一期一会

日々是好日な身辺雑記

奥多摩ウォーキング

2013年07月24日 | 日記



常念岳登山から一週間経った20日(土)奥多摩を一人で歩いてきた。
当初は丹沢の塔ノ岳へ日帰り登山に行こうと思っていたが、まだ少し太腿に痛みが残っていたので、
登山は止めウォーキングに切り替える。
同じ歩くなら水があり涼しげな渓谷で平坦な道を、ということで奥多摩にした。
この日はカミさんも娘と待合せて所用を済ませ、帰りも少し遅くなるとのことだったので、
ウォーキングの後は温泉に入り、一杯やって帰ろうという計画だ。
おにぎりと胡瓜の塩漬けを作り、5個あるリュックの内で一番小さなやつに着替えを入れ、10時に家を出る。
西武線に乗り、拝島で青梅線に乗換え御岳まで行く。このルートは何度なく乗っているので、
特に車窓から風景を見るということもなく、一時間半の乗車の間は買ったばかりの文庫本、
山本蒹一の「千利久にたずねよ」を読む。



この本は先々週に読んだ梅原猛の「日本仏教をゆく」に千利久について書かれた章があり、
それを読み、なんとなくもっと千利久について書かれた本を読みたいと思い検索したら、
この本がヒットし、Amazonから中古本で買ったものである。
利久の切腹の日から始まり、遡って話が展開するという構成になっており、千利久の茶の湯での
侘び寂びという美意識と、大徳寺の山門に安置した利休の像が秀吉の怒りをかい切腹に至るのである。
半分程読んだがなかなか面白い。2009年の直木賞受賞作である。京都には若い時から何回も行ってるが大徳寺には未だ行ったことがない。先月京都に行った時に行けば良かった。
冬の京都に一週間位滞在し、お寺廻りをしたら良いだろうなぁ。
そういえば20代の時に冬の永平寺に行き、その後道元の説法集「正方眼蔵隋聞記」を買い、読んでみたが
難解で途中で投げ出した。今度読み直してみるかぁ。



そんな本を読んでいるうちに御岳駅に着く。
青梅街道を渡り、多摩川の河原に降りていくと、遊歩道があり、それが軍畑駅の近くまで続いている。
川では大型ゴムボートでのラフティングやカヌー、ゴムのエアーマットで川下りをする人達がいた。
みんな歓声を上げ本当に楽しそうだ。またこの御岳渓谷には大きな岩があり、その岩でフリークライミングをしている人が数名、また釣りをしている人等、それぞれの夏の休日を楽しんでいるようだ。
そんな人達を見ながらのんびり歩いていたら昼になり、河原の岩に座り持参したおにぎりで昼食にする。
昼食の後は岩に身を横たえ、昼寝をしようと思ったが流石にごつごつし、痛くて出来なかった。




遊歩道から青梅街道に出ると、そこはいつも青梅マラソンで苦しめられる復路の難所で、
軍畑駅から二俣尾駅までの急な登り坂である。勿論この日は何ということもなくすいすい歩く。
その青梅マラソンを走るランナーのトレーニングなのか、何人か走っている人がいた。
いづれもトレイルランナーのような姿で、小さなリュックを背負って走っている。
トレーニングとはいえ、この時期の30キロのランニングはきついだろう。

二俣尾では海禅寺に寄り参拝。この寺は城のような石垣と、急な石段の、歴史を感じさせる山門がある。
そこから石神駅を過ぎ青梅線に沿って歩くと、この日のもう一つの目的の「へそまんじゅう総本舗」に着く。
ここで八個入りの箱を買う。すぐ食べる為に1個買おうとしたら、サービスで一個付きますとのこと。
目的のモノをゲットしたので、ウォーキングはここで終了。日向和田駅から電車に乗り移動。



温泉に入る為に河辺駅で下車し、駅前のビルの中にある「河辺温泉梅の湯」へ。
駅から歩いて2,3分という便利さもあり、登山帰りのリュックを背負ったお客で賑っていた。
ここで露天風呂に入ったり、マットが敷いてある休憩室で本を読んだりして2時間程のんびり過ごす。
それからまた電車に乗り国分寺へ移動。駅ビル内の丸井に行き、紀伊国屋書店で本を探し、
スポーツ用品売り場のFIELDで先日常念岳で吹き飛ばされた帽子の代わりを探す。
どちらも、これといったものが無かったので駅近くの居酒屋へ行き、夕食兼用の一杯を。
この店は静岡おでんがメインで、一人で行って軽く飲むのに良い。カウンターに座り東アジアカップ
なでしこ日本vs中国のテレビ中継を見ながら、生ビール一杯と日本酒「開運」一合入りグラス一杯を呑む。
最近酒の嗜好が変わり常温で呑む日本酒が好きになった。色んな銘柄の日本酒を味わって
みたいと思う。

この日は自然景観を楽しみ、お寺に参拝し、へそ饅頭を買い、温泉に入り、静岡おでんで日本酒を呑み、
と豊富なメニューの有意義な休日だった。



北アルプス常念岳へ

2013年07月18日 | 山登り



12日(金)から北アルプスの常念岳を、いつもの山友達と登ってきた。
梅雨明け宣言が出てからの三連休となり、夏山本番で山小屋の混雑が予想されることから、
金曜日に休みを取り、三連休より一日早く出発した。西武新宿線の始発電車に乗り、
川越在住の友達と入曽駅で待合せ、彼の車で圏央道、中央高速を走り登山口のある安曇野に向かう。
平日ということもあり道路も混んでなく、安曇野インターに8時半に着く。

一ノ沢林道を終点近くまで走ると駐車場があり、そこに車を停めて歩き始めたのが9時10分。
登山口まで20分位だが、途中道路に10数匹の猿が!これだけいると可愛いというより、一瞬ギョッとする。
ただ日光の猿と違い、向うも我々の姿を見て驚いた様子で森の中に逃げて行った。
林に入り登山道を歩いていると常に左側に一ノ沢の流れが聞こえてくる。
このルートはいたるところで一ノ沢に出るので、そこで冷たい水を飲めるのが良い。



2時間程歩くと雪渓に出るがアイゼンを付ける程ではない。滑らないように足元を踏みしめながら登る。
3時間程歩いたところで持参したおにぎりでの昼食を取る。20分程で昼食休憩を済ませて、
いよいよ「胸突き八丁」というポイント名が付いているところからの垂直の登りを始める。
ただこの急登も昨年同じ時期に登った八ヶ岳の行者小屋から赤岳への直登と比べると楽だった。
急登を登り続けると常念岳方面に視界が開け標高2466mの常念乗越にある常念小屋に14時10分に着く。
常念岳頂上まで1時間位であるが翌朝登頂することにし、着替えて食堂で生ビールで乾杯。
食堂前のウッドデッキから槍ヶ岳や北穂高岳が雲の晴れ間から見ることが出来た。
山小屋の食事はハンバーグ等で予想に反して美味しかった。
部屋も6畳に我々以外には京都からの中年男性一人で、ゆったり泊まれた。
これが7月末から8月の中旬頃の繁忙期には6人から10人位になり一人畳一枚もなくなる。
夕食の後は疲れもあって20時半に消灯し就寝。



翌日13日(土)は4時起床の5時朝食、山での一日の始まりは早いのである。
曇りの天気予報が雨になってしまったが、それより風が強いのが気になる。
頂上に登っても槍ヶ岳や北穂高岳が見えないだろうと、そのまま下山する人もいたが、
相棒と相談し、「せっかく来たのだから・・・」と、雨具を着て登ることにする。
この上下の雨具は30年位前に購入したもので、いつもリュックの底に入れてあるが殆ど使うことがない。
基本的に天気予報が悪い時は登らないのと、ヤッケもゴアテックスで防水加工となっている為だ。
6時半、リュックは山小屋に預けて出発。 急な岩場を、ルートを示すペイントの印を辿りながら登るのだが、
風が強く、顔に当たる横なぐりの雨が痛い。
所々強風で立ってられないことがあり、そういう時は這いつくばって登る。
そんな状況から山岳地図では1時間のコースが1時間半かかり8時に山頂に着く。
山頂には祠がたっており、岩場の1m四方位の狭さで、人も殆どいなかった。
雲で槍ヶ岳や北穂高岳も見えず、風を孕んで雨具が膨れ上がる。記念写真を撮り、早々に下山する。



下山途中でナイキの帽子を吹き飛ばされる。登りの時にも何度か吹き飛ばされそうになり、
頭を押さえ防いだが、とうとう駄目。撥水性があり、山登りの時に愛用していた帽子だった。
強風に苦労し、登りと同じく1時間半かかって常念小屋に9時半に戻る。乾燥室で濡れた雨具を乾かし、
その間にカップラーメンを食べ、10時半にまた雨具を着て常念小屋を出発し、同じ一ノ沢コースを下山。
この日は3連休初日の土曜日なので登ってくる人達も多い。
山登りの原則「登り優先」に従い道を譲り、登りの人達を待ちながら下山する。
それにしても岩場の下りはつらい。脚の筋肉を使うせいか疲れ、その痛みが2日後あたりから出てくる。
途中、雨も止み昼食は友達が持ってきた小さなアンパン2個とチョコ一個で済ませる。
15時20分登山口まで戻ってくる。そこから一ノ沢林道を20分ほど歩いて駐車場なのだが、
この距離さえ辛く感じる。



その日は車で30分位の須砂渡キャンプ場にテントを張り泊まる。ここは「ほりでーゆー四季の郷」という
ホテルの付帯施設で、歩いて5分位のホテルに天然温泉露天風呂と大浴場がありそこを利用する。

翌日は安曇野の「大王わさび園」を散策し、安曇野から乗った中央高速を小淵沢インターで降り、
八ヶ岳南麓にある俳優柳生博氏のカフェ「八ヶ岳倶楽部」に寄る。ここは氏が丹精こめて
自身で雑木林を切り開いて作った庭園がパブリックスペースとして無料で公開されている。
カミさんと何度か来ているが、この日は3連休中日の日曜日だったので混み合っていたので、
カフェには入らず、雑木林の庭園と鉢植えを売っている店を見て廻るだけだった。
氏はこの「八ヶ岳倶楽部」を1994年に「八ヶ岳倶楽部 森と暮らす、森に学ぶ」という本に著している。
この1994年頃は盛んに八ヶ岳にも登っていたのと、山里での生活に憧れてたのでこの本を持っていた。
当時何冊も持っていた雑誌「山と渓谷」は処分して無いが、どういうわけかこの本はいまでも本棚にある。
この後はいつも通り一般道を十国峠、上野村、秩父と通り18時に帰宅した。

先週末からいよいよ夏本番という感じである。今年の夏は猛暑の予想のようであるが、
こういう時こそジョギング、テニス、山登り等で汗を流し、夏を楽しみたいものである。



初夏の京都へ

2013年07月04日 | 旅行



29日(土)から2泊3日で京都へ行ってきた。昨年の11月以来の京都旅行である。
この時は大阪で勤務している息子の交際相手との初顔合わせが主目的の旅行だった。
今回はその彼女との結婚が10月末と決まったので、親御さんとの初顔合わせが主目的である。
前回は大阪泊まりだったが、今回は京都観光の便利さを考え京都にホテルを取った。
新幹線のチケットとホテルのパックだったが、どういうわけか行きも帰りもグリーン車だった。

一旦京都で下車し、バッグをコインロッカーに預け、身軽になって大阪に向かう。
11時に大阪駅で息子と待合せ、会食の場であるウェスティンホテルへ。
12時からの会食は「日本料理はなの」の14畳位の個室で行われた。
彼女とは2度目、親御さんとは初顔合わせということで若干の緊張もあったが、
ビールやワインが入ったせいか3時間近い会食も和やかなうちに終えることができた。

ホテルのシャトルバスで大阪駅に戻り、そこで解散となりカミさんと私は京都へ戻る。
息子は月曜日の7月1日から本社勤務になる為に、金曜日にアパートを引き払いホテル泊まりで、
日曜日に東京に移動した。10月末の神戸での挙式、今回の大阪での初顔合わせを決めたと思ったら、
一枚の辞令で東京勤務になる、サラリーマンは大変である。



京都市役所近くの京都ロイヤルホテルにチェックインし、暫く休んだ後に夜の街散策と夕食を取りに
先斗町周辺をぶらつく。先斗町の筋向いになる高瀬川沿いの木屋町通りには、坂本龍馬や桂小五郎らの
住居跡石碑や、佐久間象山が暗殺された遭難之碑等、幕末の史跡の案内碑があちこちに建っている。
「竜馬がゆく」を始め、司馬遼太郎の幕末を舞台とした小説はは殆ど読んでいるが、
そこで描かれている当時の様子を偲ぶことは現在の木屋町からは出来ない。
居酒屋や風俗営業店が立ち並ぶ、新宿歌舞伎町のような街である。

あの池田屋跡が居酒屋チェーン「はなの舞」になっているのは興醒めである。
京都は法令で看板の色使いも規制されているらしく、LAWSONやマクドナルドの看板も他の都市とは違う。
街並みの保存にも力を入れているが、その力も木屋町までは及ばなかったのだろう。
その街並みとは直接の関係はないが、夕食は蕎麦を食べホテルに戻る。



翌日朝食の後は、今回の京都観光で一番行きたかった建仁寺へ。
この建仁寺は京都五山の第3位に列せられ、栄西が開山した臨済宗の大本山で、
京都最古の禅寺である。
俵屋宗達の国宝「風神雷神図」の屏風等、文化財が数多くある。
法堂の天井には2002年に創建800年を記念して小泉淳作画伯が描いた108畳位の大きさの
「双龍図」がある。



この「双龍図」は私が定年まで勤めていた会社の親会社が支援・奉納したものである。
親会社はCSRの一環として鎌倉の建長寺の「雲龍図」や東大寺の襖絵等も支援・奉納している。
幾つかある庭もそれぞれが趣きが違うが、いづれも禅寺らしく白砂や緑苔、巨石を配した禅庭であり、
これだけの庭は鎌倉にはない。
またここは重要文化財が数多くあるが写真撮影もOKという珍しい寺である。
その後知恩院、銀閣寺、二条城と廻ったが、建仁寺が一番良かった。
是非、真冬の時期にでももう一度来てみたいお寺である。



お寺巡りの合間に、カミさんがインターネットや雑誌で事前に調べておいた甘味処や小間物の店に行く。
この日は銀閣寺近くの甘味処「喜み家」で一服する。この店の名物豆かんと白玉煮あづきを食べた。何とも言えない小豆の甘さが美味しかった。



そして、その日の夕食はホテルから歩いて5、6分の「京・薬膳五けんしも」という店に行く。
この店は京町家を改装したこじんまりした店で、生薬を少し使った身体に優しい京料理というのが
(売り)だが、確かにどの料理も美味しかった。
それと日本酒「鳳凰美田」が置いてあることをインターネットで見たのでこの店に決めたのだ。
京都の店らしく伏見の酒が並ぶ中に他県の酒としてこの「鳳凰美田」だけが置いてある。
この酒は栃木県小山で作られている銘酒で、去年11月に大阪の小料理屋に息子と行った時に呑み、
香りと喉ごしがクセのない、切れ味の良い酒だと思い、東京のデパートを探したが見つからず、
そのうちに大手を振って酒が呑めない身となって今回に至るのである。
久し振りに呑む「鳳凰美田」は、変らず美味しかった。



最終日は八坂神社から錦小路と廻り、最後の〆として甘味処「栖園」に行く。
この店は有名店らしく前日の日曜日に来た時は、待っている人がいっぱいだった。
名物は琥珀流しという寒天冷菓子で月替りで味が変わり、前日までは梅味で、
7月になったこの日はミント味になっていた。それにわらび餅がセットになっている。
勿論、美味しかった!

どうも{Hanako}風な案内になったが、これも京都の楽しみ方の一つだろう。
15時発の新幹線に乗り帰京する。

今日は三ヶ月に一回の定期検査の日で、9時半から採血、CT検査、問診と進み、終わったのが13時半。
待ち時間が長く半日かかってしまうが、結果は特別の変調もなく、ほっと一安心した。
これで取りあえず、梅雨明けの北アルプス登山や夏の旅行が心おきなく楽しめる。