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(+-÷×)四則演算でつくるキャラクター(無限のキャラクターをはじき出せ!!)

2015年10月17日 | ★★★★☆
『 (+-÷×)四則演算でつくるキャラクター(無限のキャラクターをはじき出せ!!) 』
塚本 博義 (著),


マール社 (発行)
B5判、ソフトカバー、176ページ
2012/12/20発行
ISBN-13 978-4-8373-0444-9
NDC分類: 726.5

定価 :2,052円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
どうすればキャラクターが生まれるのか?どうすればキャラクターに魅力が生まれるのか?どうすればキャラクターから物語が生まれるのか?キャラクター創りの計算式がここにある!+-÷×の四則演算でキャラをはじき出せ。

 内容(「TRC MARC」の商品解説より)
キャラクターをつくるための基本的な考え方として「足し算」「引き算」「割り算」「掛け算」の手法を、わかりやすい作例とともに紹介。またそれらを補足する重要な手段として「属性」「擬人化」なども解説する。

 内容(下記出版社の紹介ページより)
キャラクターをバラバラにデザインすると違和感が出てくる。キャラクター創りには一定の法則が必要なのだ。本書では、キャラクター創りを「+(組み合わせる)」「-(余分な要素を省く)」「÷(内面にある人格を分ける)」「×(キャラクターを絡ませる)」の四則演算に加え、「属性(風火水土)」「擬人化」「1・2・3・4・7(チームを組ませる)」の手法をわかりやすい作例とともに紹介している。


目次 p.04
はじめに p.07
Part0 イントロダクション p.08
 本書について p.10
Part1 足し算のキャラクター p.14
 足し算のキャラクター p.16
 猫耳 p.18
 獣人 p.20
 翼人 p.22
 虫人 p.26
 魚人 p.27
(中略)
 道具の怪 p.56
 巨大ロボ p.58
 生きている都市 p.64
Part2 引き算のキャラクター p.66
 引き算のキャラクター p.70
 個性 p.72
 強調 p.73
 シンプルな衣装 p.74
 能力 ~物ノ怪使い~ p.76
 能力 ~魔法~ p.78
 道具 ~雨傘~ p.80
Part3 割り算のキャラクター p.82
 割り算のキャラクター p.84
 双子 p.86
 分裂 p.89
 幽閉 p.90
(中略)
 哀しみ p.94
 心理 p.95
Part4 掛け算のキャラクター p.96
 掛け算のキャラクター p.98
 出会い p.100
 旅立ち p.102
 始まり p.104
(中略)
 不思議 p.122
 物語 p.124
Part5 属性のキャラクター p.128
 属性のキャラクター p.130
 風の属性 p.132
 火の属性 p.134
 水の属性 p.136
 土の属性 p.138
Part6 擬人化のキャラクター p.140
 擬人化の手法 p.142
 宝石 p.144
 花 p.146
 お菓子 p.148
 指 p.149
 動物 p.150
 道具 p.151
Part7 1・2・3・4・7のキャラクター p.152
 1・2・3・4・7の手法 p.154
 1の手法~主役ワンマン型~ p.156
 2の手法~正反対の2人~ p.160
 3の手法~「情」・「意」・「知」~ p.164
 4の手法~「3の手法」プラス「陽」または「陰」~ p.168
 7の手法~バラバラな「個性」の集まり~ p.172
奥付け p.176


萌え本分類:図鑑型。
ナビゲーター:なし。

カバー表紙:タイトルは横書き。タイトルの字色は縁つき白、黒。4色の色帯を背景に本編登場のキャラクター達の集合イラスト。
中表紙:タイトルロゴのみを配するものと、メインタイトルにオリジナルキャラクターの集合図を配する2枚立て。
折込ポスター:なし。
本文:横書き、一段組みが基本。
構成・設定:  全頁がカラー印刷。8つのPartごとにテーマカラーがあり、章扉の地や項目のロゴなどに活用される。
本文全体は序論と7つのPartで構成。巻頭のPart0 では、以後のPart1~7の全体的な相関図と各章の概論が提示される。本文7章は、章頭にロゴデザインと頁大イラストが見開きに配置された章扉、イラストメインの文書解説および分類例示2頁を配置。各項目の分量は1頁から最大4頁まで様々で、基本形式としてキャラクターのカラーイラストに百字前後の解説(設定)文と「キャラ造形の方程式」一行が附属する。ページあたりのイラスト数は2~4キャラが多いが、頁大の背景付き一枚絵に詳細な設定が附属するものから、同一テーマで10キャラ以上を配するもの、モノクロラフやチビキャラ設定がまで附属するものなど形式は種々多様。Part3「割り算」やPart7など複数キャラを扱う場合、グループは同じイラストレーターが担当するが、それ以外では1ページの内に複数のイラストレーターのキャラクターが居並ぶこともまれではない。
 索引、参考文献などは附属しない。

評価:
萌え絵度:  イラストレーターの総数は90名と非常に多く、五十音順の一覧は奥付ページに記載されているが、各々のイラストの担当者は明示されていない。水準は総じてかなり高めだが絵柄の統一感はあまりない。というより、あえて多様な絵柄をランダムに並べているようにも見える。
テーマ萌え度: キャラクター造形の基礎的な解説書。キャラクターに「様式」を持たせるための基本軸を7項目に分類し、「足し算:組み合わせ」「引き算:要素の省略」「割り算:人格の分離」「掛け算:キャラクター同士の絡み」の4項と、「風火水土の属性」「擬人化」「キャラ数による特徴づけ」の3要素を核として、多様なキャラクターの設定つきイラストで各々の特徴を例示する図版集。著者の塚本博義さんは、漫画・イラストレーションの教育暦が長く、キャラクター造形に関する著書もある専門家で、2015年04月より日本デザイン専門学校の校長に就任。マトリックス法によるキャラクター造形に詳しい。
本書の内容はキャラクター造形の筋道を身につけるための例として「様々な類型」をランダムに配置しているように見えるのだが、実は登場キャラのパターンがファンタジー&SF系に集中しており、学園ものや時代劇のキャラはほとんど扱われていなかったりする。また本書のメインテーマである「四足演算」の4項目についても、「足し算」「掛け算」の2項に対し「引き算」「割り算」の頁数が半分以下と均衡を欠く点が目立つ。実際のキャラクター造りにどれくらい役に立つのかは門外漢には未知数。適当に眺めている分には大変面白い。

萌え本的意義: マール社発行の萌え本としては確認される範囲で『 同人誌やイラストを短時間で美しく彩る配色アイデア100 』12/11)に次ぐ6冊目で、続刊は『 (マンガでわかるパース!)キラとマリアの 背景が描きたい!(学校編) 』(13/07)。絵画専門出版社らしく、マール社刊行の書籍はすべて「萌えイラストの描き方」についてが共通テーマ。
 キャラクター造形についての関連本としては、
マール社刊の『キャラクターマトリックス(新種の亜人種と合成獣を生み出せ!) 』(04/11)が「合成獣」の分野で先行。
職業紹介系としては、
キャラクターレシピ(~創作世界の100キャラクター~)(レシピシリーズ) 』(新紀元社刊、11/12)、
ジョブ大百科 』(メディアテック刊、07/07)、
幻想世界のハローワーク(ドラクエ』の勇者から『FF』の聖騎士まで!) 』(笠倉出版刊、12/11)、
『 (萌えペディア)中世職業[ジョブ]事典 』(ホビージャパン刊、14/04)などがあげられる。


総合萌え度 :★★★★☆


紹介記事:

日本デザイン専門学校、コミック分野 3学科用ブログ、から、
COMIC-BLOG  2012年12月11日づけ記事、
卒業生たちの作品が掲載された本が出版されます
http://comicndc.blog.fc2.com/blog-entry-23.html
「本校講師、真山明久先生が担当された「四則演算でつくるキャラクター」に
在校生・卒業生たちの作品が多数、掲載されております!」
 カバー写真と本文内容7ページ分を転載。

マール社紹介ページ
 項目目次、本文見本14頁分あり。


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付記:
hontoの取り扱い開始日は12月06日、その他の発売日は12月との記載が主。


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