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MONSTA X小説【HERO】第1話

2017-05-15 04:16:17 | MONSTA X小説

夜、真っ赤な炎が燃えていた。
店を包み勢いよく燃えている。
シン・ホソクはその店の中へと進んでいく。
他の仲間と一緒に道を確保しながら進んでいく。
人がいないか確認しているとピアノのそばに青年がうつ伏せになって倒れていた。
ホソクは慌ててその青年に近寄り脈を確認する。
微かに指先に脈を感じて仲間を呼ぶとその青年を抱き上げた。
「僕は一旦この人を外に出すから後を頼みます…」
そう言うとホソクは出口に向かって迫り来る炎を避けながら歩き出した。
なんとか外に出るとすぐに来ていた救急隊の持ってきたストレッチャーに彼を横たえた。
「店の奥の方で倒れていました。脈は弱いですがあります。煙を吸って倒れたとみられますのでよろしくお願いします…」
ホソクはそう言ってまた店の方へと引き返した。
ホースが伸ばされて水が勢いよく店へとかけられていく。
それでもなかなか炎の勢いは収まらなかった。
きっとこの店一件を焼き尽くすまでは燃えるだろう。
ホソクはもう一度大きく息を吸って中へ入って行った。


イム・チャンギュンは急いでいた。
兄が火事に遭い、病院に救急で運ばれたと電話が入って慌ててタクシーの飛び乗った。
病院の救急センターのドアをもどかしい思いで抜けて、受付へ急いだ。
治療は終わり病棟に移されたと受付の人に聞いてチャンギュンは震えている自分の手をギュッと握りしめて教えられた病室へ向かった。
「兄さん…」
病室のドアを開けてそう言い中へ入っていく。
ユ・ギヒョンが管に繋がれて眠っていた。
顔や身体に小さな火傷を負っているのか包帯やガーゼが貼ってありチャンギュンはその痛々しい姿にそれ以上言葉が出なかった。
「あぁ…ご家族の方ですか?」
そう言って看護師の女性が入って来た。
「はい、弟です。兄は…あの…大丈夫なんですか?」
「ええ…。命に別状はないようですよ…。ただ煙を吸ってましたので肺の方が少し傷ついているようです。火傷はどれも小さいものですので心配はないそうです。呼吸の管も明日には取れるかと…」
看護師の女性はそういった。
チャンギュンは少しだけホッとして
「ありがとうございます…」
そう女性に言った。
女性はキヒョンが繋がれている呼吸の装置と、点滴を確認すると…お大事に…と言って出て行った。
・・・兄さん・・・
チャンギュンは兄の包帯の巻かれた腕を握り締め、ただただ早く目が覚めて声が聞きたいと思った。


「あっ、おかえり…」
「おう、ただいま…」
「そのままで帰って来たんだ…。煤だらけだけど…」
「うん、早く帰ってお前の作ったご飯食べたくてさ…」
家に帰り着いたホソクの頬の煤をチェ・ヒョンウォンが手でこすって取る。
「先にシャワー浴びて来なよ…。その間にご飯用意しとくから…」
「うん…」
ホソクはそう言うヒョンウォンの笑い答えた、ヒョンウォンも笑顔を返してキッチンへ入っていく。
そんなヒョンウォンの首から胸にかけて大きな火傷の爛れた痕があり、片足を引きずっている姿を見ると、その度にホソクの胸は痛む。
全て幼い時の火事の傷跡だ。
ホソクの父も消防士だった。
ある日大きなお屋敷が燃え、向かった父は他の隊員たちと懸命に消火作業と救出作業を行った。
しかし残念なことに火の回りが早くて、助かったのはヒョンウォン一人だけだった。
両親を一度に亡くし、1人になったヒョンウォンを可哀想に思ったホソクの父は彼を養子に迎えた。
両親を亡くして傷ついている幼い彼を施設に預けることが優しいホソクの父にはどうしても出来なかったのだ。
同じくらいの歳のホソクの遊び相手にもなるしと彼を自分のうちに招いた。
最初はホソクの両親にもホソクにもなかなか心を開かなかったヒョンウォンだったが、自分の子供と同じくらいの愛情を注がれ、またホソクも彼を弟のように可愛がって、そのうちにヒョンウォンは本当の家族のように打ち解けていった。
今は2人は家を出て、ソウルに2人でマンションを借り住んでいる。
ホソクは父と同じ消防士に、ヒョンウォンはボランティアをしていた。
火事や事故などで両親を亡くした子供達のいる施設を訪問し、世話をするのだ。
足が不自由で普通の仕事は出来ないヒョンウォンがどうしてもやりたいと言って始めた仕事だった。



ソウルの繁華な街の少し奥まったところにその店はあった。
今日も遅くまでの営業を終えてイ・ミニョクは一人で店を閉めていた。
従業員のイ・ジュホンは先に帰っていた。
と、急に人の気配がしたと思ったら、ミニョクは肩を掴まれていきなり殴りかかられた。
驚いて避ける暇もなく相手の拳を受けてミニョクは店のシャッターに身体をぶつける。
痛みが身体と頬に走った。
「何するんですか…」
そう言いかけているミニョクを大きな男がまた殴ろうとした。
ミニョクはとっさに身構える、と男があっという間に数メートル飛んでいた。
・・・何…何だ・・・
そう思っているミニョクの前に大きな背中が立ちふさがった。
「…なんだお前…」
そう飛ばされた男が立ち上がりながら言った。
「まだ、やりますか?」
ミニョクを守るようにして立っている青年がそう言う。
「警察呼びますよ!」
そう続けた。
「くそっ…」
その言葉に男はそう言ってこっちを睨むとそのまま走り去って行った。
「大丈夫ですか?」
ミニョクを守るように立っていた青年がミニョクを振り返りそう言った。
自分よりも大きな背としっかりした身体、そしてそんな身体には似合わない優しい少しはにかんだような微笑みでミニョクを見つめている。
ミニョクは思わず彼の笑顔を見つめてしまった。
そしてハッと我に帰り
「あぁ、ええ…すみません。ありがとうございます…」
そう言った。
「頬、痛みますか?手当しましょう…ってもここじゃ何もないか…」
青年は心配そうにミニョクの頬に触れて言う。
ミニョクは何故か心臓がドキドキし始めるのを感じながら言った。
「あぁ、大丈夫です、このくらい…でも、なんだったんですかね?」
「多分、この店の売り上げを狙ってたんだと思います。あなた一人で店を閉めてるの知ってて襲いに来たんじゃないかな…」
「ってことは強盗ですか?」
「ええ」
ミニョクはやっと事の重大さに気づいて急に恐怖が襲ってきた。
「大丈夫ですか?ここから家は近いんですか?俺、ついていきますよ…」
青年がそう言う。
そんな優しい言葉に甘えそうになってミニョクは慌てて自分を諌めて
「いえ、大丈夫です!ありがとうございました!本当に…今度お礼に好きなもの無料にしますから是非来てくださいうちの店…」
そう明るく言った。
でも、リュックを背負う手が震えている。
その青年はそんなミニョクの手をギュッと掴んだ。
驚いてミニョクは青年を見つめる。
「やっぱり、震えてる…。行きましょう、家、どっちですか?」
青年は細い切れ長の瞳で優しく見つめるとそう言った。
ミニョクは握られた大きな手からの温もりに癒されて震えが止まり恐怖が消えていくのを感じながら
「こっちです…。すみません、知らない人にこんな…」
そう言う。
青年は笑って首を横に振ると、そっとミニョクの手を握ったまま歩き始めた。
「いつもここのお店気になってたんです俺。美味しいってうちの同僚にも聞いてて…。でも、いつも閉まってて…俺が行く頃には…今日こそはって思ったんですけど…」
と、言った青年のお腹がグゥ〜っと音を立ててなった。
「あっ、すみません…」
恥ずかしそうにそう言う青年にミニョクは思わず笑ってしまった。
張り詰めてたものがほどけていく。
「お腹空いてたんですね!何か作りますね…すぐに…」
「すみません…ったく、このお腹!」
そう言ってもう一方の手で自分のお腹を叩く仕草が可愛くてミニョクはまた笑ってしまった。
「あっ、俺、ソン・ヒョヌって言います!消防士をしてます…あなたは?」
「えっ、あっ、イ・ミニョクです。」
「ミニョクさんか…。」
と、突然青年が繋いでいた手を離して言った。
「…ごめん…なさい…俺の手真っ黒だった…」
と自分の手を自分のつなぎで拭き始めた。
そんなヒョヌにミニョクは思わず一生懸命服になすりつけてるその手を引っ張ってギュッと握っていた。
「…汚い…ですよ…」
驚いてヒョヌが言う。
ミニョクは笑って
「構いませんから…もう少しこうしてていいですか…」
そう言った。
ヒョヌは頷いてニコッと笑った。
その笑顔が無邪気でミニョクは繋がれてる手から伝わるヒョヌの温度にさっきの恐怖などもうどこかへ飛んで行ってしまい、逆に彼に会えたことをあの強盗に感謝したいくらいの気持ちだった。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2017-05-15 23:51:43
続きが楽しみです(^ ^)
Unknown様 (葉月)
2017-05-16 00:52:55
コメント有難うございます!
今回こそは続けられるように頑張りたいと思います。
どうか長い目でよろしくお願い致します。
本当に有難うございましたm(_ _)m

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