MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

『烏に単は似合わない』

2012年07月27日 | BOOKS
 この筆致、最初の3ページほどで好きになりました。

 『烏に単は似合わない』阿部 智里(文藝春秋)

 京都の人は普通に読めちゃうかもしれないですが「烏(からす)に単(ひとえ)は似合わない」と読みます。
(「とりにたんはにあわない??」って読んじゃいそうですよねぇ?)


 なんだろう懐かしい少女小説の香り。
 集英社コバルト文庫とか講談社ホワイトハートとか、そんな甘さと瑞々しさ。
 異世界にさらりと連れて行ってくれるところは小野不由美さんの『十二国記』シリーズ、華やかなジャパネスクは氷室冴子さんの『ざ・ちぇんじ』、古典では『落窪物語』を思い出しました。

 でも、でも……これは、『第19回松本清張賞最年少受賞作』なのです。
 けっして、前半を読んだだけで読むことを止めてはなりません。
 最後まで読まずにやめてしまったら、もったいない!!
 きちんと後半に「なるほど松本清張賞!」と唸ってしまう展開が待ってます。
 男性も、表紙が可愛いからと言ってあきらめては損!書店でカバーでもつけてもらって下さい。中にはイラストはありませんから!

 甘く優しい花の香りの中に隠されていた伏線を、後から見つけ直す楽しさが満載。


 ホント、楽しみな作家さんだなぁ。今後の作品に、今からワクワクしてしまいます。

 
以下のリンクで立ち読みもできます。
『烏に単は似合わない』立ち読みページ - 文藝春秋
 ここにも既に伏線が!最後まで読んで、そして初めの初めから再読して楽しめる本です。
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