くそう、やっぱり泣かされた…
準備してたけど(^_^;) この内容+やまだくんではもう私の涙腺は持ちこたえられんだろうとは思ってました。
この話で感じるものは大きくは2つあって、一つは社会的差別と、もう一つは自分の血、つまりは家族というもの。
兄、剛志の犯した罪により常に差別を受け、居場所を追われる弟、直貴。
どんなに努力しても、隠しても、幸せをつかみかけるたびに奪い去られる。
それでも、変わらず直貴を受け止めてくれる人もいる。親友、女友達。仕事で知り合った人々。
「人が差別をするのは、自己防衛本能のようなもの」
「差別の無い場所を探すんじゃない。君はここで生きていくんだ」
直貴がようやく務めた会社の会長の言葉が胸に沁みます。
また、それにも増して私は、
「今の君の苦しみをひっくるめて、君の兄さんの犯した罪なんだ」
というセリフに、ずんときました。
直貴の苦しみは延々と続く果てしないものだけど、弟の為に誤って人を殺し、その弟の手紙だけが生きる糧である兄、剛志は、さらに弟が苦しみ続けていることを罪として受けなければならない。
直貴はすべてを受け止めて支えてくれた由美子と、娘を守るため、兄を捨てる覚悟をする。
兄もまた、それを受け入れる。
家族の為に、家族を捨てる。
自分の家庭の為に、親兄弟と離別する人は、世の中に沢山いるのかと思います。
でも、自らの血の絆を本当に断ち切れるのか。
会わなくなり、音信不通になったからといって、もう「縁が切れた」と言えるのか。
本当の絆は、自分の内部にあるものであり、そこで生きているその人を形作るすべてものにそれは現れ、見せられるものです。
自分の為にすべてを投げうってくれた兄の想いと、兄の為にすべてをはぎ取られてきた人生を天秤にかけても、答えは出ずに苦しみ続ける直貴。
けれど、その兄を大切にしてほしいと手紙を代筆し続けた由美子と、兄の血もまた流れる幼い娘の存在が直貴の新しいすべてになった時に、身を引くことを選んだ兄がその二人に繋がるものでもあることを自覚したのではないのでしょうか。
私事ですが、父を不本意な形で(病で)見送ってから、5年以上はそのことを引きずりました。自分の血につながる人を亡くすというのは、想像以上に自分自身への問いかけを促されます。
だから、被害者の息子の無念さ、やりきれなさもどうしようもなく伝わってました。母親をいわれのない暴力で失ったからには、彼には何の責任もないのですが、自分が何か出来たのではないかという悔いは、心に楔として差し込まれるものでしょう。
その彼と、兄を捨てることに決めて手紙を送った後の直貴が対面するシーンも、息が詰まりました。
被害者の息子と加害者の弟。
「許しはできないけど、もうこれで終わりにしよう。君も私も長かったね」
と言われて号泣する直貴。
立場が違うようで、同じく家族を失った者が、自分が出来なかったことへの自責の念も、そこで終わりにすることを決める。
兄の想いも知り、泣く直貴。同じく家族を守るため、家族がいるからこそ新しく踏み出そうとする思いを共有する二人。
その力をくれたものは、やはり自分を形作ってきた絆であるということ。
刑務所での慰問の漫才で、兄の見る前で自分の想いと許しを伝える直貴と、後ろで手を合わせて泣く剛志。
直貴と由美子と娘の三人で手をつなぎ、帰るラストは、原作とは違う救いのある終わりだそうですが、とても良かったと思います。
甘めと言われても、これで完全にハッピーエンドではなく、直貴の家族はこれからも差別とは戦い続けていくのです。
剛志役の玉山鉄二君も、初めて見ました。すごく辛い役だと思う。ほぼ刑務所内でのシーンしかなく、憔悴と希望の廃れたうつろさ、そのなかでの唯一つの支えである弟への手紙を朗読する声の切望感。
押さえながらもそれらを伝えなくてはならない難しい役を演じきってました。
何かえらい噂でしか知らなかったんですが、明るくて、まっすぐで、決して逃げない由美子を演じた沢尻エリカちゃんも良かったです。やはり見ないとわからないもんだね。
そして、やまだくん。
なんでこの人は泣く演技がこんなに上手いのかな。若いのに。
いつも思うんですよね。
たぶん、あの暗い瞳だ。深くてとてつもなく澄んでもいる瞳。
普段は感情を秘めて出さず、すべての想いをそこに集約して一時に出す。
その時の涙の威力は半端でない。
思えば、芹沢多摩雄でさえ、眼の深さはとてつもなかった。
陰でも、陽でも結局はその力は同じく凄まじいです。
苦しいけれど、救いもあり、様々に考えさせられる作品でした。
あ、やまだくん的には、電気量販店のお兄さん、バーテン、そしてサラリーマンで善きパパと、かなりバラエティ豊かな珍しい彼が拝めるのはなかなか萌えでございました(笑)
しかし、東野圭吾せんせーはこういう話も書くんだね。入り組んだ人間関係ではなく、話としてはシンプル。でも伝えられるものは多い。
「容疑者Xの献身」買っちゃったよ。
って、なぜ「手紙」でも「白夜行」でもないかー!
準備してたけど(^_^;) この内容+やまだくんではもう私の涙腺は持ちこたえられんだろうとは思ってました。
この話で感じるものは大きくは2つあって、一つは社会的差別と、もう一つは自分の血、つまりは家族というもの。
兄、剛志の犯した罪により常に差別を受け、居場所を追われる弟、直貴。
どんなに努力しても、隠しても、幸せをつかみかけるたびに奪い去られる。
それでも、変わらず直貴を受け止めてくれる人もいる。親友、女友達。仕事で知り合った人々。
「人が差別をするのは、自己防衛本能のようなもの」
「差別の無い場所を探すんじゃない。君はここで生きていくんだ」
直貴がようやく務めた会社の会長の言葉が胸に沁みます。
また、それにも増して私は、
「今の君の苦しみをひっくるめて、君の兄さんの犯した罪なんだ」
というセリフに、ずんときました。
直貴の苦しみは延々と続く果てしないものだけど、弟の為に誤って人を殺し、その弟の手紙だけが生きる糧である兄、剛志は、さらに弟が苦しみ続けていることを罪として受けなければならない。
直貴はすべてを受け止めて支えてくれた由美子と、娘を守るため、兄を捨てる覚悟をする。
兄もまた、それを受け入れる。
家族の為に、家族を捨てる。
自分の家庭の為に、親兄弟と離別する人は、世の中に沢山いるのかと思います。
でも、自らの血の絆を本当に断ち切れるのか。
会わなくなり、音信不通になったからといって、もう「縁が切れた」と言えるのか。
本当の絆は、自分の内部にあるものであり、そこで生きているその人を形作るすべてものにそれは現れ、見せられるものです。
自分の為にすべてを投げうってくれた兄の想いと、兄の為にすべてをはぎ取られてきた人生を天秤にかけても、答えは出ずに苦しみ続ける直貴。
けれど、その兄を大切にしてほしいと手紙を代筆し続けた由美子と、兄の血もまた流れる幼い娘の存在が直貴の新しいすべてになった時に、身を引くことを選んだ兄がその二人に繋がるものでもあることを自覚したのではないのでしょうか。
私事ですが、父を不本意な形で(病で)見送ってから、5年以上はそのことを引きずりました。自分の血につながる人を亡くすというのは、想像以上に自分自身への問いかけを促されます。
だから、被害者の息子の無念さ、やりきれなさもどうしようもなく伝わってました。母親をいわれのない暴力で失ったからには、彼には何の責任もないのですが、自分が何か出来たのではないかという悔いは、心に楔として差し込まれるものでしょう。
その彼と、兄を捨てることに決めて手紙を送った後の直貴が対面するシーンも、息が詰まりました。
被害者の息子と加害者の弟。
「許しはできないけど、もうこれで終わりにしよう。君も私も長かったね」
と言われて号泣する直貴。
立場が違うようで、同じく家族を失った者が、自分が出来なかったことへの自責の念も、そこで終わりにすることを決める。
兄の想いも知り、泣く直貴。同じく家族を守るため、家族がいるからこそ新しく踏み出そうとする思いを共有する二人。
その力をくれたものは、やはり自分を形作ってきた絆であるということ。
刑務所での慰問の漫才で、兄の見る前で自分の想いと許しを伝える直貴と、後ろで手を合わせて泣く剛志。
直貴と由美子と娘の三人で手をつなぎ、帰るラストは、原作とは違う救いのある終わりだそうですが、とても良かったと思います。
甘めと言われても、これで完全にハッピーエンドではなく、直貴の家族はこれからも差別とは戦い続けていくのです。
剛志役の玉山鉄二君も、初めて見ました。すごく辛い役だと思う。ほぼ刑務所内でのシーンしかなく、憔悴と希望の廃れたうつろさ、そのなかでの唯一つの支えである弟への手紙を朗読する声の切望感。
押さえながらもそれらを伝えなくてはならない難しい役を演じきってました。
何かえらい噂でしか知らなかったんですが、明るくて、まっすぐで、決して逃げない由美子を演じた沢尻エリカちゃんも良かったです。やはり見ないとわからないもんだね。
そして、やまだくん。
なんでこの人は泣く演技がこんなに上手いのかな。若いのに。
いつも思うんですよね。
たぶん、あの暗い瞳だ。深くてとてつもなく澄んでもいる瞳。
普段は感情を秘めて出さず、すべての想いをそこに集約して一時に出す。
その時の涙の威力は半端でない。
思えば、芹沢多摩雄でさえ、眼の深さはとてつもなかった。
陰でも、陽でも結局はその力は同じく凄まじいです。
苦しいけれど、救いもあり、様々に考えさせられる作品でした。
あ、やまだくん的には、電気量販店のお兄さん、バーテン、そしてサラリーマンで善きパパと、かなりバラエティ豊かな珍しい彼が拝めるのはなかなか萌えでございました(笑)
しかし、東野圭吾せんせーはこういう話も書くんだね。入り組んだ人間関係ではなく、話としてはシンプル。でも伝えられるものは多い。
「容疑者Xの献身」買っちゃったよ。
って、なぜ「手紙」でも「白夜行」でもないかー!
予備知識もなく軽い気持ちで映画館に行ったら…号泣でした。
弟が受ける不当な扱いも、兄が犯した罪であるという言葉が重くて。
被害者側の辛い気持ちも共感出来るし。
もうどうしたらいいのか、見ながらグルグル考えました…
あと小田和正の歌にも泣かされて。
エリカ様も健気で明るくて良かったですよね!
あと玉鉄さんとやまだくん。
顔のつくりや雰囲気が、少し似ている気がするのですが……
だから兄弟役がピッタリだなぁ~と思いました(笑)
ご覧になりましたかv あの濃いお顔は、ある程度髪が長い方がバランスいいかもしれません(笑)
短髪だと上部が過度になるんだよね(笑)
おおお、ダウニ! そうですね。ちっちゃくてバラエティ豊かな役をするし。濃い系だし(笑)
ダウニはコメディもイケる軽妙さが好きです。年末か来年頭に彼の「シャーロック・ホームズ」が来ますよ。ホームズがこんなかわいこちゃんになるとは!のけしからん作品です。ちょうたのしみ。
東野せんせ通ですか。今日レンタル屋でたまさんの「変身」を借りようとしたら貸し出し中。再チャレンジします!
>ふじふじさま
痛ましい兄弟ですよね。親戚縁者が全然出てこないんだけど、省略されたのか、疎遠なのか。二人きりで生きてきた(どこかで聞いた気が)。
あの二人が全然モテない前半生は納得できませんが(笑)
またも「たま」くんですよ。どうしよ。たまくんでいいか(笑) たまさんとたまくんは同い年で身長も少しの差みたいですね。大きいお兄さんと小柄なやまだくんてやはり誰もが望む構図なのか(笑)