「はーいみんな受け取って!」
優姫と教室に入るなり、ドアの前に立っていた数人から渡された紙。
やれやれ、何のペーパーだ。
生徒会で緊急に何かを決める時ときとかは大体こういう光景がある。
零は真面目な顔で渡された2色刷りの新聞号外を見つめた。
次の瞬間端正な顔に不快な色が走った。
―げっ。
なんだこれは。
【黒主学園新聞部サンショコトラトルデー号外
】
「今年こそ好きなあの人へ、感謝を込めていつもお世話になっている人に
」
煽り文句が大きく刷られている新聞部の新聞だった。
見れば成るほど渡しているメンバーは新聞部の腕章をつけている。
―ってこの新聞号外の成果なのか?この異常な教室の盛り上がりは?
零はいつにもなく賑わう教室を警戒するように見廻した。
授業の始まる前の教室で方々から
「あれが可愛い」とか「これがいい」とか
「玖蘭先輩に上げたい」とか「私は一条先輩が良い」とか・・・・。
良く分からない悲鳴とか・・・大変な騒ぎだ。
―くっそ〜。
ただでさえ馬鹿理事長のおかげで毎年この時期は大変な迷惑してるっていうのに、
火に油を注ぎやがった奴が居る。
零はもらった号外を手に握りしめた。
―こんなもん作るからまたあいつらがキャーキャーキャーキャーと。
「なあ、優姫。」
流石にこうい盛り上がりを見れば優姫も風紀委員として警戒するはずだ。
同意を求めようと優姫を見てみると・・・・
なんと優姫はにこにこと号外の記事を読んではないか!
―って優姫、何楽しそうに見てるんだ?お前は
(おい、お前風紀委員だろ?)
次の言葉を掛けようとしたとき、振り返った優姫の満面の笑みに
零は喉まで出かかった言葉が行き先を失った。
「んっ」
そこへ降ってきた言葉。
「零!これ美味しそうじゃない?」
笑ったまま身を寄せて記事を見せてくる優姫。
ふんわり香った甘い香りに胸が痛くなった。
―まさか。俺に作ってくれるわけでもないだろうに、
そんな風に聞かれて思わずドギマギしてしまう自分。
どうせ顔には出てないし優姫には気づかれないけれど。
内心の動揺を見透かされないように静かに
「いや・・・・。」
と返す。
「へえ、そうかなあ、えへへ、残念。
零が一緒に作ってくれたら美味しくできるかなって思ったのに。」
あっさりと優姫はそんなことを言い出す。
―おいおい・・・。優姫に頼りにされるのは嬉しいけど、こういうのは・・・・。
あいつが渡すのはどうせ玖蘭枢。
でも、あれっ?とか言いながらどんくさくチョコレートと格闘している優姫が
一瞬頭を掠めた。
一緒に作ればそんな姿の優姫が困った様子で俺を頼ってきたり、
解決してやれば何だかんだで俺にまた眩しいほどの笑顔を見せてくるに違いない。
そう思うと愛しくて微かに胸が疼く。
この後に及んでも優姫が好きな自分が考えるのはどうしようない事で・・・・。
優姫と教室に入るなり、ドアの前に立っていた数人から渡された紙。
やれやれ、何のペーパーだ。
生徒会で緊急に何かを決める時ときとかは大体こういう光景がある。
零は真面目な顔で渡された2色刷りの新聞号外を見つめた。
次の瞬間端正な顔に不快な色が走った。
―げっ。
なんだこれは。
【黒主学園新聞部サンショコトラトルデー号外
】「今年こそ好きなあの人へ、感謝を込めていつもお世話になっている人に
」煽り文句が大きく刷られている新聞部の新聞だった。
見れば成るほど渡しているメンバーは新聞部の腕章をつけている。
―ってこの新聞号外の成果なのか?この異常な教室の盛り上がりは?
零はいつにもなく賑わう教室を警戒するように見廻した。
授業の始まる前の教室で方々から
「あれが可愛い」とか「これがいい」とか
「玖蘭先輩に上げたい」とか「私は一条先輩が良い」とか・・・・。
良く分からない悲鳴とか・・・大変な騒ぎだ。
―くっそ〜。
ただでさえ馬鹿理事長のおかげで毎年この時期は大変な迷惑してるっていうのに、
火に油を注ぎやがった奴が居る。
零はもらった号外を手に握りしめた。
―こんなもん作るからまたあいつらがキャーキャーキャーキャーと。
「なあ、優姫。」
流石にこうい盛り上がりを見れば優姫も風紀委員として警戒するはずだ。
同意を求めようと優姫を見てみると・・・・
なんと優姫はにこにこと号外の記事を読んではないか!
―って優姫、何楽しそうに見てるんだ?お前は
(おい、お前風紀委員だろ?)
次の言葉を掛けようとしたとき、振り返った優姫の満面の笑みに
零は喉まで出かかった言葉が行き先を失った。
「んっ」
そこへ降ってきた言葉。
「零!これ美味しそうじゃない?」
笑ったまま身を寄せて記事を見せてくる優姫。
ふんわり香った甘い香りに胸が痛くなった。
―まさか。俺に作ってくれるわけでもないだろうに、
そんな風に聞かれて思わずドギマギしてしまう自分。
どうせ顔には出てないし優姫には気づかれないけれど。
内心の動揺を見透かされないように静かに
「いや・・・・。」
と返す。
「へえ、そうかなあ、えへへ、残念。
零が一緒に作ってくれたら美味しくできるかなって思ったのに。」
あっさりと優姫はそんなことを言い出す。
―おいおい・・・。優姫に頼りにされるのは嬉しいけど、こういうのは・・・・。
あいつが渡すのはどうせ玖蘭枢。
でも、あれっ?とか言いながらどんくさくチョコレートと格闘している優姫が
一瞬頭を掠めた。
一緒に作ればそんな姿の優姫が困った様子で俺を頼ってきたり、
解決してやれば何だかんだで俺にまた眩しいほどの笑顔を見せてくるに違いない。
そう思うと愛しくて微かに胸が疼く。
この後に及んでも優姫が好きな自分が考えるのはどうしようない事で・・・・。










