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信州松本からの投稿

長野朝日放送 雷鳥を守るんだ「神の鳥」その声を聴く男

2017-01-31 | 松本の話題・情報
昨夜、長野朝日放送で午後7時から放送された「雷鳥を守るんだ 『神の鳥』その声を聴く男」を見ました。
長野県の県鳥でもあるニホンライチョウ(日本雷鳥)研究の第一人者である中村浩志さんが厳しい自然と戦いながらもニホンライチョウを守るために取り組んでいる事や調査を続ける情熱を取材したものです。
1980年代に3000羽だったニホンライチョウ生息数は現在2000羽弱まで減少、ある生息域の縄張り数は30年前は63あったものが現在10に減少となっており絶滅が心配されていて、そのため、長野県版レッドリスト(動物編)改訂版では絶滅のおそれが3番目に高いカテゴリー(絶滅危惧Ⅱ類)から2番目に高いカテゴリー(絶滅危惧IB類)に変更となっています。

2015年8月にテレビニュースで紹介されたサルがニホンライチョウをくわえた1枚の写真。
ニホンライチョウに関してあまり多くの知識を持っていない私にも、今後のニホンライチョウの生存に新たな危機がきてしまったと感じさせるに十分な画像でした。
この写真を撮影したのも信州大学名誉教授の中村浩志さんだそうです。
番組の中では本来は高山帯に来る事が無かったライチョウの天敵となる動物としてキツネ、テン、カラス、オコジョ、チョウゲンボウ、サルがあげられ、自然環境の変化でこれらの動物が高山に来るようになった遠因もあげられていました。
キツネやカラスなどが高山帯に上がってきて卵やヒナを捕食、地域によってはほとんどヒナが育っていない山もあるとの事でした。
ここにさらに鳥を捕食しないといわれていたニホンザルのライチョウの幼鳥捕食が加わったことが判明しましたので、ニホンライチョウが絶滅する可能性がかなり高まった事が分かります。
保護への取り組みとしては、鳥獣駆除用のパチンコでニホンザルをライチョウから守る、またニホンザルに発信機を取り付け位置を確認するなどの取り組みも行われているようです。
昨年は幾組かの親子ニホンライチョウをヒナが大きくなるまでの数か月間ケージの中に保護することも行ったようです。
ケージの中にニホンライチョウ親子を招き入れるための苦労をしている様子も流されましたが、夜間ゲージ外からテンに襲われ幼鳥を守るため一生懸命戦った母親の足の指が一本テンに食いちぎられてしまった様子なども流され、自然の中での子育ての脅威も垣間見る事が出来ました。
我が子を守るためにテンと戦い指を一本食いちぎられてしまった母鳥のぴっこを引いて歩く姿も放映されていましたが、ゲージから放鳥した後のこの親子ニホンライチョウについては放鳥後の調査で生息していることが確認できなかったそうです。
番組の中では、キツネの糞の中に輪ゴムや梅干しの種と思われる物が認めらける画像もありました。
登山に来た者が何も考えずに捨ててしまう物がニホンライチョウを捕食する動物の餌になっている事、人間の手が加わらなくなり里山のバランスが崩れ天敵となる動物が高山に来ている事、高山の環境が変わりニホンライチョウの餌となるコケモモ等の実がイネ科の植物に覆われ生育が抑制されてきている事、冬場のサルの餌となってしまうダケカンバなどが増えてきている事があげられていました。

「ライチョウを守りたい」の一心で69歳ながらも連日3000m級の山で保護活動と調査を続ける中村浩志さんの情熱には頭が下がります。



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2 コメント

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見ました (ありの実)
2017-02-01 19:18:52
高山に生息しない動物が出没したり 里を恐れない動物が多くなったり 人間の動向や生活 気候の変動に関連しているんでしょうね・・・
信州大学の立地を活かした活動が 今回のケース以外でも引き継がれていくことを強く望みました

番組の最後に流れた中村先生の後継者くんの詩吟は さすが信州だなぁ・・・東北信出身なのかな(笑)などと想像♪ いい声でした

ありの実 様 (mt77)
2017-02-02 07:22:58
ライチョウを取り巻く環境の変化などについて、時間をかけて取材されているのが良く分かる番組でした。
長野県は昨年ライチョウサポーターを募集していますが、募集した背景を知る事が出来ました。
ライチョウを自分の目で見た事はありませんが、いつか見てみたいという気持ちが強くなりました。
もし私がライチョウを見る事が出来た時には、目撃情報を長野県環境部自然保護課まで送りたいと思っています。
番組の最後に流れた詩吟を私は残念ながら見なかったようです。
最後までしっかりと見ないと駄目ですね。いい声を聞きたかったです。

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