ライブ・イン・ブカレスト

一週間くらい前に購入したＤＶＤ。１９９２年、ルーマニアのブカレストで行われたマイケル・ジャクソンのライブです。

まず登場シーンがスゴイです！
爆発音と共に、ステージ下から飛び出してくるマイケル。
そして、ダンスをやってる人ならではの、とてもさまになる姿勢で約１分半くらい微動だにしないのです。。
一度向きだけ変え、また静止します。会場を見渡すように。。
その間ずっと、絶叫に近い歓声がコンサート会場を揺るがし、それを全身でシャワーのように浴びている姿が、ゾッとするほど絵になります。「降臨」という言葉が似合います。
５秒くらいかけてゆっくりサングラスを外し、そのままゆっくりと手を下まで下ろす。
その一つ一つの動きに、熱狂的な歓声が応えます。
自信に満ちたマイケル。。

　　　

そして、サッとサングラスを投げ捨てると、激しいダンスが始まり、一気に１曲目「Jam」の世界に観客を引き込んでくれるのです！！

ＮＨＫの特番で初めて見た時は、本当に鳥肌がたったし、アマゾンの評価も高いので購入しました。

ブカレストは、８９年１２月のルーマニア革命からたった３年。それまで長期に渡るチャウシェスク独裁政権で、市民は食料や冬の暖房用の燃料にも事欠く生活を強いられていたといいます。共産主義政権崩壊のすぐ後にやってきた、「本物」の西側のスーパースターの姿は、ちょっと想像できないくらい輝いて見えたんだろうな、と思いますね。

異常なまでの熱狂（失神者続出！）と、マイケルの歌やダンスパフォーマンスの素晴らしさは、本当に泣けるくらいに感動なのですが、何回か見ると、やっぱりコンサート会場の環境悪そうだな、、とか、失神者＋酸欠で気分が悪くなった人もいるかもな～と思います。まあ、９２年ですし。
２００１年のニューヨークでのライブも見たのですが、比べては申し訳ないでしょうが、コンサート会場の環境も快適そうで、やっぱりアメリカが産んだスター、マイケルなので、観客のノリもいいなぁ、と思いましたね。
小学生くらいの女の子達も、踊りながら楽しんでましたし、観客が多少踊れるスペースのあるコンサート会場で、余裕のある感じがいいな、と思いました。

まあ、それはさておき、、
ブカレストでのライブの選曲も、ステージも最高です♪

「Wanna Be Startin' Somethin'」、「Human Nature」、、激しいダンス・パフォーマンスで、時々声が続かないマイケル。口パクでなく、生で歌ってるのが分かります。（全曲口パクでない、かどうかは分かりませんが）
あまりに激しいダンスで、声が続かないという様子は、ＰＶからは想像出来ない場面なので、「あ～、この人もやっぱり人間なんだな～」とか、好意的に思っちゃいますね。息だけで歌ってるような箇所は、逆にセクシーだな～、と思ったり。

「Wanna Be Startin' Somethin'」と「Human Nature」は、本当に大好きなナンバー♪

「Human Nature」はスローなラブソング、ですね。ここでは別に激しいダンス無くてもいいのにな～とは思いましたね。とてもしっとりした、ロマンチックで透明感のある１曲なので。

「Smooth Criminal」では迫力のゼロ・グラヴィティ（体を斜め４５度に傾ける）を披露！
サイーダ・ギャレットとのデュエット、「I Just Can't Stop Loving You」。
ファンの女の子を一人ステージに上げ、強く抱きしめてキス、映画的な雰囲気を作ってから歌い始める「She's Out Of My Life」、、女の子に対するファンサービスなんだか、罪作りな演出なのか、、
(^_^;)

ジャクソン５時代の楽曲も３曲、「Billie Jean」のムーンウォークや、ＰＶのノリをそのままステージに持って来たような、喧嘩シーンもあるダンスがカッコいい「Beat It」、と次々に披露してくれています。

そして、「Will You Be There」。
不思議な曲ですね、、今聞くと本当に。宗教的な歌なんですよね。

（抱きしめてください）
（僕を愛して、満たしてください）
（口づけで解放してください）
（そうすれば満足です）

（連れてってください）
（ひとおもいに）
（ゆっくりと抱き上げ）
（運んでください）

（救ってください）
（僕を癒し、清めてください）
（やさしく言ってください）
（そばにいるよと）

ステージでも、天使役の女優さんが舞い降りてきて、ラストにマイケルを抱きしめる、、という演出でした。
ゴスペルのリズムが全体に息づいていて、「宗教観」や「死生観」を意識させる歌詞なのですが、とても明るい印象の曲なんですよね。。マイケルの最期の瞬間は、きっと穏やかで幸せなものだったんだろう、って信じたいです。

このあと、「Black Or White」「Heal The World」「Man In The Mirror」と続きます。
このライブ中で一番素敵だな、と思ったのは「Black Or White」です。元々好きな曲なんですけどね。
激しいダンスをしているわけではないのですが、これくらいの動きで、長い髪をなびかせて歌っている姿が本当に美しいです。白いシャツも本当に似合ってます。
トータルで１２２分、見入ってしまってあっというまのＤＶＤです。