ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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須磨で江戸落語~第128回・須磨寺落語会

2009-12-06 01:42:11 | 梅団治・須磨寺落語会
今日は、東西競演で、東京からさん生さんと春馬さんの登場。
江戸らしい噺、是非聴きたいですな。


須磨寺駅からの参道を上り、境内に入る手前。
裏山を借景に、ゆったりとしたお寺さん。


会場の青葉殿の立派な入り口。


今回の、青葉殿内の会場、
こちらに移ってからはいつも200名以上の大入り満員。



2008年3月18日撮影、・・・・第119回須磨寺落語会

会場は、今とは違って、須磨寺の本坊の座敷で
二年前は、60人程のこじんまりとした会でおました。
また、冬は隙間風で寒くて、ストーブがあり、その周りが特等席でしたな。


一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

「落語はじめます」で、マクラも諸注意も無く、いきなり落語に。
へんに、ダラダラ、マクラをふる若手が多い中、気持の良い、はいり方。

大阪の兄やん、主人公が、喬介さん、そのもの。
最後になって、つまずきかけたが、頼りなさが自然で、なんら違和感が無い。

明るくて、目がクルクルと動き、主人公がとってもかわいい。
「道具屋」「阿弥陀ヶ池」「牛ほめ」など、アホが教えてもらってなぞる噺
喬介さんの独断場ですな。

二、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「黄金の大黒」

冒頭の、家主さんが集まれと云われ、何か問題ではと、
あれやこれやと詮索する、長屋の連中がおもしろい。
破れそうな羽織を取りあいしながら、
わあわあと貧乏ながら、前向きに生きている様は楽しそう。

でも、この家主さん、よっぽど人ができているのか、
飼っている、猫や犬、カナリヤまで食べられ、
家賃は、6年、8年、あげくのはて一度も払うたことがない者まで現れて、
大事な孫は、金槌で叩かれると、およそやんちゃくれの貧乏長屋の連中でも。

孫と長屋のこせがれが、砂遊びで黄金の大黒を見つけたので、お祝いと。
貧乏ながら、楽しく生きてる様が、梅団冶さんの落語から伝わってくる。

ご本人は、飽き性で気が抜ける時があると言われてましたが、
落語はどれも、手を抜かず、おもしろおますな。

三、柳家さん生・・・・・・・・・・・「抜け雀」

江戸落語家らしい、噺っぷり。
昨日の太融寺の裏のうどん屋で、出前の電話があり、女将さんが厨房の旦那に、
「鰻丼の、ウナギ別、卵付き、一丁」、思わず、なんやとニンマリしてしまったと。
大阪って、見得が無く、合理的で、まあ、食べたいものが、食べたい、それだけですな。

放送禁止用語で、雲助とか、雲助タクシーとかは言ってはならなく。
そして昔は、駕籠かきなんぞは、なるものが無く、挙句の果ての仕事だったらしい。

小田原の宿で、文無しの客が描いた絵の雀が、朝日を浴びると、
衝立から抜け出る。・・・それが評判になり、お殿様からは千両もの値がつく。

サゲは、絵師の親父が描き加えた、鳥籠をみた主人公が、
「親を、駕籠かき(鳥籠描き)にしてしまいました」と、
最初にくどく、説明しとかなければ、到底解らぬオチ。

でも、江戸の落語は、笑いが少ないだけ、笑うのも緊張しますな。

仲入り

三遊亭春馬・・・・・・・・・・・「一眼国」

小遊三さんの三番目の弟子。同期は林家たい平、柳家喬太郎など、
そこそこ売れているが、私だけが取り残されていると。
でも、師匠に何かあれば、たい平と同じく、ピンチヒッターで「笑点」ヘ。
大いに、チャンス伺ってますと。

大阪では、4~5人ぐらいしかされない、珍しい噺を。

六尺のイタチ、ベナ、オオザル、コザルなど「軽業」と思いきや、「一眼国」ヘ。
何か珍しいものは無いか、ホーホケキョと鳴く豚とか、
ホーホケキョと鳴く「まねき猫」ならおりますが、
東京では、「猫八」の弟子で、まねき猫さんがいてるので、
大いに受けるのだが、まあ所変われば、笑いも変わるですな。

一つ目の女の子を捜しに行き、一つ目の国の住人に反対につかまり、
一眼国のお奉行が、顔を見るなり
「こやつ、ふたつ目がある、すぐに見世物小屋に出せ」がサゲ。

まぁ、逆はまた真なり・・・・・。
今、春馬さん、大阪でこの二、三日は、珍しいもの扱いですが、
上方の噺家さんが、江戸に行けば、一国眼状態にか。

それが、云いたさでのネタ選びか・・・。
でも、東西どちらでも通用する元気印の春馬さんの高座でおました。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「猫の災難」

久々の蔵出しのネタとか。

酒のみが、どんどん酔っていき、
素面では到底言えないような言い訳を友達にぶつける。

それも、隣の猫が、鯛を咥えて逃げ、酒は瓶の栓をはずし、
瓶を倒して中身をこぼしてしまったと。猫に罪をかぶせる。

でも、鶴二さん、次第次第に酔いがまわりっていく様は絶妙。
顔が次第に紅くなり、まさに舞台に上る前一杯引っかけたのではと
思うぐらいの酔いっぷり。

その、酒飲みのさがが、六代目の雰囲気をチラチラと醸し出す。

サゲは、猫に会うたら、どないすんねん
「よう、侘びを云うといてくれ」

でも、商売と言えども、酒も呑まんと、酔うのは疲れましゃろな。
酔っ払いの名演技、鶴二さん、やはり、骨太の笑福亭でおましたな。

次回は、来年、2月7日(日)の開催予定。


往き帰りは、阪神電車、梅田から直行で、約55分で須磨寺駅ヘ。

第128回・須磨寺落語会~東西競演~
2009年12月6日(日)午後2:00開演
須磨寺青葉殿

一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「黄金の大黒」
三、柳家さん生・・・・・・・・・・・「抜け雀」
仲入り
四、三遊亭春馬・・・・・・・・・・・「一眼国」
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・「猫の災難」
・・・・・・・三味線・・・花登益子

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