ひとり。

ひとりでいることよりも、ひとりでいることをイヤと思うことのほうがわたしを傷つける。

わたしはひとり。そして、あなたも。それは、とてもふつうのこと。

よる、横になりながら。

いつも心は、毎日のいろいろな出来事に波立っていて。

大きい波が小さな波を飲み込んでいくように、小さくうごくじぶんの声は、どこかにかき消されていく。

こころを落ち着けて。しずかに、しずかに、じぶんがなにを感じているかを感じて。なにも考えずに、ただ感じて。
じぶんはちゃんとそこにいるから。

なにもなくて。

じぶんを見ても、未来を見ても、そこにはなにもなくて。
なりたいもの、なるべきもの、目指すもの。きっとそれは、幻の桃源郷。蜃気楼。
中を見て。左手で右手を掴んで。からだがどこにも飛んでいかないように。