ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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数倍の楽しみ~吉坊。出版記念落語会

2009-04-28 22:25:34 | ワッハ(ホール・レッスン・上方)
・・・・・・・・・・・・・・「桂吉坊がきく藝」出版記念落語会・・・・・・・・・・・・・・

このチラシ、おしゃっれ・・・・今迄で一番の、私のお気に入り。
色あいといい。字体といい、レイアウトといい。すべてが粋。
これ一つ見ても「、桂吉坊がきく藝」の本、中身に期待できますな。

「桂吉坊がきく藝」の本、興味津々。
色々な芸に、自分ははたまた何に興味をしめすのか、
期待と、反面何にでもはまり易い自分にこわさを感じますな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一、桂さん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

吉坊兄さんの憧れの印税生活の為に、ご来場ありがとうございます。
立派なつかみでスタート。

ヘンなマクラも無しに、即「道具屋」ヘ。
格調高い落語会の空気を感じての、素晴らしい入り。

道具屋の品物の説明を受ける際、首を抜ける人形で
右へ左ヘ振って、落語をはじめる、おもしろい。
さん吉さんのアイデアであれば、笑いのセンスに感心。

客を迎えるところでも、「いらっしゃい」「いらっしゃい、喜んで」
まるで、居酒屋がんこの掛け声が入る。
大阪人にうれしいフレーズ。・・・随所にくすぐりが入る。

自由に遊びながら本筋ははずさないさん吉さん、
さすが、吉朝一門の末弟子、味が出てきましたな。、


二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稲荷俥」

今日の落語会の大入満員にまずは、御礼。
東京は、人口が多い割には、一部空席がありましたが。

「論座」の連載が本になりましたが、12人の高齢の方が多いので
毎月一人ではなく、早めに取材しなければと思いきや、
なんと10ヶ月目に、本の「論座」自体が廃刊に。

今回の落語会の、ゲストの加藤武さんと、桐竹勘十郎さんで
丁度12人完成です。

まあ、1500円の本がついて3000円。
色紙を付けてますが、本来出版記念では、ロビーなどで
本にサインをするものですが、大御所が参加されてる本には
おくがましくて、あえて、別に色紙にサインを致しました。

その心づかい、よろしいな。
でも、チラシに色紙つきとあったので、米朝事務所への問合せに
「誰の色紙ですか」と言うのが、2~3あったらしいです。
対談の方のが、それぞれあるのか、それとも寄書きか、
それでは、この値段では、・・・ありまへんやろ。

狐、狸は人を騙すといいますが、
何も騙すのは狐、狸に限ったことではございません。

高津神社の表門で、やまぶきのうどん屋が・・・・・で稲荷俥・・ヘ。
狐と産湯の稲荷の不気味さはさほど無いが、
逆に主人公の車夫の人柄の良さがひしひしと伝わる。

誤魔化されたと怒るおかみさんも、
そんな亭主の人の良さに惚れていて
良い夫婦。集まる長屋の連中も良い人ばかり。

お金を落としたという客が、返してもらおうと訪れるが
本当は、稲荷さんのお使いか。

メルヘンの匂いが漂うファンタジー編の吉坊の稲荷俥でした。


三、対談・・・桐竹勘十郎・桂吉坊

赤毛氈の上に、座布団が二つ。
桐竹勘十郎さん、こんな座布団に坐ると、落語したくなりますと。
吉坊「やらはるんですか」勘「いや、小噺では姉より、上手ですっせ」
実は、姉さんは、すずめ、桂すずめ、三林京子さん、あれー。

13才の時、文楽の世界ヘ入る。
それから、修行の話。・・・・足遣い、15年。基礎である。
主遣いと、左遣いと足遣いの三人で一つの人形を操る。

その苦労というか、芸談のなかで、印象に残ったのは
師匠に「あんた、神経あるんですか」と尋ねられ、、あると答えると、
「あんのやったら、使いなはれ」と、本舞台で、試されながら、
厳しく育てられる。

次の仕草に移る時、空間を作る、それによって
動きの方向性と間をとる。・・・
三身一体の人形に魂が入る瞬間である。

芸事、何事もそうであるが、基礎、基本が大事。
あたりまえのことを、あたりまえに話される。
芸を極めた人だけに、重みがある。


四、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「蔵丁稚」

何が一番好きと言えば、吉坊が袖から舞台に上がる際、
天の雲を見るごとく、にこにこと微笑んで出てくる。

今まさに、別の世界への、ワープを楽しんでいるよう。
ファンタジーのはじまりという、わくわくでの登場です

噺は「蔵丁稚」。今までに、こんな本格的な四段目、見んのは初めて
各噺家さん、真面目に演られるが、ご自分で堪えきれなくなって
「旦さん、旦さん」と緊張に緩和をいれてしまうのに。

落語会というのを,忘れさせるぐらい、心地良い緊張の中で、
たっぷりと歌舞伎の世界にワープさせてくれる。

吉坊が聞く藝と言うより、
吉坊の藝の、奥行きそのものを知った落語会でしたな。

ほんと、良い落語会は、余韻たっぷりで、嬉しいですな。



「桂吉坊がきく藝」出版記念落語会
2009年4月28日(火)午後6;30開演
ワッハホール

一、桂さん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」
二、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稲荷俥」
三、対談・・・桐竹勘十郎・桂吉坊
仲入り
四、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「蔵丁稚」

09-28-119

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3 コメント

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よかったですね。 (ikeyan)
2009-04-30 05:47:11
楽しい落語会でした。ね。

サイン、どうでした?
ワタシのとなりの席の女性の、ちょっと小さめの字で・・・・
見比べて見てください。
ますますファンになりました。 (yokko)
2009-04-30 09:39:08
吉坊さんの良さが十分に発揮された会でした。
噺はもちろん言うまでもなく、サインに対する考え方や、勘十郎さんからお話を伺う時の心構えをいうか姿勢というか、芸の上の先輩に対する尊敬の念がじんわりと現れていたと思います。日頃からきっちりと考えて行動しているのだなと思わされました。
びっくりしたのは、マクラで出てきた漫才の話題、ダイラケに市松・芳子て、思わず「あんたいったいいくつやねん!」と心の中で突っ込んでいました。
これからますます伸びていくであろう吉坊さん、目が離せない存在です。
ほんま、良かったですな。 (ごまめ)
2009-04-30 13:03:39
私も、お連れの方の色紙と比べて、違うので
手書きと確認。(私のは、ちょっと大きめ)。
「蔵丁稚」、ほんと良かったですな。

でも、私は、吉坊さんが、袖から舞台に上がる際、
雲を見るように、にこにこと、これからはじまる
違う世界を楽しむような、笑顔が大好きです。

タウタウまん坊と、ぱすく亭は、都合をつけて
行きたいですな。

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