菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

マイクを向けろ、カメラを回せ。作るな、ただ録れ。   『リスボン物語』

2010年07月28日 00時00分01秒 | 俺は好きなんだよ!
【俺は好きなんだよ】第241回は、『リスボン物語』(1995)


原題または英語題かもしれないけど、『LISBON STORY』。
リスボンは、ポルトガルの都市ですね。


スタッフ。
監督:ヴィム・ヴェンダース
製作:ウルリッヒ・フェルスベルク/パウロ・ブランコ
脚本:ヴィム・ヴェンダース
撮影:リサ・リンズラー
音楽:マドレデウス/ユルゲン・クニーパー


出演。
リュディガー・フォグラー
パトリック・ボーショー
テレーザ・サルゲイロ
ペドロ・アイレス・マジャルハス
ロドリゴ・レアオ
ホセ・ピショット
ガブリエル・ゴメス
フランシスコ・リベイロ
マノエル・デ・オリヴェイラ


物語。。
映画の録音技師ヴィンターのもとにリスボンにいる監督モンローから助けを求める絵葉書が届く。
ヴィンターは骨折した足も省みずリスボンに急行する。
だが葉書に書かれた住所の家にモンローの姿はなかった。
ある晩、モンローが旧式の手回しカメラで撮影したリスボンのフィルムを見るヴィンターの耳に、美しい音楽が聞こえてきた。
家の一室でマドレデウスの面々がリハーサルをしていたのだ。
ここは彼らの家で、彼らはモンローの映画のために音楽を作っているのだという。
夜、ヴィンターはベッドのなかでモンローの書き込みがある、ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソアの詩集を読む。
彼はフィルムに音をつけるため録音機材を担いでリスボンの街を歩く。




リスボン市がモチーフの映画を、という同市の依頼にヴィム・ヴェンダース監督が応じた作品。
映画百年へのオマージュ。
巨匠マノエル・デ・オリヴェイラ監督がゲストで登場している

出演は同監督の常連リュディガー・フォーグラーが『時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース!』に続く5度目のフィリップ・ヴィンター役、また映画監督フリッツ・モンロー役に『ことの次第』で同じ人物を演じた「チューズ・ミー」などのパトリック・ボーショウがそれぞれ扮する。

昨今国際的な注目を集めるポルトガルの民族音楽ファドのバンド、マドレデウスが音楽を担当(オリジナルを9曲)し、彼ら自身の役で出演。
ヴォーカルのテレサ・サルゲイロは本作品中の紅一点のヒロインとして華を添えている。。



映像芸術をストイックに追求したばかりに、行き詰まってしまう架空の映画監督と、彼を探し異国を旅する音響技術者の探索の旅。
映画のカメラマンの話は、あまりないのですが、録音マンの話は意外とあります。
映画のカメラマンは撮りにくいのか?


なんにしろ、監督がいなくても映画はできる。
ただ、マイクを向けて、カメラを回せ。
作ろうと思うのではなく、ただ録ればいい。
世界は全身をさらして、そこにあるのだから。

そして、ただ録ったあとで、初めて、世界を繋げばいい。
そこから、作品に変わる。

監督は最後に現れるのだ。







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