ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

Alessi's Ark @蔵前Nui.

2015-10-27 18:39:07 | SSW
舞台に上がり照れくさそうに「はじめまして」と言ってチューニングを始める彼女。そのチューニングを見守るように静まり返る観客達にたまりかねたように「Very quite!」と言って笑いを誘う。そして「ありがとう、アレッシーです」と自己紹介しギターを爪弾き始めた彼女は、英国出身のシンガー・ソング・ライター、アレッシーズ・アーク。

2009年に19歳の若さでデビューし、これまでに3枚のアルバムをリリースしているアレッシー。今回は昨年の初来日に続いて2度目の来日ツアー。私は10月22日、蔵前のNui.にて、そのツアー最終公演を観てまいりました。

いきなり耳慣れない曲から始まったステージ。おそらく新曲だと思われるその曲は、この来日のために録音したと言うEP「KOMOREBI」にも収録されている「Pontal」。美しいアルペジオの響き、その音色にしみ込むようでもあり、優しく包み込むようでもあるアレッシーの歌声。2曲目は「Veins Are Blue」。現在のところ最新作となる03年の3rd作「THE STILL LIFE」から。この曲、私大好きなんですよ~。ゆったりとしたギターのカッティングにフワッと乗るアレッシーの歌声に、思わず聴き惚れました。

続いて新録EPから「Vow」。アレッシーは来春に新作を発表予定とのことで、今回のツアーではそちらに収録予定の新曲の披露もあるのでは?とのことでしたが、確かにEP収録曲以外にも耳馴染みの無い曲が何曲かありまして、新作への期待が高まりました。とは言え、1st作「NOTES FROM THE TREEHOUSE」から「Woman」、「The Horse」、「Ribbon Lakes」、「Hummingbirds」、2nd作「TIME TRAVEL」からは「Wire」、「The Robot」、3rd作「THE STILL LIFE」から先の「Veins Are Blue」と「Hands In The Sink」と、過去作からも沢山歌ってくれました。またアルバム未収録ながら昨年の来日公演でも歌っていた「Desert」や「Longest Sun」といった曲も披露してくれました。

CDではドリーミーでノスタルジックなアレンジが施され、ポップでモダンな印象を受けるアレッシーの楽曲ですが、ギターの弾き語りですと、やはりより英国的な湿り気を感じさせられると言いますか、根元には英国フォークの伝統がしっかりと息づいているなと、これは昨年の来日公演でも感じたことではあるのですが、あらためてそんな印象を強く受けました。

また1曲1曲はとてもゆったりとたリズムなのに、3分を切るぐらいな短い曲が多く(さらに間奏をカットするなどショートヴァージョンにした曲もあったはず)、しかも唐突に曲が終わり、楽し気に喋り出す。それが彼女独特の小気味良いテンポを作り出していくようで、そのテンポに場がぐいぐいと引き込まれていく感じ。そしてアレッシーはとにかく話し好き。昨年もよく喋っていましたが、今回も、チューナーのこと、タワーレコードのこと、ローソンのこと、道頓堀のことなど、思いつくままに色々とおしゃべりしていました。おそらく覚えたてと思われる日本語も色々と駆使しながら。例えばある曲をやる前に「あつい!」と言って、曲を歌い終えた後に「さむい!」と言ったのは可笑しかったですね。そんなお茶目なところもあるんです。

そしてハイライトは本編ラストを飾った「Hummingbirds」。客席に居らしたコトリンゴさんが呼び出され、アレッシーとのサプライズ・セッションに。アレッシーは10月7日の鳥取を皮切りにこの東京まで全11公演を廻って来たのですが、その先々でサポートアクト達とセッションを繰り広げて来たようなのです。コトリンゴさんは岡山、広島、福岡のサポートアクトでした。ですがこの日はセッションする予定にはなかったようで、ピアノの前に座ったものの譜面を持ってきていないと不安そうな面持ちのコトリンゴさん。ですがそこは流石プロ。始まってしまえば見事に二人の世界を作りあげていました。アレッシーのギター弾き語りを、コトリンゴさんの流麗なピアノがよりドラマチックに、より情緒豊かに聞かせてくれる。1曲だけのコラボでしたが、ホント素晴らしかったです!!

そしてその素晴らしさに応えるように拍手喝采が続き、まさかのダブルアンコール。アレッシーもあまりの歓迎振りに驚いてる様子でしたが、最後は鳥取と大阪をサポートした杉瀬陽子さんをコーラスに加えて賑々しく終わりました。2度のアンコール含めておよそ1時間のステージ。アレッシーの歌、曲、そして人柄を親密に感じることが出来る素敵なコンサートでした。







ALESSI'S ARK / KOMOREBI
今回の来日のために録音したという4曲入りEP「KOMOREBI」。ほぼアコギ弾き語りの簡素な録音ではありますが、アレッシーの気持ちのこもった素敵な逸品。そして終演後にサインを頂だきました。とにかくアレッシーはおしゃべり好きなので、英語を話せるファンの人とはかなり熱心にお話をされていました。そしてサインが丁寧。サインと言うよりお手紙を書いているような雰囲気。そして私の番になったんですが、英語が喋れない私は自分の名前を伝えるだけで精一杯。それでもアレッシーは色々と書いてくれました。最後に私の似顔絵まで描き出したのにはびっくりしましたけどね。アレッシーはイラストレーターでもあるので、やっぱりこだわりがあるんでしょうね、とても真剣に描いてました。ちょっと描いては私の顔をじ~っと見て、またちょっと描いてはじ~っと見る。その繰り返し。あまりの真剣な眼差しにちょっぴり照れくさかったです。できあがった似顔絵(左上)は、結構似てるんですよ!しかもCool guy! いや~、アレッシーは素敵な人ですね。ますますファンになりました!!


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