もんちき日記

チワワのちくわ&てんと一緒の毎日♪

私のこと。

2008-05-27 12:14:56 | Diary
私は『ファロー四徴症』という先天性の心疾患があります。
17歳の時に4度目の手術を受け、ラステリ手術という術式による根治手術を行いました。
その後、短大へ進学し、アメリカへ留学もさせてもらい、
卒業後は地元の金融機関に就職しました。
高校生の頃から付き合っていた主人と結婚し、7年目。
エアロビにも行き、大好きな海外旅行もして、
とても元気に毎日を過ごしていたのですが、
本気で子供をもつことを望み、今年の3月に退職しました。

その矢先…
『大動脈瘤』が発覚しました。
大動脈が肥大して、放っておくと破裂してしまうという病気です。
近年、ラステリ手術を受けた人に大動脈瘤が発生する事例がポツポツと出てきているとのことでした。
今現在、とでも元気で何不自由なく生活しているのですが、
このまま放っておくわけにもいかないということで、
手術を受けることになりました。

私の場合、ラステリ手術で入れた人工血管が石灰化しており、
同時にそれも取り替える必要があります。
大動脈瘤は大人の心疾患、ファローは子供の心疾患。
どちらか1つでも大変難しい手術です。
こういった事例はかなり稀なケースであり、この手術を同時に行ったことのある医師はかなり少ないとのこと。
また、大動脈に人工弁を入れるのですが、機械弁にするか、生体弁にするかでも今後の人生が大きく変わります。
機械弁は、半永久的に使用でき、再手術の必要なし。
生体弁は、10年から15年で劣化するため、再手術による置換が必要。
これだけ聞くと、絶対的に機械弁を選ぶと思うのですが、
私にとって大きな問題は、機械弁にすると「ワーファリン」という強い抗凝固剤を一生飲み続けなければいけないということ。
ワーファリンを飲むということは、子供を諦める。というのに等しいことです。
もちろん可能性はゼロではありませんが、妊娠初期の胎児に与える影響がかなり大きく、妊娠発覚後すぐに入院による管理が必要であり、出産前にも同じように入院が必要。また、胎児の奇形率が高い。
ワーファリンを服用しながら妊娠を継続するのは大変難しいことなのです。

すごく、すごく、すごく、悩みました。
生体弁にしたからといって、子供を授かれると決まったわけではないし、また難しい手術を受けるということは、例え子供が生まれても、主人やその子供を悲しませることになるのではないか。
ワーファリンを服用しても無事出産するにはどうしたらいいのか。
ネットをみたり、本を読んだり、医師に聞いたり…
夫とも何度も相談しました。

結果、私は未来の自分の可能性に賭け、『生体弁』に決めました。
私の両親やお医者さんたちは、機械弁を望んでいることはわかっています。
ただでさえ難しい手術。何度も開胸手術を受けることは、その度にリスクは高くなります。

ただ、もし機械弁を選んでも、私はたぶんこの先も子供を望むだろうし、その努力をしていくだろうと思います。
もし、子供を授かったとき、その子がなにか障害を持って生まれてきても、私はその子を大切に育てていく自信はありますが、私のエゴでそんな目にあわせたくはない。
私が「生きて」いくために、夫と「家族」を育んでいきたいので、
決心しました。

こんな重い話を日記で書くのはどうかと思ったのですが、
私が今回悩んだときに、決心ずるまでに時間がかかったのは、前例がないということです。
日本だけではなく、世界的にみても、
ファローのラステリ手術を受け、大動脈瘤になり、妊娠を望んでいる女性の手術例は、まだまだゼロに近いのです。
まだまだデータがないので、お医者さんもどちらがいいとも言えない状態です。

私が、こうやって小さな記録を残すことが、誰かの未来の手助けになるのではないか…と、勝手な思いで書きました。

手術は6月5日です。
今までの手術の中で、一番緊張してるかな…
でも、私の今一番の心配は夫のことです。
1ヶ月留守にするけど、ちゃんと洗濯とかゴミだしとかできるかな…と、
帰宅後の掃除が憂鬱です(笑)

元気に帰ってきますね。