久々にOhmyNewsより
わかりやすいモノ、簡単なモノなんてない
そうだとすれば、それは「ウソ」の言い換え 三田 典玄(2007/05/10)
実はこの記事を読んでかなり脱力したわけだが、気力を振り絞って書いてみたいと思う。
記者自身は「あるある」を含めた番組制作体制について一過言あるようだが、この記事の構成自体が同じ構造であることに気づいてはいないのだろうか?
簡単に言うと、「結論」ありきで、それに必要な都合の良いデータのみを集めて放送した(あるいは作為的に改竄したり捏造した)のが「あるある」であったわけだが、この記事についても『だから、「簡単に解説されたもの」は、まゆにつばして聞く、ということが大切なのだろうと、私は考えている。』と言う結論を導くために、取材不足や検証不足(あるいは無知)による妄想を根拠としている。
>「あるある」のような科学を解説した番組は、視聴者の知的好奇心を刺激してやまない、
少なくとも私は、この番組が「科学を解説した番組」であると思ったことはない。「科学っぽい」言葉を使っているだけで、「科学」であったことは稀である。その一番の現れは「あるある実験」と称したトンデモ実験である。毎週このようなものを見せられては「科学」などとは思いようがない。サンプル数の少なさ、二重盲検法どころか単盲検法すら行われていない。
>例えば、今回の話だと、結果として
>「(A)納豆を食べれば、(B)ダイエットできる」ということをテレビで言ったわけだ。
>「なぜそうなるのか」という「原理・原則・規則」などについては、
>おそらくはテレビで解説してもわからないだろう、
>だったら、その部分は一切言わず、それは「学者」という「権威付け」で、
>納得させよう、と言う仕組みだった。
この部分の認識が著しく妄想だと感じるわけだが。
記者の記事を私なりに要約してみると、「納豆を食べれば痩せるが、科学的な説明をしても視聴者は理解できないので、別の方法をもって行った。」となるのだが、国語力の乏しい私の間違いだろうか。「納豆を食べて痩せるかどうかの科学的根拠もない」つまり「納豆を食べて痩せるとは断言できない」と言う内容を「納豆を食べれば痩せる」と言う結論に向けるため「科学っぽい」言葉を羅列した結果だと思うのだが。(最初は、都合の良いデータだけを集めて放送したもので捏造までとは思ってなかったorz)
>逆に言えば「それ以外は聞いちゃいない」のだ。
果たしてそうなのだろうか?「科学っぽい」言葉で説明されたから信じたのではないだろうか。悪徳商法と同じで、危機感を煽り、何かを否定し(例えば食生活)、商品を説明する。その説明がいかにも「正しそう」に聞こえるために「科学っぽい」言葉は利用される。
>「納豆」→「やせる」はいいとしても
この記者は納豆を食べれば痩せるということを肯定していらっしゃるようだ。
>簡単にする、ということに注力しすぎたため、結果としてウソにしなければならなくなった
やはり、結果については肯定なさっているようだ。
どれだけ難しくてもよいので、記者には根拠を示していただきたいものだ。
>実際に科学の現場にいた私からすれば、はっきり言って今や、
>「わかりやすいもの」なんてものは、この世のどこにもない。
言い回しは別にして、この部分は記者と概ね同意。疑似科学というものはこの辺りをスパッと言い切ってしまうので好まれる。プラスイオンは悪でマイナスイオンは善と言うように。
>だから「簡単に解説する」と、その解説には「はしょり」や「ウソ」が混じるのは、当たり前だ。
普通に考えて、「はしょり」は有っても、「ウソ」はまずい。そういう心根で研究費用の出資者に説明したのであれば不信用以外の何者が残るのか疑問だ。
古い話だが「あるある」の2000/06/04放送「グレープフルーツ」については、「はしょり」では許されまい。抗癌成分リモニンや動脈硬化を防ぐ成分としてイノシトールを含む食材として紹介しておきながら、輸入グレープフルーツには防カビ剤として発ガン性のあるオルトフェニルフェノールが使用されていることについて一切触れていないのだから。(素人でもチョット調べれば分かる例)
>それでも、多くの人は「簡単であること」を好む。
>だから、どうしてもこれから言うことはウソになるかも知れません、
>という前置きが必要になってしまう「素人向け解説」は、正直なところ、
>とても多くなることは、覚悟しなければならない。
思考の順番が逆ではないだろうか。
それでも、多くの人は「簡単であること」を好む。
だから、ウソであっても二元論(感情論)的に答えを出すものが好まれる。
また、それが正しいと信じる(信じたい)。
耳に快いものには何らかの「ウソ」が含まれていると覚悟した方が良い。
このエントリとは直接的には関係ないが、あるあるの調査委員会に医学(薬学)・物理学などの専門家が含まれていなかったことは残念である。セルライトやマイナスイオンなどは深夜の通販番組では未だに現役だし。
********** 追記 **********
2007/05/12
セルライト関連のトラックバック要請があったので許可しました。
筆者自身はセルライトは全くの疑似科学であり、科学的根拠の無いものと理解しています。
判断については、読者の皆様にお任せいたします。
わかりやすいモノ、簡単なモノなんてない
そうだとすれば、それは「ウソ」の言い換え 三田 典玄(2007/05/10)
実はこの記事を読んでかなり脱力したわけだが、気力を振り絞って書いてみたいと思う。
記者自身は「あるある」を含めた番組制作体制について一過言あるようだが、この記事の構成自体が同じ構造であることに気づいてはいないのだろうか?
簡単に言うと、「結論」ありきで、それに必要な都合の良いデータのみを集めて放送した(あるいは作為的に改竄したり捏造した)のが「あるある」であったわけだが、この記事についても『だから、「簡単に解説されたもの」は、まゆにつばして聞く、ということが大切なのだろうと、私は考えている。』と言う結論を導くために、取材不足や検証不足(あるいは無知)による妄想を根拠としている。
>「あるある」のような科学を解説した番組は、視聴者の知的好奇心を刺激してやまない、
少なくとも私は、この番組が「科学を解説した番組」であると思ったことはない。「科学っぽい」言葉を使っているだけで、「科学」であったことは稀である。その一番の現れは「あるある実験」と称したトンデモ実験である。毎週このようなものを見せられては「科学」などとは思いようがない。サンプル数の少なさ、二重盲検法どころか単盲検法すら行われていない。
>例えば、今回の話だと、結果として
>「(A)納豆を食べれば、(B)ダイエットできる」ということをテレビで言ったわけだ。
>「なぜそうなるのか」という「原理・原則・規則」などについては、
>おそらくはテレビで解説してもわからないだろう、
>だったら、その部分は一切言わず、それは「学者」という「権威付け」で、
>納得させよう、と言う仕組みだった。
この部分の認識が著しく妄想だと感じるわけだが。
記者の記事を私なりに要約してみると、「納豆を食べれば痩せるが、科学的な説明をしても視聴者は理解できないので、別の方法をもって行った。」となるのだが、国語力の乏しい私の間違いだろうか。「納豆を食べて痩せるかどうかの科学的根拠もない」つまり「納豆を食べて痩せるとは断言できない」と言う内容を「納豆を食べれば痩せる」と言う結論に向けるため「科学っぽい」言葉を羅列した結果だと思うのだが。(最初は、都合の良いデータだけを集めて放送したもので捏造までとは思ってなかったorz)
>逆に言えば「それ以外は聞いちゃいない」のだ。
果たしてそうなのだろうか?「科学っぽい」言葉で説明されたから信じたのではないだろうか。悪徳商法と同じで、危機感を煽り、何かを否定し(例えば食生活)、商品を説明する。その説明がいかにも「正しそう」に聞こえるために「科学っぽい」言葉は利用される。
>「納豆」→「やせる」はいいとしても
この記者は納豆を食べれば痩せるということを肯定していらっしゃるようだ。
>簡単にする、ということに注力しすぎたため、結果としてウソにしなければならなくなった
やはり、結果については肯定なさっているようだ。
どれだけ難しくてもよいので、記者には根拠を示していただきたいものだ。
>実際に科学の現場にいた私からすれば、はっきり言って今や、
>「わかりやすいもの」なんてものは、この世のどこにもない。
言い回しは別にして、この部分は記者と概ね同意。疑似科学というものはこの辺りをスパッと言い切ってしまうので好まれる。プラスイオンは悪でマイナスイオンは善と言うように。
>だから「簡単に解説する」と、その解説には「はしょり」や「ウソ」が混じるのは、当たり前だ。
普通に考えて、「はしょり」は有っても、「ウソ」はまずい。そういう心根で研究費用の出資者に説明したのであれば不信用以外の何者が残るのか疑問だ。
古い話だが「あるある」の2000/06/04放送「グレープフルーツ」については、「はしょり」では許されまい。抗癌成分リモニンや動脈硬化を防ぐ成分としてイノシトールを含む食材として紹介しておきながら、輸入グレープフルーツには防カビ剤として発ガン性のあるオルトフェニルフェノールが使用されていることについて一切触れていないのだから。(素人でもチョット調べれば分かる例)
>それでも、多くの人は「簡単であること」を好む。
>だから、どうしてもこれから言うことはウソになるかも知れません、
>という前置きが必要になってしまう「素人向け解説」は、正直なところ、
>とても多くなることは、覚悟しなければならない。
思考の順番が逆ではないだろうか。
それでも、多くの人は「簡単であること」を好む。
だから、ウソであっても二元論(感情論)的に答えを出すものが好まれる。
また、それが正しいと信じる(信じたい)。
耳に快いものには何らかの「ウソ」が含まれていると覚悟した方が良い。
このエントリとは直接的には関係ないが、あるあるの調査委員会に医学(薬学)・物理学などの専門家が含まれていなかったことは残念である。セルライトやマイナスイオンなどは深夜の通販番組では未だに現役だし。
********** 追記 **********
2007/05/12
セルライト関連のトラックバック要請があったので許可しました。
筆者自身はセルライトは全くの疑似科学であり、科学的根拠の無いものと理解しています。
判断については、読者の皆様にお任せいたします。
私もそう思う。
結果が正しいのであれば、説明が簡単であろうがだれも文句は言わない。
はしょったからウソになったのではなく、ウソを本当のように解説したから問題なのですよね。
興味深く読ませて頂きました。考察につきましては、Monkey様・ねこだらけ様に同意です。
自分が三田様をどうしても信用できないのが、
>簡単に言えば、私たちの「好み」に応じて、テレビの番組は作られているし、そうしなければ視聴率が取れない。そうしなければ番組を長く続けていくことができないわけだ。
という件です。
マスメディアが商売を抜きにして、報道を行うと考えてはいません。視聴率というのは彼等にとって確かに、至上命題なのでしょう。
しかし、自分たちの論調に興味・共感を示す人間のための番組や紙面を作成し、或いは自らの主張や思想を正当化するために、肝心の「真実」を蔑にする姿勢を自分は嫌悪しますし、自分たちにとって都合のよい結論を捏造してまで「真実」と呼ぶ、その精神の下劣さに怒りを覚えます。
代表的な例として、「伊藤律 架空記者会見」と「朝日新聞 サンゴ事件」を挙げておきます。
そうですね。
周知の事実なのですが。
まぁ、この記者の書くことを信じるであろう人が僅かであろうが一言は言っておく必要があるのでは?と感じたしだいです<あるあるヲチャ歴数年の人間として。
ここで御指摘されているように、ほとんど取材らしい取材を行わず、自分の頭のなかの思いこみを都合の良いように組み合わせて恣意的な内容としている。
結果として嘘が含まれていることも少なくない。
それが、その分野に疎い人の目にはもっともらしく見えて、非常にキケン。
でもそれを指摘されると粘着君呼ばわりをして、聞く耳を持たず、自分の考えが正しいとだけ繰り返し主張する。
ホントに見ていて腹立たしいです。
加えて、私が何ゆえに健康情報番組などに固執しているのかと言うと、正当な医療機会を失ってしまう(それを助長する)内容が放送されていることにあります。
番組製作者は視聴率のみを考えセンセーショナルで有ればよいと考えているようですが、放送された内容は、所謂悪徳商法に利用されています。西洋医学の問題点と否定→代替医療の有用性。お金を巻き上げられるだけにとどまらず、医療不信→悪徳洗脳→生命的危機となるわけですが、糖尿病や癌が治るという怪しげな謳い文句で販売されているものの多くにTV番組のネタが登場します。
そういえば、真光元事件(もう記憶に遠いかな)の時の古館一郎のコメントにはテレビに向かってグラスを投げつけようかと思った。数週間前に「水からの伝言」をもっともな理論としてヨイショしてたでしょう。さすがに、テレビの値段を思い出してとどまったが。
取り止めが無くてゴメンナサイ。
>この三田記者の記事は、いつも同じなんですよね。
以下の全ての内容について同意です。
氏の記事に対しては、過去に何度かエントリとして下書きしたものの、脱力感の方が先行しUPまでいたってはいなかったのですが。
今回は、私がここ数年テーマとしていた(本業ではない)内容だったので、頑張ってUPしました。
結論が正しければ途中経過がどう有っても良いという姿勢。いや、結果すらも…。
OMN読者が良識ある人であることを祈ります。
>結論が正しければ途中経過がどう有っても良いという姿勢。
「その場その場」だし、「憶測」でも断れば何を言ってもいいという考え。
私とはあまりにもかけ離れた考え方の人のようです。
遅くなりまして、申し訳ありません。
古舘 伊知郎氏につきましては、もう今更という感覚があります。偏向報道に関しましては、Nステ時代の久米 宏氏や朝生等の司会をなさっている田原 総一郎氏は言うに及ばずですし・・・。
テレ朝の筆頭株主が朝日新聞社ですから、仕方がないのかもしれませんが、あくまでも「情報」という表現(逃げ口上、としか思われませんが)で、疑わしい内容のものを公共の電波に乗せる事は、放送法の掲げる「放送の真実及び自立の保障」に、明らかに抵触していると考えております。