ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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パーシー・スレッジとベン・E・キング

2015-05-19 07:31:02 | ソウル、ファンク
「When a Man Loves a Woman(男が女を愛する時)」のパーシー・スレッジ、「Stand By Me(スタンド・バイ・ミー)」のベン・E・キング。2人のソウルの巨人が、先月相次いで亡くなられました。



PERCY SLEDGE / IT TEARS ME UP: THE BEST OF PERCY SLEDGE

1940年、アラバマ州に生まれたパーシー・スレッジ。彼がソロ・デビューを果たしたのは1966年、「When a Man Loves a Woman」はそのデビュー曲でした。アトランティックからリリースされたこの曲は、ビルボードのR&Bチャート、ポップチャートの両者を制覇する大ヒットとなりました。マッスル・ショールズのリズムセクションによるゆったりとしたサザン・グルーヴに乗って、感傷的なメロディーを歌うパーシー・スレッジ。独特の泣き節に心を打たれます。まさに名曲名演ですね。この曲はパーシー自身が彼の失恋を元に作った曲だそうですが、作者には彼の名ではなく、カルヴィン・ルイスとアンドリュー・ライトという2人の名がクレジットされています。彼らはパーシーがソロ・デビュー前に在籍していたグループ、The Esquiresのメンバーで、作曲を手伝ってくれた彼らにクレジットを譲ったそうです。

デビュー曲の大ヒット後も60年代をアトランティックで活躍し、その後はカプリコーン、ポイントブランクなどからアルバムを発表。2013年にもElevateから「THE GOSPEL OF PERCY SLEDGE」という作品をリリースしていたそうです。近年では、映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」に出演されていたのも印象的でしたね。

2015年4月14日、ルイジアナ州バートン・ルージュの自宅で死去。74歳でした。

*写真はアトランティック時代のベスト盤。




BEN E. KING / DON'T PLAY THAT SONG!

1938年ノースカロライナ州生まれのベン・E・キングは、1958年にドリフターズに加入し、「There Goes My Baby」、「This Magic Moment」、「Save the Last Dance for Me」などヒットを量産し、名門ドゥーワップ・グループの全盛期を彩りました。60年にドリフターズを脱退しソロに転向。「Stand By Me」はその直後、61年のヒット曲でした。この曲はゴスペル曲が元になっているそうですが、作者にはベン・E・キングとリーバー&ストーラーがクレジットされています。ベン・E・キングの後の妻となる当時のガールフレンドのことが歌われてるそうです。実はこの曲、元々はドリフターズのために書かれたもののボツになり、ベン・E・キングがソロで歌ったとか。名曲の運命とは面白いものですね。ベン・E・キングはその後も「Don't Play That Song (You Lied)」、「I (Who Have Nothing)」、「Supernatural Thing」などのヒットを飛ばし、「Stand By Me」は、ジョン・レノンにカヴァーされ、さらに同名映画の主題歌になるなど、時代を超えて愛され続けました。

近年も度々来日してファンを楽しませてくれたベン・E・キングでしたが、東日本大震災後の2011年11月には「Dear Japan,上を向いて歩こう」というアルバムもリリースしてくれてまして、その中にはなんと「Stand By Me」の日本語ヴァージョンも収録されていました。ライヴでも歌ってくれたのでしょうか?

2015年4月30日、米ニュージャージー州ティーネックの病院で亡くなられたそうです。76歳でした。

*写真は「Stand By Me」を収録したアルバム「DON'T PLAY THAT SONG!」。1962年の作品。


パーシー・スレッジさん、ベン・E・キングさん、安らかに。