JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

テロ フェルナント・フォン・シーラッハ 著 酒寄進一 訳

2017-04-29 17:02:34 | 


図書館の新刊で面白そうなので借りてみました。ドイツの刑事弁護士でもあるシーラッハと言う人の書いたもので、法廷劇の形式をとった戯曲の形で描かれます。

話は146人の乗客を乗せたルフトハンザを乗っ取ったテロリストが、7万人の観客がいるサッカー場に墜落させようとします。そこにスクランブルした軍の少佐が独自判断で気を撃墜します。「7万人と146人の命を天秤にかけ、7万人を救うために146人を殺害することは許されるか」ドイツの参審制という裁判で審議されるストーリーです。ストーリーはこれだけですが、果して許されるかどうかを読む側に問う作品です。

ドイツでのこの状況については具体的に法的検討がなされ経緯はありますが、結論ははたしてついたのか、解説があったので引用しておきます。(望月優大氏 著) 

「アメリカでの9.11テロ以降、ドイツでもテロ対策という名目で様々な法的措置が検討、実施され、その一環として航空安全法が制定された。航空安全法はその一部で、ハイジャック機が武器として利用される恐れがある場合、政府が軍にハイジャック機の撃墜を命じることを認めていた。しかし、航空安全法の当該部分に対して、翌2006年に連邦憲法裁判所で違憲判決が下されており、現在では停止状態にある。」

検察官の論告のなかでドイツの憲法で「人間の尊厳は不可侵である」という最も重要とする条文をあげます。
一方弁護側は、原則からは世の中は救えないと主張します。

したがって、「評決」と題される最終幕には、「有罪」の評決を選択した場合の場面と、「無罪」の評決を選択した場合の場面が用意されていて、読者は自分の選択した結論に合わせて、該当する評決の内容を確認することができます。

実際に、観客を参審員に見立て評決を取る形でラストシーンを選択する舞台が実際に上演されたそうだ。2015年7月に上演された際には、255対207で無罪の評決がでたそうです。

2時間もかからづに読めるけれど内容は何日分にもなる本でした。

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