野々池周辺散策

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2017、鈴鹿8耐はヤマハワークスの圧勝

2017-07-31 09:39:34 | モータースポーツ
鈴鹿8耐を、パソコンでライブタイミングを、BS12で実況放送を見ながら一日中観戦した。
テレビは一番面だけの放送だが、ライブのラップタイムとコメント欄での実況が実に面白いのだ。レース現場にいても、結局、レース展開が実質分かるのはライブタイム表示だから、これに観客の主観が手短に加わると、レース推移状況良くわかる。また、8耐本番前のほぼ2,3週間前から、ホンダもヤマハ、そしてスズキも8耐のスペシャルサイト、ヤマハレース情報ホンダモータースポーツスズキ8耐を開設し、付随してFBにも次々と情報が流れるので各社の動きは自然に理解でき、我々在野の8耐ファンにとっては非常に楽しめた(カワサキの8耐情報はHP上に探すことができずじまい)。それにしても、年は幾つになっても鈴鹿8耐レースとアメリカのスーパークロスレースだけは格段に面白い。

事前走行終了時点での印象は、今年もヤマハワークスは早いと言う印象はあるも、昨年のヤマハのような飛び抜けて早いとは感じられず、どちらかと言えば混戦状態で始まると推測していた。特に、ヤマハワークスは中須賀選手が全日本で不可解な転倒が続いたので、何か問題抱え込みかと不安視していた。しかし、8耐ウィークになって、各チームの動き、特にトップ10トライヤルをテレビ画面で見ると、今年もヤマハワークスが一番で、次いでヨシムラ、次ぎにホンダ系のムサシハルクプロと続き、後はホンダ系のTSRとカワサキチームグリーンが並ぶという感じに見えた。つまり、ヤマハワークスに対抗できるチームは唯一ヨシムラかとさえ思えるほど、トップ10でのヨシムラマシンは路面に吸いついて走行している感じに見えた(最終的にFが滑って転倒したもののそう見えた)。

ところが、そのヨシムラがスタート2周目に転倒した。これでヨシムラの優勝はなくなった。スタート序盤は#634ムサシ、#21ヤマハワークス、#11カワサキチームグリーンと続くが、ずるずるとカワサキチームグリーンは離され、♯21と#634の戦いがしばらく続くも、#21ヤマハが独走態勢を築く。ところが、今年も#634ムサシは転倒、マシントラブル、後輪のパンクが続き優勝争いから脱落する。同じく、ホンダ系のTSRチームにもマシントラブル発生で、とどのつまりが残り1時間を切った6時35分頃、2位走行中にアンダーカウルから出火。ライダーは気付かずそのまま走行するもオレンジボールフラッグが出てピットインさせられ、その間に3位走行の11カワサキが2位に浮上した。TSRの情報では、おそらくタイヤカスがアンダーカウルのオイル溜めに積み重なり、それがマフラーの熱で発火したと思われるとあった。タイヤカスがアンダーカウルに溜まるのは8耐ではよくあることだが、まさかそれが発火したという事例は初めてで、失敗事例集案件だが、何処までもついていないホンダ#5TSRチーム。

8耐も終わってしまえば、初めから終わりまで#21ヤマハワークスの圧勝だった。最終ライダーを務めたヤマハワークスのA・ローズ選手の慎重な走りは最後まで手を抜くこともなく、周遅れ寸前の#5や#11を周遅れにすることもなく、無事これ名馬の走行に徹し優勝した。
  「Cycle News」


それにしても、今年もホンダセミワークス勢は、一昨年、昨年に続き転倒やマシントラブル発生と最悪の結果となった。例えば、昨年もヤマハワークスに徐々に引き離されながらも50秒差で踏みとどまり唯一食らいつき、2位走行中の#634は75周目にヘアピンを立ち上がったところでマシントラブルが発生しリタイアした。マシンから白煙があがり、ライダーのニッキー・ヘイデンの困惑した表情がTV画面にでた。#634チームは2015年もMotoGpチャンピオンだったケーシー・ストーナーがスロットル固着と言うマシントラトラブルでの転倒リタイア事例があり、HRC直系のマシンがまさかの3年続きのマシントラブルとは、世界の二輪レースを実質牽引していると自負しているホンダHRCにとっては、正に屈辱以上の何物でもないはずだろう。

今年(2017年)ホンダのモータースポーツ活動計画の記者会見ライブで、「ホンダは勝ちに拘る」とか「鈴鹿8耐では2年続けての惨敗だった」と何度も語ったわりには、勝ちに拘った具体的な対策・体制も構築せず、今年は鈴鹿8耐40周年の記念の年なので必勝を期したいと言う言質についても、ホンダの現計画でヤマハワークスに勝てるのかの記者質問についても苦笑いするのみで、大いに失望した。結局、昨年の屈辱から打倒ヤマハを目指してきたはずのホンダは3年続きの自滅と言う形での返り討ちにあった。

2017年の鈴鹿8耐も、ただただヤマハワークスチームが強くて速いという印象のみが残った。ヤマハワークスを脅かすチームが全く無く、上位チームの転倒やマシントラブルだけが目立ち、今年のホンダは有力チームに相当な技術支援をしたと聞く割には結果は惨敗で、これがかっての鈴鹿8耐の覇者だったホンダの今の姿と思うと極めて残念で、その点では面白味に欠けるレースだったというのが個人的な印象だ。一方、ヤマハは鈴鹿8耐に向けて3年続けて、唯一ワークスチームを構成し圧倒的な強さで優勝した。他チームがマシンのセットアップに苦戦している中で、今年もヤマハワークスの実力は群を抜いており、万が一のアクシデントでもない限り、今年もヤマハの圧勝は固いと幾多の報道にあったが、その通りとなった。ワークス参戦のない前の8耐は、ホンダ系のセミワークスチームのムサシハルクプロやTSRチームそしてヨシムラの優勝が続く年度もあったが、2015年からのワークスチームの鈴鹿8耐再登場により、それまでワークス不在の中では機能していた有力販社チームや有力プライベータもワークス相手では全く歯が立たず、その差はあまりにも歴然としていることが、テレビ桟敷の観客にも手に取るようにはっきりと分かった。ただ一つ気になったことと言えば、ヤマハワークスチームのバックアップ体制がうまく機能していなかったことだ。ヤマハの#7がその任を担うのかと思われたが、ワークスとは少しレベル差がありすぎた。8耐に勝つには、勝つための確率を高めることだ。仮にヤマハワークスが周遅れに巻き込まれ接触転倒したらどうなるのか、その事例が全日本でも発生していただけに、バックアップ体制の再構築が必要ではなかろうかと思えた。

少し長くなったが、日本のモータースポーツ界の頂点に位置するビッグイベント鈴鹿8耐は、多くの二輪企業にとっても参加すべき価値は十二分にある。そして、閉塞した日本の二輪業界をもっと明るく照らす指標になるに十分な価値があると思うし、一歩前に進むべきだと思う。レース好きな人達が単に参加しているだけという声を聞かぬでもなかったが、鈴鹿8耐はそんな低次元の話ではない。二輪文化の頂点にあるモータースポーツが輝かない限り、日本の二輪文化は拡散することはない。そこに世界最高レベルの二輪レースがあるから、そこの頂点に立つことを単純に目指す。そこで勝つことが技術屋の頂点の一つとすれば、勝負に掛けたい強い意志のある開発陣も当然いるはず。8耐の楽しみ方は色々で、日本の二輪モータースポーツの頂点で覇を争う事や、逆にもっと大衆化する楽しみ方もあって、夫々だと思うが、技術屋としてみると、日本の頂点レースで一番メダルを獲得する方が断然面白いと思う。何の商品であれ、開発とは競争相手に如何にして勝つかであろう。ところが、その競争が最も如実に勝ち負けを具現化したレースとなると、拒絶したがる開発陣が二輪に多くなったようだと聞くと、些か寂しくなるが、鈴鹿8耐は、スプリントタイムで8時間を競争相手より如何に早くゴールさせるかの競争だ。その戦いは、考え方によっては非常に奥が深い。ヤマハのレース戦略は、レースは二輪のマシン開発上において必須事項であると公言しているので、当面、ヤマハの時代が続くだろう。
 
レースが終わって、2位走行中にアンダーカウルから出火し残念ながら3位となった#5TSRの藤井社長のコメントが出ている。「TSRだけではなく、ホンダだけではなく、一緒になってやんないと勝てない。勝つまでは諦めない」とあった。8耐は敵失で偶然勝つこともあるが、結局企業の総合力の勝負だと思う。この数年のヤマハ(発)のレースへの考え方を見るとつくづくそう思う。ところで、鈴鹿8耐をライダーはどう捉えているのか、世界スーパーバイクチャンピオンのカルロス・チェカが数年前に上手い表現をしている。カルロス・チェカと言えば、2008年には清成龍一と組んで鈴鹿8耐を優勝した経験をもつ優秀なライダーだ。
C.チェカが鈴鹿8耐を語る『特殊なレース、特殊な興奮…』鈴鹿はチームが勝つ
「鈴鹿8耐で勝ったのは大満足でしたね。」とチェカ選手が言う。
「あのレースではね、あらゆる事が起きるもんだから。その前の年、僕は2位になって、それから2008年に優勝…スペイン人としては初の快挙でしたね。 勝ったってことだけじゃなく…レース に対する特殊な感動って言うか…僕のキャリアの中では一、二を争うような興奮でしたね。」

 何がそんなに特殊なのですか?
「キツいんですよ…まるで4レース交替でやってるようなもんでね(1レース毎に交替)…うだるような暑さに、よく雨も降るし、参戦チームらを見てもリズムが最高潮に達していてね。 とにかく本当に特殊なレースなんですよ。」 

 スーパーバイクとの大きな違いは?
「リズム面でも、ボックス内にいる人間についても、チーム内でもの凄く良く働くんですよ。 全員がレースに参加してるんだよね。チームメイトとは一心同体になって息を合わせ、理解していかなければならない。基本なんですよ。 勝っても負けても、前にもましてチーム一丸って感じでね。」

翻って、7月24日の日本語版「ブルームバーグ」に「ハーレーダビッドソンに黄信号、ブランド力低下やバイク人口減少響く、心配なのはバイク人口の減少」とあった。これによると、「18日に公表された統計によると、米国の大型バイク登録件数は2017年上半期に7%近く減少した。ハーレーは売上高予想を下方修正し、工場労働者の解雇計画を明らかにした。大型バイク市場で顧客基盤の大部分を占めるベビーブーマー世代が、老人ホームに入居する年齢に近づいていることから、メーカー各社はより小型のバイクで若年ライダーにアピールしている」。国内の二輪市場の将来には既に暗雲が立ち込めているが、世界の二輪市場半分の市場を有し、大型二輪は米国を抑えればOKと言う時代も変貌しつつあるようだ。さて、二輪各社の取組を注視してみようと思っている。
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