ぽれぽれ百綴り

犬好きおばさんのんびり雑記。

半年ぶりのお料理教室

2016-10-15 08:24:14 | 習いゴト・趣味
シロさんの闘病生活とその後の喪失感で、
月に一度を楽しみにしていたイタリア料理教室からも足が遠のいていました。

9月なかば、久しぶりに参加しました。


国土が南北に長いイタリアには20の州があり、
州によって地理も違えば気候も違い、経済格差も大きいです。
だから食文化もずいぶん違うわけです。

私が通う教室では、
先生が毎月ひとつの州を選び、
その州の家庭料理を中心にコースを組んで、
半分はデモンストレーション形式で教えてくださいます。

9月はロンバルディアでした。
州都はミラノ。
そう聞くと北のほうって想像つく方も多いのでは。
北のほうは経済が発展して豊かですが、
ロンバルディアには海がなく、
海のある州との交易もそれほどなかったので、
お魚を食べる文化があまりありません。
(現代はそうではないでしょうけれど、
伝統的な州の料理にはお魚料理はあまりないです。)

また、トマトやオリーブの栽培地北限より北にあるので、
生のトマトやオリーブオイルも使いません。
(くどいようですが、伝統的なお料理では、ですよ。)

でも経済的に豊かな州だから、
お肉、たまご、乳製品はたっぷり使います。
ワインやチーズの種類も豊富で品質がいい。

そうなんですよね。

このイタリア料理教室、
夏の終わりとともに、
だんだんとテーマとなる州が北上していく。

私は南の州のお料理、
例えばシチリアの、
「メインはお魚。
オリーブオイルとトマトをふんだんに使って。
デザートはたくさん採れるレモンで仕上げましょう」
っていうような軽い、フルーティなのが好み。

北のほうの州は、
「パスタにはたまごを練り込み、バターソースで。
お肉もバターでソテーして。
バターとたまごたっぷりの焼き菓子にクリームも添えて濃厚に」
というような、聞いてるだけで胃もたれするようなお料理が多い。

若い頃はそういうのもwelcomeだったんですけど、
こう、年齢的にね。

アイアンストマックと呼ばれた無敵の胃袋も、
人並みに歳をとってきたということですね。

だけど、美味しいものは美味しい!
しかも先生のアモーレ精神で量もたっぷりサービス。
いただくのはしっかり消化できる午後の時間帯だから、
感謝していただきましょう!
(相変わらず作る方より食べる方に重心のある私)

【今月のワイン】


お料理が重めだからか、スパークリングワインでした。


【アンティパスト:チーズと温野菜のサラダ】



色とりどりの野菜と鶏むね肉、角切りチーズ。
チーズは現地ではビットで作るのですが日本では手に入りにくい。
代わりにお隣のベネト州のアジアーゴを使いました。

「残ったら、翌日はパニーニで食べると美味しいですよ」
と先生のアドバイス。

こんなゴージャスで美味しいサラダ、
わが家で作ったら、ひとたまりもありません。

残るもんですか。


【プリモピアット:リコッタチーズとほうれん草のニョッキ】



このニョッキはマルファッティという名前。
その一語でロンバルディアではリコッタチーズとほうれん草のニョッキを指すそうです。

材料のゆでたほうれん草は、
ギュッギューっと親の仇を取るかのように固く固く絞ります。
それでもリコッタも入ってるから、柔らかくて成形がムツカシイ。


バターと生クリームのトマトソースで。

おおーう。
これはぱくぱく食べられます。
リコッタチーズとほうれん草の組み合わせは鉄板ですね。


【セコンドピアット:栗を巻いた豚肉のロースト】

栗をお肉で巻く!
メインで食べる!
イタリアって、栗とかぶどうとか、
おやつに単品で食べるようなものをおかずにすることも多いです。

今日いちばん、どんなお味か楽しみにしていたひと皿。

自宅でも作ろうと、
イタリア産冷凍むき栗を譲っていただきました。

作り方は…
ポロねぎとパンチェッタ(塩漬け豚ばら肉)、ゆでたむき栗を刻んでソテーして、
マルサラ酒、塩胡椒で味付けしてさまします。

豚肩ロースのかたまりは、開いてたたいて伸ばして塩胡椒。

ソテーしたものをこのお肉でぐるっと巻いてタコ糸で縛ります。

それをまたソテーして、白ワインを加え、アルコールをとばしたら、
お湯を加えて、余熱したオーブンで焼くこと50分。



焼きあがったらお肉はアルミホイルに包んで15分ほど休ませ、
その間に煮汁はバターを加えて煮詰め、塩胡椒で味を整えます。

切りわけてソースをかけ、サービス。





これは…


絶対、作らんな。

いただいたイタリア産の栗は、
申し訳ないけれど栗ごはんにしよう

期待のお味は、

めちゃくちゃ美味しかったです。

ほっぺたが落ちる、とかそんな表現をしたい。
他の生徒さんもそろって顔がほころんでいました。

さすがお金持ちの州のメイン料理だな。

でもお家では作らない。

むりむりむり、絶対むり。

ごめんね、シロクマ相方。
ごめんね、わざわざイタリアからやってきた栗たち。


【ドルチェ:かぼちゃとアマレッティのトルタ】



アマレッティというのは、
アーモンドプードルのメレンゲクッキー。
向こうではポピュラーなようで、
今回のようにお菓子の材料として砕いて使うこともあります。
トルタというのはケーキみたいな焼き菓子。
型に入れて焼きっぱなしのお菓子全般のこと…かな。

かぼちゃのお菓子ってシナモンを使うものが多いけれど、今回は使わず。
代わりにイタリア人の大好きなオレンジオイルで香りつけ。
イタリアのお酒、グラッパも入って、
いつものかぼちゃケーキよりちょっとだけ大人っぽく、洗練されてます。

たっぷりのクリームをぼってり添えるあたり、
出たな、北イタリア、
お金持ちの州の食文化、って感じ。

北のほうの方は長身で見目麗しい方が多い。
みなさん、お若いときはスリムなのに、
中高年ともなると、それはそれは恰幅が出てきます。

それはこの食文化にあるようで。


マネしちゃいけないよ、私!

モンゴロイドの私がそんなに太ったら、
成人病まっしぐらだよ!

今回も美味しいものをたらふくいただいき、
たくさんおしゃべりして楽しかった。

大満足のレッスンは、
お料理の腕の上達とは完全に無縁です。

美味しいものをいただくしあわせ。
おしゃべりを楽しむしあわせ。

月に一度なら。
できるだけ通おうと思います。


ご覧いただきありがとうございました。

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