ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

ザ・ビートルズ 1+ デラックス・エディション

2015-11-07 19:17:02 | ルーツ・ロック
『ザ・ビートルズ 1+』買いました!!奮発して一番高いブルーレイ2枚入りのデラックス・エディション!先程、CDからブルーレイ2枚一気に堪能いたしました。土曜の午後のビートルズ漬けです。まずCDの音の良さに驚き、そして若き4人が躍動する映像の数々に時が経つのを忘れる程でした。


私は海賊盤にはあまり手を出さない方なのですが、ビートルズだけは若い頃に結構ハマって、原宿にあったビートルズ専門店で怪し気なブートを購入しては一喜一憂していたのです。あの頃は現在のようにリイシューが盛んではありませんでしたし、もちろんYouTubeはおろか、パソコン自体が普及していない時代です。ビートルズで何か目新しいものを聞きたいとなると、ブートに頼るしかなかったんですよね。色々買った中で私の一番のお気に入りは、ビートルズのミュージックビデオが大量に収められたもので、もちろんブートですから、画質は褒められたものではありませんよ。線が入ってたり、ぼやけてたり、歪んでたり。それでも観たこともないビデオの数々に大興奮したものでした。しばらくは生活のBGMのように毎日観てましたね。

言わば、今回の「ザ・ビートルズ 1+ デラックス・エディション」は、私が当時観ていたブートの曲数が2倍近くに膨れ、画質が気持ち悪い程に鮮明になり、さらに最高の音質で楽しめると言う、私にとってはまさに「こういうビデオが観たかった!!」という代物なのです。

もちろん、ブート云々という思い入れ抜きにしても、これまでまともに観ることが出来なかったビートルズのミュージック・ビデオが、びっくりする程高品質にリマスターされて大量収録されてるんですから、これに興奮しない訳ないですよね。


個人的に一番観たかったマイケル・リンゼイ=ホッグの「Hey Jude」は2ヴァージョンにデヴィッド・フロストの前で番組のテーマ曲を演奏するシーンまで付いてて文句無し!

3ヴァージョン揃ってこその「Hello Goodbye」はしっかり3ヴァージョンのフル収録。これ結構な快挙じゃないですか?

ビートルズが初めて意識的にプロモーション・ビデオを作ったと言われる、1965年11月23日のトゥイッケナム・フィルム・スタジオでの収録曲も「I Feel Fine」、「Ticket To Ride」、「Help!」、「Day Tripper」、「We Can Work It Out」の5曲全曲が収録されてます。アイデアと人力だけでビートルズの魅力を見事に捉えたポップな映像は最高ですね! 特に「I Feel Fine」は伝説のフィッシュ&チップス食べまくりの収録に拍手!

パリ公演の「A Hard Day's Night」や、シェア・スタジアムの映像を使った「Eight Days A Week」、ルーフトップではなくスタジオ・シーンによる「Get Back」なんかも良かった。あと「Paperback Writer」、「Rain」、「Strawberry Fields Forever」、「Penny Lane」辺りの画質の鮮明さにもびっくり!



とりあえずまだ1回観ただけで解説も読んでない状況なので、これからまだまだゆっくり楽しみたいと思います。新しい発見も沢山ありそう!

カマシ・ワシントンの仕事

2015-11-07 08:45:46 | ジャズ
KAMASI WASHINGTON / THE EPIC

今、最もヤバいジャズ、カマシ・ワシントン。総勢60名を超えるミュージシャンが参加し、CD3枚組、収録時間170分超となる大作「THE EPIC」は2015年のジャズ界、ブラックッミュージック界を代表する1枚になることでしょう。また「THE EPIC」を引っさげての来日公演も大絶賛のうちに終わりました。私もそのブルーノート東京公演を観てまいりましたが、いや~、凄かった!あんなに格好良いジャズを聴いたのは初めてです!!あれ以来、どん欲にカマシの音源等集めてみたり。と言う訳で今回は「カマシ・ワシントンの仕事」と題して、大傑作「THE EPIC」へと繋がるカマシの過去参加作等を探ってみました。



RYAN ADAMS / GOLD
一番驚いたのはライアン・アダムスの代表曲「New York, New York」。私、この曲大好きでもう何度聴いたか分かりませんが、まさかこれにカマシが参加していたとは! カントリータッチのロックンロールですが、終盤に曲想と合ってるのか合ってないのかギリギリなぐらいフリーキーなサックスソロが入るんですが、それがたまらなくスリリングで格好良いんですよ!!なんとそのサックス・ソロがカマシ・ワシントン! どういう経緯でライアンのセッションに参加したのか興味深いところ。しかもこれ、01年の作品で、カマシの録音暦の中でも最も初期のものの一つのようなのです。ですがこれ、かなりの名演ですよ!
https://www.youtube.com/watch?v=hmHgY_J63Ik



YOUNG JAZZ GIANTS / YOUNG JAZZ GIANTS
カマシやブルーナー兄弟を中心とする新鋭LAジャズ一派による、おそらく最初の作品で、04年のリリース。彼らがヤング・ジャズ・ジャイアンツと名乗り始めたのは、1997年のジョン・コルトレーン・コンペがきっかけだったとか。そしてこの04年作の核となるメンバーは、カマシ・ワシントン(sax)、ステファン·ブルーナー(b)、ロナルド・ブルーナーJr(ds)、キャメロン・グレイヴス(p)の4人。さらにテラス・マーティン(as)やライアン・ポーター(tb)も加わっているよう。



SNOOP DOG / R&G (RHYTHM & GANGSTA): THE MASTERPIECE
カマシはスヌープドッグのツアーメンバーとして研鑽を積んだことはよく知られますが、スヌープの04年作「R&G」に当時のバック・バンドをバック・トラックに起用したといわれる「No Thang On Me」が収録されています。カーティス・メイフィールドのあの曲ですが、これが格好良いんですよね~!ゲストにブーツィ・コリンズも参加。カマシはホーン・セクションの一員として参加しているものの、残念ながら大した見せ場はありません。ですがこの当時からLAジャズ・シーンの最先端が同地のヒップホップ界と繋がっていたことを伺わせ、それが現在のカマシの足場となっていることを考えると、かなり興味深いセッションなのであります。
https://www.youtube.com/watch?v=Z8qSL9qi2gs



GERALD WILSON ORCHESTRA / IN MY TIME
西海岸が誇るジェラルド・ウィルソンのオーケストラによる、05年の作品。カマシはジェラルド・ウィルソンのバンドに2000年の頃から参加しているそうですが、彼からは作曲に関してとても多くのことを学んだそうで、それは「THE EPIC」にも直接的な影響を与えているとか。それにしても、ヤング・ジャズ・ジャイアンツを中心に音楽的冒険を試みつつ、スヌープドッグというヒップホップ界の大物のツアーに参加し、こういった伝統的なビッグバンドまでこなすその視野の広さには恐れ入りますね。下の動画は上記アルバムの曲ではありませんが、ご参考までに。
https://www.youtube.com/watch?v=-3vD3Vl_C6k



GEORGE DUKE / DUKEY TREATS
フライング・ロータスの怪作「YOU'RE DEAD」にも影響を与えたと言われる今は亡きジョージ・デューク。カマシにとってはLA界隈の大先輩であり、数枚の作品に参加しています。08年作「Dukey Treats」収録の「Mercy」における、終盤のサックスソロはカマシらしいフリーキーさで格好良い。ただしもう少し聴きたい!!と思ってしまいますけどね…。
https://www.youtube.com/watch?v=tpbOrZTGTE8



THROTTLE ELEVATOR MUSIC / THROTTLE ELEVATOR MUSIC
WIDE HIVE RECORDSから登場のJAZZ-PUNK バンド。正直、このバンドについてはよく分からないのですが、メンバーはカマシの他、Lumpy(ds,g), Matt Montgomery(b,p)というトリオ編成のよう。パンキッシュなロックの上をカマシが吹きまくるという、なかなか興味深いアルバムです。こちらは2012年リリースですが、てっきり1枚きりの企画物かと思いきや、既に計3枚のアルバムをリリースしているようで驚きました。最新作は2015年の「JAGGED ROCKS」。そちらは1st「THROTTLE ELEVATOR MUSIC」に比べると、もう少しインディーロック寄りに洗練された印象。
https://www.youtube.com/watch?v=vdixOeHk-C8



HARVEY MASON / CHAMELEON
ハービー・ハンコック、73年の傑作「HEAD HUNTERS」に収録された名曲「Chameleon」を、アルバムのオリジナル・メンバーだったハーヴィー・メイソンがリメイクすると言うことで注目された2014年作。ハーヴィーの元に集まった新旧の敏腕ミュージシャン達の顔ぶれも話題になりましたが、その中に我らがカマシ・ワシントンも居りました。タイトル曲他数曲に参加していますが、それ以上にハーヴィーがこのアルバム発表直後に来日した際のバンド・メンバーにカマシが含まれていたことの方が我々日本人に取っては印象深いことだったかもしれませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=XM9E_oUpumA




LEON WARE / SIGH
”メロウ大王”ことリオン・ウェアの2014年作。リオンが02年に初来日した際、そのバック・バンドにステファン·ブルーナーをはじめとするヤング・ジャズ・ジャイアンツの面々を連れてきていたというから驚きます。ただその中にカマシは居なかったようですけどね。ですがこのリオンの最新作には、ブルーナー兄弟達と共にカマシの名もクレジットされています。それにしてもリオンの来日は、ヤング・ジャズ・ジャイアンツのデビュー前ですからね、その審美眼は流石としか言いようがありませんね。
https://www.youtube.com/watch?v=XhR_ZWOuN2Q




FLYING LOTUS / YOU'RE DEAD
ヒップホップ/ビートミュージック界の異端児によるジャズ解釈と言う問題作にして大傑作。こちらも2014年作。フライローの右腕とも評されるサンダーキャットことステファン·ブルーナー(b)をはじめ、ロナルド・ブルーナーJr(ds)、ブランドン・コールマン(key)達と共にカマシも参加。「Cold Dead」ではソングライターとしてもクレジットされるなど、存在感を発揮しています。やはりこの作品の影響力によって、カマシとその一派が今如何にヒップな存在であるかを世に知らしめた印象はありますよね。そしてその印象を決定付けたのがフライロー総指揮という、ここからの流れを感じさせるカマシの最新作「THE EPIC」になる訳です。
https://www.youtube.com/watch?v=PRN-uKK3joU




KENDRICK LAMAR / TO PIMP A BUTTERFLY
そしてもう一作品、クレジット上は「U」1曲だけですが、カマシがケンドリック・ラマーの最新作「TO PIMP A BUTTERFLY」に参加しているというのも特筆物。サンダーキャットやテラス・マーティンは主要メンバーとして参加していますし、フライローも1曲プロデュースしていることから、そう言った人脈の上でカマシの参加を語ることも出来ますが、やはりこういったブラック・ミュージック・シーンの重要作品にその名を刻むその事実が、現在のカマシの立ち位置を物語っていますよね。