萌え本図書館

世界に広がる萌え本の輪

『まんがと図解でわかる 統計学 (宝島SUGOI文庫)

2014年03月29日 | ★☆☆☆☆
『まんがと図解でわかる 統計学 (宝島SUGOI文庫) 』
向後 千春 (監修) 、迫ミサキ (漫画)


宝島社 (出版)
文庫判、ソフトカバー、224ページ
2014/03/06出版
ISBN-13 978-4-8002-2500-9
NDC分類: 417

定価 :714円(税込み)


内容(「BOOK」データベースより)
大学の文化祭でサークルのブースの屋台運営を2人で行うことになった1年生のユウヤと奈央。統計学の発想法で売上アップをめざすが、果たして…!?近年もっとも注目されているビジネス知識、統計学の考え方をまんがと図解でやさしく解説。数字が苦手な人でもすらすら読めて、統計学の役割や可能性がたちまち理解できます。「統計データを読み解く」「統計学を使える人を活用する」など、統計学で仕事を変えたい人におすすめしたい最初の一冊。

内容(下記出版社の公式頁より)
「統計学とは何をする学問か」「統計学を使うと、どんなことがわかるのか」をやさしい言葉で、わかりやすく解説。「世にある統計を読む」「統計学を使える人を仕事で活用する」「統計データの評価ができる」ことを目指す人のための入門書です。


(スタッフリスト p.02)
目次 p.03
人物紹介、本誌の読み方 p.06
序章 統計学を知らない人は大きく損をしている!  ―現代社会を支える必須の分析・思考ツール― p.07
[まんが Introduction] いま、なぜ「統計学」なのか? ―「統計学もどき」にだまされないために― P.09
誰もがお世話になっている  世界は「統計学」で回っている! p.16
仕事の効率を上げる最強の武器 統計学が“ある”人は仕事が「見えて」いる p.20
 Column1 ビッグデータの活用が続々と始まっている p.24
第1章 統計学を使うとどんなことが出きる? ―データで現在を把握し、未来を推測する― p.27
[まんが Chapter1] 統計学における「5%」の壁 ―「偶然」か「偶然でない」のか― p.29
[1] なぜ統計学は必要なのか? テスト集計から視聴率まで統計学で内実を知る p.38
[2] 全体の傾向を正しく把握する 帳簿やアンケートの内容をイメージ化して表現する P.46
[3] サンプルを調べて傾向を推測 人口0.5%の分析で全体の失業率がわかる理由 P.54
[4] 2つのデータの関連性を調べる DMを誰に送るべきかは購買量との相関で判断 P.62
 Column2 統計学で使う数学にはどんな分野がある? P.70
第2章 データを整理してバラ月を数値化する ―ヒストグラムや標準偏差の使い方― p.73
[まんが Chapter2] ブッダの説く「縁起」とは ―世の中はすべてつながっている― p.75
[1] ヒストグラムでデータを整理する ビジネスで多用されるデータの“お化粧”を見抜け! p.84
[2] 平均値にだまされるな! 平均年収のカラクリはデータのばらつきで見破れ! p.92
[3] データのばらつきを数値で比較する 安定的に結果を出すサッカー選手を見分ける p.100
[4] 実務で大活躍の標準偏差 「偏差値が20アップ」は珍しいことではない! p.108
 Column3 エクセルを活用して少しずつ統計学を実務に取り入れよう p.116
第3章 データの分布パターンを活用して確率を考える ―「正規分布」と「検定」の考え方― p.119
[まんが Chapter3] 統計学の基本「正規分布」 ―「約95%の幅」を見極める― p.121
[1] 正規分布とはなにか 学校で身長130cm以上の子ども用のシャツが売れる確率 p.130
[2] 母集団が多い場合の統計学の考え方 缶詰のサンプルから95%の確率で品質を管理する p.138
[3] 母集団の推定に正規分布を役立てる 保証書に記載できる製品の寿命を推測せよ p.146
[4] よく使われる正規分布以外のデータ分析 標本の少ない臨床試験から新薬の有効性がなぜわかる? p.154
[5] 仮説検証で仮説の正しさを確認する 店舗の改装が収益に貢献したかどうかを確かめる p.162
 Column4 関連性のみを調べる「両側検定」と変化の方向を限定する「片側検定」 p.170
第4章 2つ以上の事象の関連性を見つける ―「損間関係」の考え方と分析方法― p.173
[まんが Chapter4] 流れを読む「相関分析」 ―データ同士の「関連性」を見る― p.175
[1] ビジネスに役立つ「相関関係」 イベントの入場者数と弁当の販売数の関係は? p.184
[2] 「相関関係あり」にだまされるな! 相関関係の強さは「0.7」を基準に見極める p.192
[3] 相関の法則性を調べる「回帰分析」 2つの変数の法則を読み取れ p.200
[4] 法則性を表す「回帰式」の求め方 回帰式を表す公式で見込みの販売数がわかる! p.208
<さくいん付>統計学がわかる用語集60 p.216
主な参考図書 p.223
奥付け p.224


萌え本分類:解説書型。
ナビゲーター:まんがの登場人物。女子大生の「奈央」、同級生の「ユウヤ」、ユウヤの兄で先輩の「リョウ」、大先輩の「玲子さん」の4名。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は白、黒。統計をイメージした図表を背景に、主人公の少女イラスト。
中表紙:メインタイトルと著者名を配置。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き一段組み、図解部分は横書きが基本。巻末の用語集は二段組み。
構成・設定: 全頁モノクロ印刷。各章の扉は白抜きタイトルを配置。扉裏のページにイメージイラストと緒言を配する。
序章は6頁のイントロ漫画及び序論。本文の4章では、各章頭に8頁のストーリー漫画、以後は項目あたり8頁単位の解説部が続く。章頭漫画はストーリー仕立てで、「文化祭の出店運営を任された女子大生とその同級生が、兄である先輩大学生に手ほどきをうけながら、統計学を活用して出店の経営改善を目論む」という展開。各章のテーマはそれぞれ、統計学の基本、ヒストグラムや標準偏差の利用法、正規分布と検定、相関関係と分析方法についてと全体を通して統計学の基本を解説。
章内の各項目は見開き毎に、一頁目にタイトルと関連キーワード、二頁下段に「こんなときに役立つ」例文集、三頁・五頁は図表またはサブストーリー、六頁に囲み記事のEpisode、などを配し、あいづちキャラは七頁下段に登場。八頁目は4項目の「まとめ」を置く。
巻末には索引を兼ねた五十音順の用語集8頁が付属する。
各章一~二か所の「図説内の漫画カットでサブストーリーが進行する」点、解説部分の「あいづち」要員をナビゲーターが担当する点はシリーズ共通の特徴で、本書でも継承。


評価:
萌え絵度:  萌え絵というより、現代の普通な漫画風なのは本シリーズの共通点。表紙イラストの担当はIxyさん、漫画部分、章扉イラストと本文(あいづち)カットの担当は迫ミサキさんという2名体制は別冊版と変化なく、文庫化にあたり追加されたイラストは特にない(使いまわしによる登場順の変更などはみられる)。
テーマ萌え度:統計学の入門書、としては図版や図表の多様により全くの初心者には理解しやすい形。その分内容は余り専門的でない。ストーリー漫画部分が「文化祭での屋台の売り上げ」がテーマで完全な実学指向なので、本文との繋がりはいまいちな感があるが、ここは好き嫌いのわかれる部分かもしれない。
萌え本的意義: 別冊宝島版 「まんがと図解でわかる-」シリーズ第16作『(一番ホットで最強の仕事ツール)(まんがと図解でわかる)統計学 (別冊宝島 2066) 』を、文庫型に再構成した改定版。
宝島SUGOI文庫版としては、『 -ドラッカー 』(12/03)、『 -ニーチェ 』(12/04)、『 -ドラッカー リーダーシップ論 』(12/05)、『 -(スティーブン・R・コヴィーの)7つの習慣 』(13/01)、『 -空海と密教 』(13/04)に次ぐ6冊目にあたる。
 類書としては、オーム社刊行の「マンガでわかる- 」シリーズから『 -統計学 』(04/07)、『 -統計学([回帰分析編]) 』(05/09)、『 -ナースの統計学 』(06/05)、『 -統計学([因子分析編]) 』(06/10)の4冊、
九天社刊行の『(マンガで学ぶ)統計学 』(08/06)、
ナツメ社の刊行「(史上最強図解)これならわかる!-」シリーズから『 -統計学 』(10/10)、『 -ベイズ統計学』(12/02)の2冊、
ソフトバンククリエイティブ刊行のサイエンスi新書からは『 マンガでわかる統計入門(中学数学だけで理解できる!) 』(09/04)、『 図解・ベイズ統計「超」入門(あいまいなデータから未来を予測する技術) 』(13/12)の2冊、
特殊分野では『 (マンガで学ぶ)医療統計 』(みみずく舎刊、13/09)などがあり、
またノベル形式の類書としては、『悩めるみんなの統計学入門 - 統計学で必ず押さえたい6つのキーワード 』(技術評論社刊、10/11)、共立出版刊行のライトノベル「とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)- 」シリーズ、『-データ分析のはじめかた 』(13/09)、『 -2 因子分析大作戦 』(14/01)の2冊、などが上げられる。
 元来Mook用に編集、執筆された原稿を文庫に落としこんだせいで生じたあちこちのほころびが、本書を含む文庫版シリーズ全体の共通点である。漫画部分はそのまま縮刷。章扉ではイラストと解説が表裏2頁に分離され、解説部分では見開き3段組みの本文と図解を一段に組み直されている結果、漫画・図表と本文・解説との密度がかなりちぐはぐになっており、原書のMook版の方がやはりまとまりが良い。
元々「萌え」を主眼としないシリーズなので総合評価は低め。一般向け解説書としての内容自体は良書といえる。


総合萌え度 :★☆☆☆☆


紹介Blog記事:

監修担当、向後千春さんのBlog、
KogoLab Research & Review  2014年02月25日づけ更新。
卒業生が研究を継続するときに相談できるような「リサーチセンター」のようなところがあるといい
http://d.hatena.ne.jp/kogo/20140225/p1
「『まんがと図解でわかる統計学』というムックが2013年9月に宝島社から出版されました。私は、その監修をしました。
その本が早くも文庫になって出るようです。もしよろしければ、お手元にどうぞ。」
 カバー(帯つき)の写真を掲載。

漫画担当、迫ミサキさんのTwitter:
迫ミサキ @sakomisaki  2014年3月19日、20:22 づけ更新:
https://twitter.com/sakomisaki/status/446486788048056320
「 まんがと図解でわかる統計学が文庫本になりました*\(^o^)/* ちっちゃくて持ち運び抜群なのでぜひ~! 」

宝島社紹介ページ
 ほぼ基本情報のみ。


Amazon.co.jp         の 紹介頁
honto(旧bk1)        の 紹介頁
楽天ブックス         の 紹介頁
セブンネットショッピング  の 紹介頁
紀伊国屋書店        の 紹介頁


付記:
Amazon、公式サイトの発売日は03月06日。hontoの取り扱い開始日は02月26日。その他の書店サイト上では03月との記載が主。
上記のBlog記事でも触れられている通り、原書「(まんがと図解で分かる)統計学 」の発行から文庫化までの期間は約半年と、文庫化シリーズ中の6冊中で最短。


コメントを投稿