常念岳登山から一週間経った20日(土)奥多摩を一人で歩いてきた。
当初は丹沢の塔ノ岳へ日帰り登山に行こうと思っていたが、まだ少し太腿に痛みが残っていたので、
登山は止めウォーキングに切り替える。
同じ歩くなら水があり涼しげな渓谷で平坦な道を、ということで奥多摩にした。
この日はカミさんも娘と待合せて所用を済ませ、帰りも少し遅くなるとのことだったので、
ウォーキングの後は温泉に入り、一杯やって帰ろうという計画だ。
おにぎりと胡瓜の塩漬けを作り、5個あるリュックの内で一番小さなやつに着替えを入れ、10時に家を出る。
西武線に乗り、拝島で青梅線に乗換え御岳まで行く。このルートは何度なく乗っているので、
特に車窓から風景を見るということもなく、一時間半の乗車の間は買ったばかりの文庫本、
山本蒹一の「千利久にたずねよ」を読む。
この本は先々週に読んだ梅原猛の「日本仏教をゆく」に千利久について書かれた章があり、
それを読み、なんとなくもっと千利久について書かれた本を読みたいと思い検索したら、
この本がヒットし、Amazonから中古本で買ったものである。
利久の切腹の日から始まり、遡って話が展開するという構成になっており、千利久の茶の湯での
侘び寂びという美意識と、大徳寺の山門に安置した利休の像が秀吉の怒りをかい切腹に至るのである。
半分程読んだがなかなか面白い。2009年の直木賞受賞作である。京都には若い時から何回も行ってるが大徳寺には未だ行ったことがない。先月京都に行った時に行けば良かった。
冬の京都に一週間位滞在し、お寺廻りをしたら良いだろうなぁ。
そういえば20代の時に冬の永平寺に行き、その後道元の説法集「正方眼蔵隋聞記」を買い、読んでみたが
難解で途中で投げ出した。今度読み直してみるかぁ。
そんな本を読んでいるうちに御岳駅に着く。
青梅街道を渡り、多摩川の河原に降りていくと、遊歩道があり、それが軍畑駅の近くまで続いている。
川では大型ゴムボートでのラフティングやカヌー、ゴムのエアーマットで川下りをする人達がいた。
みんな歓声を上げ本当に楽しそうだ。またこの御岳渓谷には大きな岩があり、その岩でフリークライミングをしている人が数名、また釣りをしている人等、それぞれの夏の休日を楽しんでいるようだ。
そんな人達を見ながらのんびり歩いていたら昼になり、河原の岩に座り持参したおにぎりで昼食にする。
昼食の後は岩に身を横たえ、昼寝をしようと思ったが流石にごつごつし、痛くて出来なかった。
遊歩道から青梅街道に出ると、そこはいつも青梅マラソンで苦しめられる復路の難所で、
軍畑駅から二俣尾駅までの急な登り坂である。勿論この日は何ということもなくすいすい歩く。
その青梅マラソンを走るランナーのトレーニングなのか、何人か走っている人がいた。
いづれもトレイルランナーのような姿で、小さなリュックを背負って走っている。
トレーニングとはいえ、この時期の30キロのランニングはきついだろう。
二俣尾では海禅寺に寄り参拝。この寺は城のような石垣と、急な石段の、歴史を感じさせる山門がある。
そこから石神駅を過ぎ青梅線に沿って歩くと、この日のもう一つの目的の「へそまんじゅう総本舗」に着く。
ここで八個入りの箱を買う。すぐ食べる為に1個買おうとしたら、サービスで一個付きますとのこと。
目的のモノをゲットしたので、ウォーキングはここで終了。日向和田駅から電車に乗り移動。
温泉に入る為に河辺駅で下車し、駅前のビルの中にある「河辺温泉梅の湯」へ。
駅から歩いて2,3分という便利さもあり、登山帰りのリュックを背負ったお客で賑っていた。
ここで露天風呂に入ったり、マットが敷いてある休憩室で本を読んだりして2時間程のんびり過ごす。
それからまた電車に乗り国分寺へ移動。駅ビル内の丸井に行き、紀伊国屋書店で本を探し、
スポーツ用品売り場のFIELDで先日常念岳で吹き飛ばされた帽子の代わりを探す。
どちらも、これといったものが無かったので駅近くの居酒屋へ行き、夕食兼用の一杯を。
この店は静岡おでんがメインで、一人で行って軽く飲むのに良い。カウンターに座り東アジアカップ
なでしこ日本vs中国のテレビ中継を見ながら、生ビール一杯と日本酒「開運」一合入りグラス一杯を呑む。
最近酒の嗜好が変わり常温で呑む日本酒が好きになった。色んな銘柄の日本酒を味わって
みたいと思う。
この日は自然景観を楽しみ、お寺に参拝し、へそ饅頭を買い、温泉に入り、静岡おでんで日本酒を呑み、
と豊富なメニューの有意義な休日だった。