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本城未沙子が新曲を出していたので買って聴いたり、ぐしゃ人間を聴いて久々にインディー熱が上がって苺歌楽団聴いたり駄菓子菓子聴いたり、喜多村英梨の紋を聴いたり、相変わらずさよポニのナタリーだったり、森田童子聴いたりしてました。

更新は特にありません 

08/10 Red Lotus 「フロム・フロンティア Vol.1」
01/02 Musica Machina 「ワルシャワの幻想」
06/09 うちゅうひこうし 「Birth」
06/23 【このM3-2011春CDがすごい!】
09/17 オススメCD10選
10/21 飛練音響工業 「ネガティブオマージュ」

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このアカウントの詳しいことはsoundwingさんのこのページを参照していただけたらと。


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飛練音響工業 「ネガティブオマージュ」

飛練音響工業 「ネガティブオマージュ」
 イージーリスニング インストゥルメンタル 14曲収録

 音にこだわるコンセプチュアルな音響作品を制作されているサークル飛練音響工業のアルバム。 代表は響太さん。 2010年秋M3作。
 こちらのサークルさんの活動はちょっと私が説明するには複雑すぎるので、どうぞサイトのほうで確認いただけると良いかと思います。 メインは音楽作品かと思われますが、コンセプトごとにレーベルが分かれていたり、ドラマCDの取り扱いもあったりでサイトを眺めるだけでも楽しいので興味のある方はぜひ。 個人的にはサイトマップのページを中心に周ると周りやすいかなと思います。

 私がこちらのサークルさんを知ったきっかけはM3のカタログでした。 サイトに訪れた際には申し訳ないですがいまひとつピンとくるものがなくそのままページを閉じたのです。 この当時は物語系・幻想系にはまっていた頃でしたので特にこういった爽やかな音には引かれなかったのではないかなと思います。
 時は経ち、とあるイベントに参加した際少しだけ代表の響太さんとお話させていただく機会がありまして、その際に聴いた「月明かりの夜」という作品の得も言われぬ美しい空気感にみごと琴線をかき鳴らされてしましました。 その場ではなんとなく購入したいと言い出せず後のM3にて初めてCDを手にしたというエピソードも、どうでもいいですね。
 その後関西のイベントでお見かけしたり等々縁もありまして、いくつかの作品を聴かせてもらっていますが、そんな中で今回取り上げさせてもらう作品「ネガティブオマージュ」は、現時点で飛練音響工業作品一番のお気に入り作品です。

 こちらの作品はネガティブマスターさんとのコラボレーション作品となっています。 ネガティブマスターさんがコンセプトをまとめ音楽的な所を飛練音響工業さんが担当する感じなんでしょうか、もしかしたらコンセプトから一緒に煮詰めていっているのかもしれませんが、ちょっと手持ちの情報では判断つかないです。

 コンセプトはタイトル通りネガティブ感情というやつですね。 日々生きる中で大小思い起こされるネガティブな感情、誰にでも毎日何かしらこういうものを感じながら生活していることでしょう。 そんな中からプチネガティブとでもいいましょうか、小さなネガ感を秘めた男性のとある一日の感情の動きをゆったりとそれこそまさに日常的な雰囲気を残しつつ描いた作品です。

 音の傾向はサイトの方にイージーリスニングと合ったのでそういう感じですね、たぶん。 イージーリスニングというと歯医者なんかに行くとかかっている音楽という印象があるのですが、どちらかと言えば聴き入ってしまうと言うより心地よく耳を通り抜けていくような感覚の音楽でしょうか、もちろん聴き入っても楽しいものではあります。
 ピアノ曲を中心としつつ、穏やかで少し暗いような悲しいような、いかがわしいようなそんな質感を含んだ音が流れています。 私のようにあまり深く聴かないタイプにはピアノ曲の美しさに耳を奪われがちになりますが、少し意識して聴いてみると目の前にその曲ごとの情景が浮かぶような日常劇的展開、楽器選びがなされていることが分かったりしますのでその辺りも聴きどころですよ。
 曲タイトルを眺めるだけでも何となくどんなお話なのかを想像できるかとも思いますので、まずは特設ページをどうぞ。

 そしてジャケットですがこれがまた素敵なんです。 現在公式サイトにて公開されているジャケットと私が所持しているCDのものとは若干違っていたりするのですが、手持ちの方での話をします。
 うっすらとピンクがかった全体に金網フェンスの如く鋭い交差する白線、その奥にうなだれて背を合わせるのを避けたような構図で体育座りをする男女、その後ろ姿の上を覆うかのようにどでかく鋭いフォントで描かれる「ネガティブオマージュ」の文字。 かっこいい。
 このジャケットは作品を聴いてから改めて見直すと最初の印象とはだいぶ違ったように見えたりしました。 ちなみに私は最初ネガティブな感情に悩まされる人たちを格子の外から眺めて楽しむというような少しだけ意地の悪い印象をもちました。

 映画をみたり本を読んだりで自分を見つめ直し、少し気持ちが変わったりなんてことがあったりすると思うのですが、正にそういう感触というんでしょうか、それをこの作品から受けたのです。 このピンクさも曲タイトルも相まってこんな時にですら欲に飲まれる自分たちに対する自己嫌悪とかそういうネガティブ感の表現かなと思いました。
 聴いた感触では愉快な曲調であったり、美しかったりと娯楽としても楽しめるのですが、やはり少し後ろ暗い感情、劣等感、劣情、戻らない郷愁等々を表現された音楽をじっくりと聴くと自分の中のそういった感情とリンクし嫌な気分になることも。
 しかし、アルバムの最後に「一期一会」という、とても希望に満ちた曲が収録されています。 まるで今まで感じていたネガティブな気持ちを認め、それすらを一期一会のもとして受け入れ、後になってこんなことを感じていたんだなと誰かと語り笑い合える思い出に変えればいいじゃないかと肯定的に捉えることを促すような、いや自然とそう思わせるような温もりに満ちた曲でした。

 聴き終わると、何となくこっそりと落ち込んだ誰かを鑑賞し楽しむような印象の意地の悪そうだったあのジャケットが一挙反転、実はあそこでうなだれている誰かをそっと見守るような優しい視点になったように感じました。 うなだれる誰かをこれを聴くことで励ましてあげたいという優しい気持ちがこのジャケットにはこもっていたのです。 そしてあのいかがわしさを感じたピンクがかった色も実はこれはこの二人に幸せが降り注いでいるイメージだったのではないかと感じるようになりました。
 きっとこのジャケットの後には二人立ち上がり顔を向き合わせお互いがいかに小さなことに悩まされていたのかを確認しあい仲良くなって、キャッキャウフフな展開が待っているんじゃないかなと想像して、穏やかだったはずの自分の中の大きなダークサイドオブザムーンがちらついたりもしましたが、大丈夫僕にはさわちゃんがいる。

 色々と妄想しがいのあるジャケットではありますが、そのアクの強さもあってかパッと見では音楽的な部分はほとんど想像がつかないようにも感じます。 何気にジャケットだけで手に取るのは難しいような気も、あのジャケットで想像できる音は少々とっつきにくそうなイメージが浮かぶような…
 しかし、ご安心を! サークルスペースに立ち寄れば手にとって見ることもじっくりと試聴もできますので、午後の少し人もまばらになった頃に立ち寄ってパンフレットを眺めつつこの素敵なミュージックを試聴して過ごすのもオツなものかと思いますよ! 他人とコミュニケーションがまともに取れない自分にですら色々と話してくれた響太さんですから、普通に話せるあなたならYes!大丈夫!
 そうそう、あきばおーこくで前のバージョンのジャケットが確認できるので見ていただけたらなと思います。

 さて音楽の方は試聴なりを聴いてくださいと言うことで済ませますが、軽く気に入った曲の紹介だけでも。

 タイトルは何となく書いておきにくいのでサイトで確認して欲しいのですがtr.7とtr.8の組曲の素晴らしさの一端でも感じてもらえればなんてことでこの2曲の感想を。

 tr.7
 序盤の不安さを表現したような静かなピアノ、ゆったりとしたコードの上に一音一音はっきりかつ繊細に奏でられるピアノ、非常に美しいです。 中盤で少し逸る気持ちが出てきたのかリズミカルに刻まれるコードとメロディ。
 ここにはあそこは果たしてちゃんとした所に案内してくれるんだろうか、ぼったくられたりしないだろうかという色々な感情が複雑に絡み合ったような感触を受けます。
 そして1分半が過ぎた辺りからのゆったりとリズミカルに弾むピアノ、心は乱舞、早く目的の場へたどり着きたいとこれから待つ様々なスペクタクルを楽しみに浮き足立つさまが感じられます。 聴いているとこちらも何となくウキウキとしてしまいます。 この前半後半のギャップは私には経験がありませんので、想像だけですが非常に共感できました。

 tr.8
 さて序曲を終えての本番。 スウィングするドラムソロから始まり深くうねるベースと先程同様リズミカルなピアノによるお洒落なイントロ、そこにヴィブラフォンが加わると急にアダルティーな雰囲気へ。 この辺りの流れがほんとたまりません。 ギラつくネオンや色とりどりの看板が眼に浮かぶような序盤を経てドリーミーなシンセなのかストリングスなのか判断つかないのですが、そんな雰囲気の音と共に押さえ気味になった所からのフルート、サックスの入場。 主役だったヴィブラフォンはなりを潜めここからはサックス、フルートによる大人の時間といった趣。 ここでも遊びすぎずタイトにスウィンギーに刻み続けるドラムとピアノがまた心地良いんですよね。 そして来るサックス、フルートの差し合うようなバトル、強烈なテクニックをひけらかすのではなくどちらがより良いメロディを奏でられるかを競うような気持の良い音色。 そして楽しかった夢が覚めるように静かに終わってゆくエンディング。 最初から最後まで耳の離せない今作のキラーチューンってやつです。


 あと「小学校に戻りたい」という曲を窓から陽光差し込む電車に揺られながら聴いていたらちょっとやばかったです。

 ジャケットやテーマで聴かないなんてもったいない、最高に聴きごたえのあるネガティブイージーリスニング。 よろしければどうぞ。
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オススメCD10選

同人音楽同好会さんの記事公募用につらつらと書いていたものの結局締切に間に合わなかったのでこっちで公開!
締切ぶっちぎってでも頼み込もうかと思ったんですが、自己紹介300-500文字で力つきました。 CDより自己紹介のが文字数多いとかこんなの絶対おかしいよ。 まじそんなに紹介するような自己ないっす。
175文字以内という制限の中で自分としてはいい感じに作れたような気がするんですけどどうでしょう。
※数字は管理上振っただけで順位とかではありません。

1.飛練音響工業「ネガティブオマージュ」
http://hiaudio.ame-zaiku.com/
飛練音響工業の企画する小さなネガティブ感情コラボアルバム。
ある男のとある休日を切り取ったかのようなアルバム構成で誰もがふと感じたことのあるネガ感を美麗かつ繊細な音使いで綴る。
楽器選びがとても上手く、インスト作品ながら映像が浮かんでくる傑作です。
特に「案内所」「風俗店」の流れは今作のさわり!みんな聴こう!

2.Colors「しずくの詩」
http://www.kazenonedou.com/colors.html
「水のある風景」をテーマに製作された作品。
タイトルから勝手にアンビエントな世界観のCDかと思っていたのですが大間違い、海辺に佇むような誰かから雨の中を走る車、果ては地球までと参加メバーそれぞれの感性を遺憾なく発揮し水のある風景を表現している良質なコンセプトアルバム。

3.放課後ハイボール「Early Times」
http://rainyheart.info/hhb/index.html
出会いはサークル名。言い方は悪いですが完全にしてやられました。
カホンとピアノによる瀟洒なジャズテイストミュージック。 どこかプリミティブな魅力を感じるカホンの響きと鮮烈にかつスリリングに展開していくピアノがたまらない。
サークル名に通りお酒のある空間に似合いそうな曲です。
ヘッドホンで聴くのをオススメします。

4.烏丸東入ル「けいおん!!のBGMをクラシックギターでいろいろ弾いてみた。」
http://d.hatena.ne.jp/theology/
ニコニコでも活躍されている方のアレンジ作。
このアニメの劇伴を選んだ所に魅力を感じます。
そうそう歌物だけでなく劇伴もいいんですよ。
地中海を流れる爽やかな風の様なアコギの心地良い音色で奏でられる曲達を聴くとあのシーンやこのシーンが頭のから鮮やかに溢れ出します。
映画が楽しみですね。

5.むせのーと「Τιτανομαχία」
http://musenote.blog10.fc2.com/
あの名作ヘラクレスの栄光シリーズのアレンジ作。
この作品が作られていた頃にちょうどk-on!が流行っていたからかと思われますが、ちょっとしたパロ要素の入った曲もあったりで両方のファンとしては二度美味しい作品でした。
「闘人魔境伝メドレー」を聴くと"てつのいのしし"の思い出が蘇ります。

6.Pianos DauGe「屋上伍線」
http://pianosdauge.org/
高校三年生の生活をコンセプトに据えたアルバム。
どの曲もノスタルジーくすぐられるものばかりなのですが、中でも強烈なのは「体育祭は雨」
この曲の甘酸っぱさ切なさこそ正に青春ってやつですね。
ほんと女子高生はかわいい。
自分にはこんな青春はなかったからこそ郷愁だけでなく憧れや幻想を感じられる名作。

7.オレオレウサギ「Wander in Wonderland」
http://oreoreusagi.web.fc2.com/
シュールな日記が印象的なぎゃぷいちさん率いる
オレオレウサギの1stシングル。
知っている人にとっては豪華メンバーの参加も聴きどころではありますが、この作品でぎゃぷいちさんが描いたどこか絶望感を纏った不思議な国のアリスの世界とそれを彩る珠玉の楽曲は2曲ながら強烈な印象を残してくれます。
このコンセプトをアルバムで体感したい。

8.六弦アリス「原宿ロリヰタキネマ」
http://www.rokugen.net/
同人ゴシック系を好む方なら知らない人はいないであろう
サークルさんです。
ロリータちゃんがどういう努力をしてロリータちゃんでいるのかを少し感じられるアルバム。
今作の格別の聴きどころは「Gothic Lolita Replica」
激しく美しく儚い、今までの六弦アリスを全て濃縮したかのような名曲。

9.えくすとりーむ☆どーじん「えくすとりーむ☆どーじん」
http://dyinglife.sakura.ne.jp/extream/top.html
DyingLifeのレグルスさん主宰の同人エクストリーム
ミュージックコンピレーションアルバム。
参加メンバーは知る人ぞ知る方々。
さすが同人音楽、見渡せばこれだけの強烈なメンバーが居るんだなと再確認させてもらいました。
元々メインストリームからは離れた所にある同人音楽のさらに異端的な世界がここに。

10.THURA*POP「こすもらじお -いつかだれかがうたったうた-」
http://thurapop.com/
タイトルからして色々と妄想を掻き立てられます。
どこかでみた「懐かしい未来」なんて言葉がふと思いだされます。
アルバム全体に流れるどことなく懐かしい空気、曲ひとつひとつがどこかの誰かの日常のように感
じられそれをのぞき見るというか、眺めるような心地良い距離感がたまりません。
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【このM3-2011春CDがすごい!】

soundwingさんの管理するotokei_kansou企画に便乗!
 並びは順位とかではないです。



ホームラウンド「そこはかとなく」

 「日常=ファンタジー」「妄想×現実」をテーマに音楽活動をされているホームラウンドさんの2曲入りシングル。
 「消えたパイロット/ロマンのかけら」で聴いたちょいセンチメンタルでノスタルジックな作風に惹かれ聴き続けているサークルさん。 今回の表題曲はかなりヘヴィな音、そして歌詞がまた攻撃的でルサンチマン的というのか、強い言葉がまくし立てるように次々に吐き出される様がまた凄まじいのですよ。 更に少し身につまされるような内容でもあったりで…そしてラストの歌詞はどっちに向けられたものなんでしょうか気になる。
 ボーカルもこの曲の雰囲気合わせて抑揚少なめで歌いつつ、サビで感情を爆発させるスタイルを取り入れておりまして竹松さんの優しく包みこむような心地良い歌声のさらなる魅力を見出すことが出来てしまうのです。
 以前のアルバムでも少しばかしは陰の気がこもった空気というのは感じられたのですが、それがまた強く出てきた感じです。
 しかし、そんな重い世界観の中においてもホームラウンドさんの聴きやすいメロディーは健在なので歌詞の強烈さにあてられつつも楽しめてしまえる不思議。 そしてカップリングの「手紙」という曲は短めな曲なのですがセンチでノスタルジーという私が好んでいる部分が聴けるわけでして、歌詞も繋がりがあるというか別視点で同じ世界を見ているような感じがしますね。 救いらしい救いは無くほろ苦いエンディングのようには感じますが、そのほろ苦さが「そこはかとなく」でガツンとやられた気分を落ち着かせてくれ、もう1周いっちゃいますかーとなってしまうのですよ。 

 この曲を聴いたことで聴きたくなったホームラウンドさんの曲。
「消えたパイロット」
 こちらはポップでピコピコした明るい曲です。 シンプルですが力強く跳ねるリズム、気持ちの良いところでシャララーンと鳴るギター、曲の世界を広げてくれるようなコーラスやシンセワーク、何度聴いてもたまらなく心地良い。
 解釈が間違っていたらアレですが、歌詞も音の味わいが今回のシングルとは真逆に近い物を感じますね。 しかし、向いている方向性は同じようにも感じるような。
 個人的にはやっぱり何であってもハッピー感が残る方が好きなので、誰かに聴かせるとしたらこちらを推してしますかねぇ。

・現在こちらの作品はイベント限定頒布とのことでイベントに足を運ぶ以外では聴くことは出来ないようです。



アテアの仔等 - Children of Atea -「史上のネィコス」

 アテアさん率いる物語音楽プロジェクトアテアの仔等さんの4thアルバム。 制作が発表されてから幾度かの延期を重ねた後2011春M3にて頒布開始。
 色々と事情が重なっての延期とはいえ、やはり待つ身としては長かった。 もちろんその延期を埋める為にシングル盤1枚、過去作から数曲チョイスされたリマスター音源を収録した「ごめんなさいCD」の頒布をしてくれていたのですが、やはり物語音楽はアルバムサイズで聴きたいものですよね。
 そんなこんなでついにリリースされた本作品、何と12曲入りの大ボリューム。 新曲オンリーというわけではないのですが絶版となってしまった1stアルバム「創世のフィリア」がまるまる全部リマスター+新要素の追加された上で収録されているというこれからアテアの仔等に触れる方にとってはうれしいものとなっています。 もちろんただボートラとして収録されたようなものではなく、物語的にも二つの作品がからみ合って紡がれているようです。
 そして個人的な聴きどころは音の質感です。 「ごめんなさいCD」では低音が少し強くヘッドホンで聴くとボーカルが聞き取りにくいかなと感じたのですが、今作では全体のバランスが良くなり、歌声の処理もより生々しさを感じられるようになっていまして、ボーカルさんの良さを更に感じられるようになっていたり。 曲によってはバンドサウンドが前に出てきたことで音の迫力が増していたり重厚な空気感が出ていたりと全曲が強力にパワーアップし、前から聴いていたファンにとっても新鮮に楽しめるようになっています。
 個人的にかなりグッときた曲は「至高の賢帝 -Idora-」音がヘヴィかつギターソロパートの追加で劇的にかっこ良くなっているんですよ。 諸々の追加によって削られた部分もあり、気分によって過去バージョンを聴く楽しみも残されていたりと美味しすぎる。

 この作品に触れて聴きたくなった曲。
「年老いた赦罪状売り ‐最果ての大壁‐」
 物語音楽はアルバムで聴いてこそですよね。なんて言った上で1曲を選ぶというのがまた難しいわけです。 アルバム単位であれば「箱庭のエデン」が聴きたくなりました。 このアルバムは全体的に重厚な雰囲気が流れているように感じるので、今のこういう音の感じで聴けたら更に面白くなるだろうなぁと思う曲が沢山収録されているんですよね。
 その中でも特に好きな曲がこの「年老いた赦罪状売り ‐最果ての大壁‐」です。 ストリングス+チェンバロ+バンドサウンドな疾走曲と無条件に好き者を虜にする要素が満載した素敵な曲なんです。 しかしですよ、少しばかしなんですがギターの音が小さめだったりするもので、もちろん初めて聴いた際には一切物足りなさなぞ感じることはなく楽しく聴いていたわけですが、今のこの刺激的な音を聴いてしまうと少しばかしの物足りなさを感じるようになってしまったのですよ。
 不満っぽく言ってはいますが実際のところ良曲に変わりはなく今でも同じ気持ちで楽しめるわけですので、今の音になったらどうなるんだろうかと妄想を重ねつつ聴くという新たな楽しみが増えたと喜んでいるのです。

 委託はされていない様子ですね。 自家通販でも表示されていないような。



こくまろみるく「海神-WADATUMI-」

 海神と書いてうみんちゅーと…は読まないですね。 わだつみです、関係ないですけど「きけ、わだつみの声」なんて映画があったような。
 快楽音楽堂でのかっこいいヘヴィメタルとは打って変わってな、アヴァンギャルドでエログロナンセンスホラーメルヘン等々様々なアングラ要素を詰め込んじゃないましたってなハイブリッドな音楽を聴かせてくれるこくまろみるくのシングルCD。

 表題曲は前作「月蝕」と同路線の展開しまくるカオスな曲。 いつも通りどこか異質ささえ感じさせる変幻自在なうずさんの驚異のボーカルが冴え渡っております。
 そしてドラマチックなんて言葉が霞むほどに展開しまくる様子には、もうよく聴いても聴き流しても訳がわからないまま置いてきぼりにされかかったりします。 なまじ断片的になにかしら分かってしまうからこそ、「あっちょっと今なんて言ったの、あれもう次行っちゃうの?えっえっ」とばかりに振り回され楽しみ方が分からなくなるという難しさ。 この手の音楽は外国語で歌っていれば単純にめちゃくちゃに展開していくところや音の面白さだけに集中できるので逆に楽しめちゃうってことを実感しました。 そしてこの曲を自分なりに理解するために、これからも更に聴き続けねばならないという無限地獄。 でもでも、苦痛じゃないってことは地獄じゃないのかしらね。 皆々様も一緒に落ちれば良いと思います。 仲良くしましょうよ、ウッフッフ。
 
 そして個人的に注目は2曲目。 始まった瞬間は以前の作品に収録されていた「PIPIPI」のような電波曲かと思いきや、これは更に、アタイいっぺん熊とレスリングしたことあんのよ、なんて文章がふと思い出されるような、メタルコア+エレクトロニカの混合というテイスト、更にはいわまさんの潰したゲロゲロデスボイスも聴けっちゃったりする美味しい一曲だったりなんかします。
 たいえきってあれね唾液、少女のヨダレとか変態ドMにはたぶんご褒美。けいけちゅってあれね鶏血石。 お料理途中で石の破片とかツバが入っちゃうお兄ちゃん大好き妹系どじっこデレデレ少女がおいしい料理をふるまってくれる歌ですね。 都合のいいところしか聴きません。
 ラス曲は「戯曲への前奏曲」というタイトルからして次のアルバムに繋がる曲だったりするのかしらなんて妄想をしつつまた1曲目を流す毎日。

 ごちゃごちゃ書きましたが、実際普通に良い曲ばかりなので一度ご賞味ください。

 合わせて聴きたい曲は
「純愛ノススメ」
 殺し愛なんて良く分からない言葉もあるらしく、まさにそういうテイストな1曲。 愛しのダーリンを奪う泥棒猫とダーリンを取り合うほのぼのラブソングとも言えなくはないです。
 前にも同じようなことを書いた気がしますが、超純粋な純愛ってこういう所に行き着いてしまうんじゃないかなんて思うのです。 以前聴いたとあるラブソングでも、快楽を超えた愛を表現するため脳や目玉が食べたいみたいなものもありましたし。
 影響受けやすい方は聴くと色々歪むのかもしれないで注意!

 委託は予定はあるらしいですが、現時点ではされていないのでしょうか。 



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うちゅうひこうし 「Birth」

うちゅうひこうし 「Birth」
 オリジナル、ボーカル曲1曲収録。 バラード。

 現在は完売しているそうです。

 MiddleIslandさんの「FrizzellWeisen」にボーカルとして参加していた坂本千明さんの個人サークルうちゅうひこうしの1stCDとのこと。
 初頒布は2010秋M3だそうですが、私は2010の冬コミで手に入れました。 出会いはtwitterで知り合った作品の公式ページも兼ねているSpeeeeed!!の管理人マブさんがその公式ページを担当されたことがきっかけでした。 しかし、スペースに立ち寄った際話だけしてそのままスルーしかけたりする、そんな思い出も。 あの時は「買わないの?」とか一言言ってくれればよかったのにと思ったり思わなかったりしたわけですども、無事手に入れていないことを思い出しゲットできて良かった。
 だいたいのことは寝ると忘れる便利な頭なんです。 恨み辛みとかは十数年たっても覚えてますけどね。

 マブさんの感想と公式ページさえ読めば欲しいであろう情報や魅力のほとんどは見えてくるかと思います。
 ちなみに坂本さん自らが運営やコンスタントに更新に関わっているような公式サイトは今も無いようですが、坂本さんご本人はtwitterをやっているらしいというような話は見かけたことがあるような気がします。 直接見かけたわけではないので気のせいだったらすみません。

 作編曲は七誌さん、私はよく知らない方ですがオリジナルや東方アレンジ、他サークルさんへの提供等々精力的に活動されているようです。 ミックス・マスタリングにはMiddleIslandの中島岬さん。 作詞は坂本千明さん本人がされているようです。 力強いストレートな言葉で綴った未練たっぷり失恋ソングという感じでしょうか、自分は苦手なタイプの歌詞ですが好きな方ははまるのではないかなぁと思います。 たぶんきっとおそらく。
 MiddleIslandさんのCDで歌った『moon』という曲のその後を歌った歌詞のようでもあるような、関連がなかったとしてもこの曲から続けて聴くとまた少し違ったように聴こえるかも。

 ジャケットは一部の壁に鏡が貼られ、扉には鎖が掛けられたどこぞの黒い密室らしき場所で、綿のはみ出したお人形さんを傍らにおいて少し気崩れたゴスロリ風の衣装に身を包んだ金髪美少女が上半身をそらせてペタン座りをして挑発的な視線を向けるという一部の方にとってご褒美的な絵、この作品の歌詞での愛憎詰まった思いに囚われてしまった女心的なモノが表現されているのかもしれませんね。

 たった一人の誰かに振り向いてもらうために精一杯着飾り作り上げた美しさ、でも見せたかった相手はすでに自分から離れてしまった。 そんな行き場を無くした想いが暴走、人形さんを切り裂き、部屋に鎖を掛け、いつしかその想いが向くべき所すらも忘れてしまい、偶然迷いこんでしまった僕らに熱視線を向けているとかそんな陳腐な妄想をしてしまいますね。 きっと心を許したら色々あってDEAD END、突っぱねてもDEAD ENDっぽいです。 きっと入った時点で負けなんでしょう。
 余談ですけど個人的にですが正直このジャケで予想しちゃう音楽性って蟻プロジェクトのようなギラギラキラキラリストから血がタラーりなゴシック的なロックやポップスだったりするのですが、皆さんはいかがでしょ。

 七誌さんの作られた曲の方はといいますと、MiddleIslandを彷彿とさせんばかりの哀愁のピアノとストリングスが効いたバラード、情念的でドロリとした味わいの歌詞と相まって濃ゆい世界観を作っているような気がします。
 のっけからの悲哀に満ち満ちたピアノイントロからして引きこまれます。 一瞬の暗転後コードを刻むピアノと共に入るビブラートの効いたストリングスイントロだけでまたドラマが秘められているようなそんな気がしてきます。 イントロの雰囲気そのままに入るエモーショナルな坂本さんのボーカル、ちょいかすれ気味な歌い終わりも悲しみに満ちた感じでよく合っているのではないかと思います。 『moon』では割合ストレートなボーカル表現が主だったように感じていたので、さらなる幅を広げたのか元からある引き出しなのか分かりませんが魅力倍増ですね。
 そんな悲痛な歌声と共に静かな展開をみせる序盤、2分25秒辺りからのエレキギター、ベース、ドラムが参加するとこれまた序盤の雰囲気とは少しだけ変えたように見せかけるのですが実際悲痛さや悲哀はまったく目減りせず、むしろその少しの賑わいが坂本さんの情感豊かな歌声をより引き立てているような気がします。
 その後には短めですが泣き泣きのギターソロが入り悶えさせられてみたりしつつ、イントロに帰結していくような私好みの様式美テイスト溢れる素敵なアウトロをもってこの曲は締められるわけです。
 しかし、この曲のタイトル「Birth」ってのは何が生まれたんでしょうか、読解力のない私にはこの辺りさっぱりでして… 失ったことでさらに強い想いが生まれたとかそんな感じなんでしょうか。
 さすがにこういうドロドロな歌詞ばかりは個人的に苦手なもので、もっと幸せいっぱいな歌詞も入るといいなぁなんて思いつつフルアルバムを期待しています。

 すでに手に入れることは難しいのかもしれませんが、機会があればぜひ坂本さんの歌声に触れてみてください。
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