野々池周辺散策

野々池貯水池周辺をウォーキングしながら気がついた事や思い出した事柄をメモします。

2サイクル燃料噴射エンジンが登場する。

2017-03-17 06:20:03 | 二輪事業
16日のMotocrossActionネット誌は「RUMORS ARE TRUE! KTM ANNOUNCES TWO-STROKE FUEL INJECTION MODELS」を報道している。KTM社が2018年モデルエンデューロ車に2サイクル燃料噴射付エンジンを供給すると発表した。数年前から、このプロジェクトは噂と知られていたらしいが、本当に市場に出てくるとあったので興味がわいた。
   「KTM」
世界のオフロード市場の最前線で活躍するKTMが開発した、2サイクル燃料噴射エンジンは燃料消費量の減少と燃料とオイルの給油を分離した機構を備えていると解説されている。KTMによると、インジェクションボディ形態は4ストエンジンMXに採用されているものと異なり、また船外機やスノーモビルに適用されている燃焼室への直噴とも異なる。KTMはそのシステムを「Transfer Port Injection」と呼んでいる(KTMのポンチ絵をみると、掃気孔に噴射していようにも見える)。従来の気化器構造に比べ、燃料噴射機構を採用すると、車体構造の最適値まで見直すことができるだけに、来年に登場するとされるKTMのオフロード車がどんな構造・性能を発揮するか、来年のマガジン評価を楽しみにしている。

KTMは欧州オーストリアの二輪企業だが、ここ数年、世界最高峰モトクロスレースである、世界モトクロス選手権や米国のスーパークロスレースでチャンピオンを獲得しつづけている、名実ともに世界のオフロード市場の頂点に立つ名門企業。しかもUSKTM「Orange Brigade」の草の根活動は、米国のアマチュアモトクロスユーザーを支援しつつ、更に戦闘力のある多くのミニバイクを開発提供しながら米国のオフロード市場においても絶対的な信頼性を構築してきた。更に言えば、ここ数年の本格的モトクロッサー450、250クラスの量産車分野においても、雑誌評価(Motocross Action 、Cycle News)によると日本車を完全に凌駕しており、常に最上位の評価を獲得し続けている。その名実とも世界トップに君臨するKTMが発表した「2サイクルエンジン」に興味は尽きない。

ところで、全日本選手権レースでのKTMは、日本車に比べ伸び悩みだが、見る人が見るとこうも違うものかと思い出した。去る2013年3月、「マウンテンライダーズ設立50周年」時に配付された、主役の吉村太一さんが書いた「モトクロッサー開発よもやま話」にある。「日本製モトクロッサーが最初から優秀だったのではなく、積み重ねがあり現在の地位がある。しかし、今またヨーロッパからKTMなどの逆襲が始まっている。今後のモトクロッサーがどうなっていくのか、私は興味が尽きない」と締めくくっている。これにはビックリ! 全日本や世界のモトクロス市場の中心で活躍しながら市場末端の推移を肌に感じ見てきた本人から、今、脅威に感じる二輪企業として「KTM」の名を聞くとは思いもしなかったのだ。また同会場で、かってカワサキモトクロスチームの主力ライダーで、ホンダで全日本チャンピオンとなった、福本敏夫さんと四方山話をした際、彼が言うに、今、日本のオフロード市場ではKTMが台頭しつつあるとの事。このままにしておくと、日本市場がKTMに置換してしまう恐れがあり、取って替わられる前になにか検討しておくべきではないかと聞かされていた。この日、偶然にも日本のオフロード市場を観察している二人の著名人から、KTM恐るべしと聞かされていた。当時、この話を日本のオフロード開発のとある担当者らしきにすると、「KTM恐れるにあらず、打倒KTMを開発して何ぼになる」という意見を聞かされがっくりしたが、しかし日本企業が世界に打って出た黎明期、当時の欧州企業が正にそうだったのだ。そして今や、世界のオフロード市場を牽引しているのは、間違いなく欧州で、日本車では既にない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 勝負は最後までわからん | トップ | 庭のヒマラヤユキノシタ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

二輪事業」カテゴリの最新記事