5月4日シルヴィ・ギエム「三つの愛の物語」Bプロ@東京文化会館
「三人姉妹」(振付:ケネス・マクミラン)
マーシャ:シルヴィ・ギエム
イリーナ:イザベル・シアラヴォラ
オリガ:ドルー・ジャコヴィ
ヴェルシーニン中佐:ニコラ・ル・リッシュ
クルイギン:アンソニー・ダウエル
ソリョーヌイ船長:アンドレア・ヴォルピンテスタ
トゥーゼンバッハ:ルーク・ヘイドン
ナターシャ:シモーナ・キエザ
アンドレイ・プロゾロフ:マシュー・エンディコット
チェブトイキン医師:オリヴィエ・シャヌ
アンフィーサ:ニコール・ランズリー
仕官:ギャビン・フィッツパトリック マシュー・グラハム ダンカン・ヒューム トーマス・サプスフォード
「カルメン」(振付:アルベルト・アロンソ)
カルメン:イザベル・シアラヴォラ
ホセ:マッシモ・ムッル
エスカミリオ:アンダース・ノルドストローム
ツニガ:アンドレア・ヴォルピンテスタ
運命(牛):ドルー・ジャコヴィ
女性ソリスト:ニコール・ランズリー 村上華菜
男: ギャビン・フィッツパトリック マシュー・グラハム
ダンカン・ヒューム トーマス・サプスフォード
平野玲 野辺誠治 長瀬直義 宮本祐宣
横内国弘 田中俊太朗
「田園の出来事」(振付:フレデリック・アシュトン)
ナターリヤ:シルヴィ・ギエム
ベリヤエフ(家庭教師):マッシモ・ムッル
ラキティン(夫人の崇拝者??):オリヴィエ・シャヌ
ヴェラ(養女):小出領子
コーリア(息子):アルベルト・モンテッソ
イスライエフ(夫):ルーク・ヘイドン
カーチャ(メイド):ニコール・ランズリー
マトヴェイ(従僕):トーマス・サプスフォード
2003年にも観ました(感想は
こちら)が、今回はカルメンは同じ演目のヨーロッパ公演のキャスト、最後の演目は「マルグリットとアルマン」ではなくアシュトンの「田園の出来事」です。 シルヴィ・ギエムが観たいのに半分東バっていうのはいただけないし、去年「マルグリットとアルマン」より「三人姉妹」が気に入ってたので、Bプロを選択。
三人姉妹
最初の三姉妹がポジションを替えながら抱きしめ合うシーン。ギエムと他の二人とのテンポが合ってなかったような。。。滑らかに入れ替わるのがこのシーンのいいところなのに。。とちょっと不満。 ギエムに注目して心を落ち着かせ、ニコラ・ル・リッシュのヴェルシーニン中佐が良かったので気を取り直しました。。ピルエットとかポーズのキレがあって、華があって。。。あぁ、ニコラ・ル・リッシュってこういうダンサーだったのね~と改めて感心。
それにしてもこの作品はとてもドラマティック(演劇的)な要素が印象に残りますが、その振り付けはかなり高度なテクニックを要すると思います。パドドゥやカトルでは複雑なリフトがばんばんあるし、ヴェルシーニン中佐のソロの後半のジュテ?はほんとに難しいと思う。。が、それでいてドラマティック。。。深いです。
ギエムの足は相変わらずすごいけど、手の動きもとてもしなやかです。。。全体的な印象は前回の方が好きだったけど、三女イリーナは今回のイザベラ・シアラヴォラの方が良かったと思います。 ビデオ版のデュランテに近いイメージでした。
カルメン
予想外に気に入りました~! 予想外。。というのは以前の東京バレエ団のがあまり好きになれなかったためで。。。しかし、今回はキャスティングの勝利っ! 見た目の美しさに弱い私は一発でやられてしまいました。。。 カルメンのイザベル・シアラヴォラが美しすぎ。。。足がものすごくきれいなんです。 新体操の選手みたい。 もう少し毒気があっても良かったかな。 でもムッルのホセと並ぶとなんて美しいカップルなんでしょう~!!! エスカミリオがちょっと迫力不足だったかな。 牛が良かったです! スタイル良い~。かっこいい~牛さんでした。
田園の出来事
アシュトンのこの作品はまったく知識なしで望みました。
お話はある上流階級一家の、一見して平穏な、別荘でのひと夏。美しい夫人ナターリヤを囲む夫と息子コーリア、養女ヴァラ、夫人を崇拝するラキティン。。。そこに、息子の家庭教師として知的で魅力的な青年ベリヤエフが現れ、ナターリヤとの間に淡い恋心が芽生える。 一方養女のヴェラもベリヤエフに恋心を抱き、一家の間に不穏な空気が流れます。 そして、平和な家庭を乱すことを恐れたベリヤエフはそっと屋敷を立ち去ります。
ギエムの衣装は白を貴重としたレースのフリフリ。。ちょっとキャラに合わない気が。。踊りも演技も申し分ないのだけれど、もう少し歳相応の衣装にはならないのかな?って、それから養女ヴェラ役の東京バレエの小出領子さん。。。どうしてわざわざ金髪のカツラ? 他の人は金髪じゃないのに。。。! 養女ということでナターリア(ギエムは亜麻色の髪の)と違う色にする必要があったのでしょうが、やっぱり日本人に金髪はきついものがあると思うのですよねぇ。 そういうのがあると、そればっかり気になってちゃんと観れなくなってしまうんです。。(外見にまどわされやすいのかしら? 私って。。) これは衣装やセットをロイヤルのものをそのまま使っているからで。。踊り手に合わせていちいち変えるわけにはいかないのでしょうねぇ。。。その分舞台装置はとてもゴージャスでしたから文句ばかりは言えないです。。。 舞台の雰囲気はどこかで観たような。。アダムの「危険な関係」の1幕の始めあたりのところに似た感じ。。というよりはアダム&レズがこの作品にインスパイアされたんだなぁと思いました。
アシュトンの作品を見るのはこれが初めてです。 物語を重視したクランコ~マクミランと雰囲気は似てるように思いますが、マクミランとは違った意味で振り付けがとても難しい感じがしました。。マクミランはリフトが難しい~けど、アシュトンはソロが複雑。。。な感じ。 息子のコーリアはボールをつきながら踊るという新体操のような振り付けで、かなりハードな役柄だし、ヴェラもかなり見せ場があるので、しっかりしたキャスティングが必要な感じです。 アルベルト・モンテッソ君、がんばってました。 白鳥の道化的な存在ですね。 小出さんのヴェラは可憐で真っ直ぐな恋心が伝わってきてとても良かったです。。 メイドの位置づけとの違いがちょっとわからなかったです。 題材の影響もあるかもしれませんが、この作品と比べるならば、マクミランの方が好きかな。
ところで、ここでもムッルかっこ良くて素敵でした~! 私だって子供の家庭教師にこんな素敵な人がやってきたら、子供を押しのけても恋に落ちてしまうかも。。。(子供いないけど) そっとナターリアのドレスのリボンに口づけして去っていくところは胸がきゅ~ん。。 ムッルってこんなに素敵だったかしら?? 2003年の公演でも見てるはずなのに、その時はまったく何も感じなかったわ。。 ちょっと濃いのでタイプでなかったからかな。。 7月のギエム&ムッルの「マノン」が楽しみ~♪