ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

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第482回・田辺寄席~今年最後の師走席

2008-12-21 22:52:59 | 田辺寄席
・・・・・・・・・何とか存続を!・・田辺寄席拠点の阿倍野青年センター・・


一年間、お世話になった田辺寄席。最後の師走、日曜の昼席に・・・。
良かったですな、米朝一門会。特によね吉さん、都丸師匠。
季節にあった、河豚鍋と、不動坊、独演会を思わすような熱演ぶり。
また中入りの際の、大根汁、今年は特においしおましたで。


開口0番・・・「は」・「はじまり」・・・・・桂文太

田辺寄席、今回で482回目、
最初は南田辺駅の近くのパン屋の二階からスタートし、
一年もてばと思いながら、翌年今の青少年センターへ移転。
年間4500名のお客様が聴きに来られ、地域寄席の草分である。

土地は大阪市のものだが、建物はシャープの創業者早川徳次氏の
寄付により建設されたものです。

現在、卓球、その他の多くのサークルが利用し、全部屋の稼動率は
70%で、中央公会堂に次いで、第二位とか。

経費削減は解りますが、やはり文化の火は消して欲しく無いですな。

まあ、今年も師走の席となりましたが、年末は、大根汁。
年明けの新春の席は、ぜんざいと・中入に庭にて振る舞い。

お世話の方々の、落語を愛する心と
お客様をもてなす心の結集が、温かおます。

今年の、大根汁、上品でそれでいて味がしみこんで
ほんと、ほっこりほんまに旨おましたで。

まだの方、来年のぜんざいを是非、ご賞味あれ。
文太師匠曰く、もれなく落語が付いてます。


一、桂ひろば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」

ざこば師匠、得意の「みかん屋」。
急いでいたのか、上をみるとの事で天井見るシーンを忘れたみたい
帰って、叔父さんの前では、上を見ましたで、
天井に蜘蛛の巣はってあって、と回想シーンはあったが・・。

あんた年はいくつと聞かれ、女房子供を養う為に、
上をみてますと、「86才」と答えるが。

実際は。「30才」。・・・せめて「46」か「56」ぐらいの方が、
自然と思うのだが。

元気良く、ハギレも良いが、急いでいる感もあるひろばさん。
リズムよいテンポと、急いでいるのとは、紙一重、難しいですな。


二、桂よね吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「河豚鍋」

よね吉さん、去年、12月にりそな寄席で聴いたよりも、
数段よろしおましたで、「河豚鍋」。

しぐさが大きくなり、特に手の動きが上手い。
こごろうさん風、マンガ的要素が随所に入っているが、
基本が清楚なので、崩れることなく、厭味がない。

ベテランの演じる、老舗味の、落着いた「河豚鍋」もあるが、
斬新味の、若さもあり、所作のおもしろさたっぷりの
よね吉さんの「河豚鍋」、お値打ち価格で堪能できましたで。

マクラは、米朝師匠のお供で、初めて「てっさ」を食べた時の話、
なかなか手を出されないので、ようやく食べはじめた時は
反り返り、干からびて、パリパリで、良い印象はなしと。

「てつ」の語源・・・・「鉄砲・・・弾に(たまに)あたる」からと。
「てっさ」、「てっちり」基本的説明なしでも良いと思えるが、よね吉さん
「ちりとてちん」効果で、御自分の客層の拡がりに合しているのか。

でも、本編の落語は、自信と余裕が垣間見られて、秀逸でしたなぁ。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」

これまた、絶品。
今年、吉の丞さん、染太さん、つく枝さん、そして文太さんと、
年期順に聴いた「軽業」。
口慣らしの噺が、どんどん品格ある噺に変身。
芸の力、話術の力量はこんな噺こそ、明確にでますな。

特に、軽業に入ってからの、太夫のタスキ、鉢巻など
身支度を整えるシーン、続く口上・・・。
そして、扇子の上での、綱渡りのシーン。
どれをとっても他愛のないところだが、きっちりと演じられて
いるだけに、感動を呼ぶ。

この師走の席、それも本年最後の席に「軽業」をもってくるのは
何か意図があるのか、文太師匠。

彦八まつりの際、書いて頂いた色紙の言葉
「百里行人、九十里半」とごとく、初心に戻ると言う事か。

でも、来年の新春、初席は「立ち切れ線香」でっせ。・・・・・重う。


四、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」

「酒が呑める」と、「つまらんなぁ」がそれぞれ口癖の二人。
四人癖はしぐさが癖だが、二人癖は口癖。

私の、口癖は、「正直いうて」、「ほんまかいな」。
自分の事は正直ですと後押し、念押しするが、
相手の言葉は疑ってかかるという、ほんま悪い口癖ですな。

小さい時、よう母親に「ほんまかいな」と言うて
「親が、子供を騙すかいな」とおこらえた事を思い出す。

みかけどおりのゆったりとした、米平さん。
更に味のでそうな、「長短」なんぞ聴いてみたいですな。


五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

ベテランの味。「不動坊」、しっかり、じっくりの45分。
浮ついて、急ぐところもないかわり、
全編ベテランの登山のごとく、一歩一歩、山を登る感じ。

利吉と他の三人のやもめも、大バカではなくて、
ほんそこにいてる様な描き方でも、充分おもしろい。
噺自体のおもしろさが伝わるのは、私は大好き。

師匠のざこばさんとは違う、貫禄がある、都丸さん。
弟子の、都んぼさん共々、来年は聴く機会が増えそう。

まあ、今年は、この落語会が、最後か。
年末には、私のBEST30席をご披露したいと思っています。


第482回・田辺寄席
2008年12月20日(日)午後1:00開演
阿倍野青年センター

一、桂ひろば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」
二、桂よね吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「河豚鍋」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」
仲入り
四、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」
五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」
コメント
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