…が発表されたとの報道。当然の如く、作品名も作家名も知らない。読んでもいないのに言うのも何だが、記事を読む限り、その作品が爆発的に売れたり社会的に大きな影響を与えるような事態になるとは考えにくい。
(芥川賞)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E9%BE%8D%E4%B9%8B%E4%BB%8B%E8%B3%9E
(直木賞)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B4%E6%9C%A8%E8%B3%9E
かつては、そうでもなかった。過去の受賞作、受賞作品を見ても、忘れ去られたものの方が多いとはいえ、今でも広く読まれているものも多いし、私の記憶に残っているものもいくつかある。
まあ、良くも悪くも平和で安定的な時代が長く続くと、本来であれば文芸に人生を賭けてもよかっただけの資質と力を持った人間たちの多くが、芥川賞やら直木賞やらを目指す代わりに、学者になったりテレビ局や広告代理店につとめたり、あるいはベンチャービジネスを起こしたりしているのだろう(もちろん、<本来>などありえないという考え方も可能)。
これは、社会にとっては別に悪いことではなく、むしろ喜ぶべきことなのだろう。
先日、ある自費出版の会社(素人の原稿を見て「本にしませんか」と言って、お金を出させて本を作るというビジネスモデル)の経営が立ちゆかなくなったというニュースを読んだ。衣食住が足り(すぎ)ている豊かな社会は、こういういわゆる「自己実現」(イヤな言葉)欲求を満たすことが目的となる、らしいのだが、実現されることを望む強烈な自己とか自我とかいうもの自体が存在し得なくなってしまえばどうなるのか。
***
「イタリアじゃ三十年のボルジア家の支配下で、いくさもテロも殺人も流血もあった。でも、奴らはミケランジェロ、ダ・ヴィンチ、そしてルネサンスを生み出した。スイスでは博愛と五百年間の平和と民主主義、それで奴らは何を生み出したんだ? 鳩時計さ」 (『第三の男』)
http://www.moviequotes.com/fullquote.cgi?qnum=57987
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