごのご依頼をいただきました。
ご主人は設計をされていることもありしっかりした図面を用意して下さりました。
鉄の自然な感じのサビ仕上げをご希望でした。

材料などはこちらで選定させて頂きましたが今回はガス管を使用しました。
普通のパイプより肉厚で溶接もしやすいし強度もあります。


はしごは使わない時はタテに固定できるようになっており、奥様の織りの作業スペースとリビングを分ける開放的なパーテンションのようになります。空間に鉄がすっきりと治まった様子はシンプルなオブジェの様です。


はしごは前後2列になっており足を掛けた時に1本より痛くなく安定感もあります。
さすがにプロの設計だなと感心しました。

パイプなどの細いもので溶接箇所が多いと歪みが出やすくなります。この歪みを計算に入れて溶接の順番などの組み立て方を計画しますが、ひずみ無くうまく組み上がったら気持ちがいいです。
今回も楽しく仕事をさせて頂きました。


ブログを見て下さっている方々へ。
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
大晦日に今年最後の納品を終えました。
今年もいろいろな方に注文をいただきました。
一つ一つ丁寧に思いを込めて造ることを心掛けていますが、その為少しずつ納期がずれたりしてご迷惑をおかけしました。
年越しの仕事もいくつかありますが、来年も頑張りますので宜しくお願い致します。
来年もこのブログで生活の中に私の作品を取り入れて下さっている方々を含め鉄の作品を紹介して行きたいと思っています。
宜しくお願い致します。
尚、新年は6日まではお休みさせて頂きます。
では良いお年をお迎え下さい。

上野玄起
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カフェ麦わら帽子(ジブリ美術館)

2010年12月25日 | 記事
三鷹のジブリ美術館に行って来ました。
東京に行く用事があったのでチケットを予約してみたらちょうど予約が取れました。
宮崎さんの新しい短編アニメーションも見てみたかったのと私が作った作品も気になっていたので足を運びました。

美術館に訪れるのはプレオープン以来なので約10年ぶりでした。
気になっていた作品たちはしっかりメンテナンスされていて全く心配ありませんでした。


当初は、進入禁止の役目のために作りましたが、今ではカフェの看板を首から下げてお客さんを出迎えています。
何人もの子どもが同じポーズをして一緒に写真を撮っていました。
僕の作品の中でも一番写真に撮られている作品に違いありません。


カフェの入口のハンギングです。
これが今作っている表札や看板の素になっています。


カフェの中のコート&帽子掛けです。
子どもも掛けることが出来るように低い位置にもフックが付けてあります。
麦わら帽子のディスプレーも素敵です。

実は、このカフェ麦わら帽子の作品が鍛冶屋仕事のデビュー作なのです。
それまで鉄で作品を造っていましたが鍛造はしていませんでした。
この作品を造るために鍛冶屋さんの工房に足を運び一から教えてもらい自分で炉を造って仕事をしました。
10年ぶりの再開にその当時のことを思い出しました。
この他にもいくつか作品がありますがみんな大切に使ってもらって嬉しかったです。

「食いしん坊のカツサンド」「ショートケーキ」「ふわふわクリームのコーヒー」をいただいてお腹も気持ちもいっぱいになって美術館を後にしました。

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鉄板 切り抜き看板(APPLE HOUSE)

2010年12月20日 | 看板、表札、ポスト

APPLE HOUSEという洋服屋さんの看板です。
今回浜松のお店のオーナーさん直々に注文を頂きました。
私のアトリエにもたびたび来て下さり作品を買って頂いています。

写真はアトリエの外で撮りました。地面に置くタイプの看板です。

お店は建物の中にあり、前の歩道はとても広くて看板が目立たないとお客さんに気付いてもらえないそうです。
風が強くある程度の重さがないと飛んで行ってしまうかも・・。
看板って風をもろに受けるので設置場所の確認は重要なポイントです。

ナチュラルテーストの洋服を扱っておられるので普通は鉄板の看板はイメージが違うように思いますよね。
実はちょっと手を加えることでそのイメージは軟らかくなります。
例えば看板には切りっぱなしの直線は無く、全ての線は丸みのあるギザギザに仕上げてあります。
手で触っても滑らかなんです。
この鉄板の看板は切り抜きのバランスがとても大切で、それでイメージが変わってしまいます。
これまでに、インテリアショップ、ケーキ屋さん、そしてブティックとこのタイプの看板も人気です。

看板裏側には10キロの重さのブロック3個を置けるようになっていて強風対策も万全です。
鉄板なのでマグネットを使って表面にいろいろピンナップできます。
切り抜きの裏から布をあててマグネットで止めることもできます。
いろいろ使い方を工夫することで、イメージチェンジができますね。

街なかには、さまざまな色やデザインの看板が乱立しています。
目立てば良い。派手なら目立つ。という街並を全く考えないものが多くあります。
素敵な看板が並ぶと街並としてのグレードが上がり人も集って来ます。

機会があればお店にも足を運んでみたいと思います。
アップルハウス 浜松アクト通り店
浜松市中区中央2-12-6
コメント (2)
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鉄の表札・アイアン表札(石田邸)

2010年12月12日 | 看板、表札、ポスト

私が看板を制作させて頂いた清里のケーキ屋さんの看板をご覧になられてご依頼頂きました。
八ケ岳にある角ログの山荘の表札です。
ログハウスは木の力が強いのでそれに負けないように大きさや材料選びをしなければなりません。
この表札は個人宅の表札としては少し大きめに造っています。
鍛造部分の鉄の角棒もいつもより少し太い16ミリのものを使いました。

山荘内の照明はルイスポールセン、ストーブはベルギー製のエッフェル、真空管アンプのオーディオからジャズが流れています。
私の好みに近いものがあったためイメージはしやすかったです。

デザインはログに負けない重厚感を保ちながらも北欧スカンジナビアの伝統的デザインの要素を取り入れました。
字体はオリジナルですが重くなりすぎないように動きのあるものをイメージしました。
オーナーさんとの会話を思い出しながら字体を含めてデザインを練り上げて行きます。
他には、ログの場合はセトリングと言って年数によって建物の自重で木が沈み込む事を想定して取付け方も工夫しなければなりません。

今回もオーナーさんにはとても気に入っていただけました。
その瞬間がやはり一番嬉しいですね。

素材;鉄
大きさ:幅約60センチ
つや消し黒塗装仕上げ
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グループ展「あるまじろ展'10」

2010年12月01日 | 展覧会
しょうがいの 
あるひとも、ないひとも、
みんなでたのしむてんらんかい。
と言うテーマのグループ展「あるまじろ展」に出展しています。
今回初めて誘って頂いた展覧会です。
以前アートセンターコスモスで個展をした時に私の作品を気に入ってくれた作家の方から声をかけて頂きました。
県立北病院の精神科デイケアで絵画の指導をしていますが、みんなとても向上心があり熱心に取り組んでいるので指導のしがいがあります。今回は私の担当の患者さんの絵は出展していませんが次の機会には是非一緒に展示してみたいと思います。

2点の壁面作品を展示しています。
写真左『影もかたちも」右「つながるかたち」

あるまじろ展'10
会場:ハーパーズ・ミル
山梨県甲府市東光寺町1346
055-233-3157
会期:12月2(木)~7(火)
時間:11:00~18:00
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