星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や観劇メモ、自分の好きなことなどを・・・。 

初春文楽公演@国立文楽劇場(1月前半昼の部)

2012-01-22 | 観劇メモ(伝統芸能系)
松の内に文楽劇場に行くのは初めて。
1月前半昼の部はこの3演目だった。
お正月らしいおめでたい演目。大河ドラマにかけたものなど。
菅原伝授は・・・松竹梅だから?(えへ。)
チケット窓口に行くとこの日は「全席売り切れ」になっていた。
(かなり記憶が薄れているのが残念・・・。)



公演名    初春文楽公演
劇場     国立文楽劇場
観劇日    2012年1月8日(日)


七福神宝の入舩(しちふくじんたからのいりふね)

龍の頭がいきなりヌウッとこっち向いて上がってきたかと思うと
くるり〜と左を向いた。船だった。
辰年だから龍なのか、そもそも七福神の乗る船が龍なのか?
おなじみの七福神が船の上で祝宴を開き、各自芸を披露してゆく。
寿老人は三味線、布袋さんは腹鼓! 大黒天は胡弓(この時は床
をしっかり拝見、奏者は鶴沢寛太郎さん)、弁財天は琵琶を演奏。
福禄寿が長い頭を活かして(ろくろ首みたいに)角兵衛獅子の真
似をした時は声に出して笑ってしまった。恵比寿はエビで鯛を釣っ
た? 毘沙門天は?(完璧に忘れた!ごめんなさ〜い。)
最後に真ん中の仕切りが割れて人形と人形遣いさんが出てこられ、
手ぬぐい撒きが始まった。まるでお人形が撒いているみたい〜♪
3列目だったけれどこちらには全く飛んでこなかった。
のんびりおおらかでおめでたい演目だった。


菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
 茶筅酒の段
 喧嘩の段
 訴訟の段
 桜丸切腹の段


車曳と寺子屋以外の段を見るのは文楽、歌舞伎ともに初めて。
後日談がようやくわかったものの、私には相変わらずよくわから
ない苦手な演目。
三つ子のお父さん、四郎九郎の古希のお祝いから始まるので、お
めでたい話かと思いきや・・・お父さんがかわいそうすぎる!
三つ子の父として菅丞相から「白太夫」の名前までもらったのに。
庭の松、梅、桜の木が三兄弟と呼応するように不吉なことが起き
たり、祝いにかけつけたのは嫁三人だったり、遅れてきた息子たち
が次々と別れを願い出るようなことばかり言ったり・・・。
勘当を願い出た松王丸を追い出し、今度は桜丸の切腹。
そんなことを受け入れてしまう、いや、受け入れざるをえない父の
気持ちって、立場ってわかりづらい。感情移入ができない。
こんどは菅丞相とこの親子との関係がよくわかる前段のお話を見な
くてはと思う。

蓑助さんが遣われる桜丸。歌舞伎で見るようないかにも女形、とい
うような所作ではないが、動きはやはり細やかで柔らかい。松王丸
は剛胆な印象だった。


卅三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
 平太郎住家より木遣り音頭の段

京都の三十三間堂は後白河上皇が建立、造営には平清盛が当たった。
なるほど〜これは大河ドラマがらみだな。
有名なお寺の由来にこのようなエピソードがあったとはね。いわば
「芦屋道満大内鏡 葛の葉」の植物版。初めて知るあまりに不思議で
悲しいお話に涙涙であった。

平太郎とお柳の夫婦は前世は梛(なぎ)と柳の木であり、枝を交え
た夫婦だった。この枝を伐って夫婦の仲を裂いたのが蓮華坊という
修行僧で、蓮華坊は白河法皇の前世の姿だった。梛と柳と蓮華坊の
濃ゆ〜い因縁により、後の世に再び夫婦が引き裂かれることに。

白河法皇は頭痛持ちで、熊野大権現のお告げによると、柳の梢にあ
る前世の髑髏を納めれば頭痛が治るとのこと。そこに三十三間堂を
建立するために柳の大木が伐り倒されることになった。
驚き、涙するお柳。自分は柳の精だと夫に言う。柳が伐り倒された
ら平太郎とも子供のみどり丸とも別れなければならないと。

お柳さん、髑髏を持ってましたねー。昔、自分たちを引き裂いた憎
らしい蓮華坊の髑髏をときどき苦しめてたんだろうか?
お柳さんが形見に髑髏を差し出し、フッと消えた。
(ここが一番の見せ場。大木が倒れた瞬間だったのか〜。)

次の場面では伐採された大木が人夫たちに引かれて運ばれるところ。
これがビクとも動かないので夫と子供が呼ばれる。平太郎が旗振っ
て木遣りの音頭をとり、ちいちゃいみどり丸が綱を引くと木が動き
出した・・・う、ナンダカナア〜。
(平太郎もみどり丸も元気ないし、悲しい。)
途中から津駒大夫さんの声に同調しっぱなし。
この話を後世に伝えるためにこの物語ができた、という意味の語り
もあったが、ほんとに文楽向きの演目だと思った。
「北野天神縁起絵巻」なんかも文楽でやっていただきたいものだ。

数日後、京都の平等寺で偶然この話を聞いてビックリした。
(三十三間堂の棟由来についてはここが詳しい。)
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国立文楽劇場 大河ドラマ 後白河上皇 菅原伝授手習鑑
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2 コメント

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昼夜見ました (瑠衣)
2012-01-22 22:49:17
中日から昼と夜が入れ替えになるので菅原伝授手習鑑、三十三間堂棟由来を見ましたが、歌舞伎では桜丸切腹の場は加茂堤の場を見ていないと判りにくいですね。
寺子屋で松王丸が「桜丸哀れ」と涙する場面、あれもこの場が発端。たまには通しで昔のように数日かけて公演したほうが判りやすいかも?

文楽が興行されている時には殆ど見に行きますが、今年の正月公演はよくお客さんが入っていまして、橋本市長の発言で関西の浄瑠璃ファンが危機感を持たれた
瑠衣さま♪ (ムンパリ)
2012-01-23 01:26:04
> 桜丸切腹の場は加茂堤の場を見ていないと判りにくいですね。
あ、やっぱりそう思われますか。
この演目を見て心にストンと落ちて納得がいくように
早くなりたいのですが。

> 寺子屋で松王丸が「桜丸哀れ」と涙する場面、あれもこの場が発端。
そうなんですよー。
あらすじを読んだだけでは、哀れの度合いというか
意味合いがイマイチわからなくて。

> 橋本市長の発言で関西の浄瑠璃ファンが危機感を持たれた
そういえば残りの演目を見に行ったときにもたくさん
入っていましたね。別の日は完売になっていましたし。
このまま平行線なんでしょうかね。危機感ありますよね。

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