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石風呂温泉 岩乃屋 (広島県竹原市忠海)

2013年10月01日 | 旅行と水どうロケ地巡り
7月・8月と行ってきた『石風呂温泉 岩乃屋』ですが
普通の温泉と違う事はなんとなく分かっていたものの
ネットで検索できる事前情報があまりにも少なすぎて苦労したので
岩乃屋についての備忘録を残しておきますよ。(2013年8月末時点での話)

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まずは『石風呂(岩乃屋)』について簡単な説明です。

『石風呂』とは
石を積み上げたり岩盤を掘るなどして石に囲まれた空間(石室)の中で火を焚き
石室全体を高温になるまで熱したのち海水で濡らした海草やムシロを敷きつめ
石室内に蒸気を充満させる蒸し風呂の一種です。

主に瀬戸内海沿岸を中心に広まった方式の風呂文化であり
高温高湿度となった石室内に入ることで体を温め発汗を促し新陳代謝を高めるといった
岩盤浴やタラソテラピーと同様の効果が期待できるサウナ(ミストサウナ)のようなものです。


しかし近年になるとボイラー等の普及により
各家庭にお風呂が設置されるようになったり大型スパ施設が容易に作れるようになったため
石風呂の利用者が減少してしまったり
運営や施設維持に非常に手間がかかるため後継者が育たず
その結果、経営者が高齢や体力的な問題などからやむを得ず石風呂を辞めるなどして
石風呂の数はは急激に減っていったそうです。

現在では維持されている石風呂が国内に2、3ヶ所しか残っていないそうで
その中でも、唯一通常営業を続けているのはこの岩乃屋さんだけなので
国内で最後の1つとなった幻の石風呂を体験してきましたよ。


(岩乃屋母屋)

岩乃屋は母屋と石風呂が離れているので、まずは母屋にて入浴料を支払います。
受付は正面玄関からではなく、上の写真の建物左側のスダレの屋根があるところです。

入浴料を払ったらそのまま建物の横を通り抜けて敷地の奥まで進み
さらに崖沿いに作られた細道を進んだ先が石風呂になります。


(石風呂外観)
左側の白壁のところが更衣室と休憩室です。右側の崖に埋まっているところが石風呂です。


(岩乃屋全体)
母屋と石風呂は100mくらい離れています。通路に屋根は無いので雨の日は傘が必要です。


(Google mapより)


(石風呂に続く崖沿いの通路)
トイレはこの崖沿いの通路の手前になりますので先に済ませておきます。
そして、いよいよこの通路の先に見えてきたのが石風呂温泉になります。

まずは通路突き当たりの建物に入ります。


(休憩場所&荷物置き場)

建物の中は崖を掘った岩盤むき出しの秘密基地っぽい空間が広がっています。
結構広くて15畳くらいあり、一発当てた成金の家のリビングくらいの広さがあります。
壁沿いにステンレスパイプ製の棚が設置されていますが、そこが唯一の荷物置き場になりますので
貴重品は車のトランクにでも置いてきて、入浴料とジュース代だけを持ってくる方がいいと思います。
電車の人は母屋のおかみさんに貴重品を預かってもらうって感じかな?その辺はチョット分らないです。

まぁ、これくらいの不便は秘湯巡りなどをしていればよくある話なので
この程度で文句を言うような人は
もっとメジャーな温泉にでも行ってFacebookでいいね!でも欲しがってる方が幸せになれますよ。



休憩室入り口の奥には男女別の更衣室があります。
女性の方はどうなっているか分かりませんが
男性更衣室は広さは1畳程度で、脱衣カゴが重ねて置いてあるだけなので
水着に着替えたらカゴに服を入れて次の人のためにカゴを持って更衣室を出ましょう。

衣類を入れたカゴを荷物置き場に置いたら、いよいよ石風呂に向かいます。


(石風呂入り口 / 手前の扉が 『あつい方』、奥の扉が 『ぬるい方』)

石風呂は『あつい方』と『ぬるい方』という2種類があります。
この『あつい方』『ぬるい方』っていう何ともアバウトな分け方が素敵ですね!
長年の火焚きで溜まったススだらけの壁もイイ味が出まくりです。

いよいよ石風呂初体験となるのですが
いきなり『あつい方』に入る勇気はないので、まずは『ぬるい方』で様子見をします。


(『ぬるい方』の入り口)

内部の熱を逃さないように扉は小さく作られており腰の高さくらいしかないので
石風呂に入るときは四つんばいになりながらサッと入ります。

初めての時は石風呂に入った瞬間に襲ってくるムンッとした熱気にビックリすると思いますが
そこで躊躇して扉を開けっ放しにしていると他のお客さんの大迷惑になるので
石風呂内のお客さんの場所を確認しつつ一気に突入して扉をすぐ閉めます。
(手前に場所をとってしまうと後から来る人の邪魔になるので出来るだけ奥のほうに入ります。)


(石風呂内部にはムシロと海草(アマモ)がしかれています) ※ 準備中に撮らせてもらってます。

石風呂内部には照明は付いていないので扉を閉めてしまうと完全な暗闇になります。
その暗闇の中で座ったり、他のお客さんが少ないときは寝そべって限界まで温まります。
熱気を帯びた蒸気の層が腰の高さくらいにあるので最初は寝そべった方が楽です。

海草の上に横になると干し草のような自然の香りがして心が安らいできます。
しばらくすると熱気にも慣れて身体全体を沈むような脱力感が包みはじめ
真っ暗な闇と静けさの中でいつの間にか気持ちが開放されていきます。

何もかも忘れ、フワッとした感覚だけの時間がしばらく続いたところで
ふと気が付くと自分でも驚くほど汗をビッショリかいているとおもいます。
「もう限界!」って感じるところまで我慢したら周りの人に気をつけつつ速やかに扉から出ます。

出たあとは汐湯の流し場で水をバシャバシャと洗面器で体にかけて汗を流す人もいますし
目の前の海に入りプカプカ浮きながら涼む人もいます。(一応、入浴中の海水浴は禁止ですよ)


(『あつい方』は午後1時から入れます)

何度か入って『ぬるい方』に慣れたら、いよいよ『あつい方』もチャレンジです。

入り方は『ぬるい方』とほぼ同じですが
床がとても熱かったり、汗が大量にでて海草をビショビショにしてしまいがちなので
扉の横に置いてある麻袋風な物を持って入ります。
中に入ったら麻袋風なものを敷いてからその上に座ったり横になったりします。
あと、熱い方では水を絞った濡れタオルを鼻や口の上にかけておくと
呼吸がだいぶ楽になるのでオススメです。

『あつい方』と宣言しているだけあって、ぬるい方の何倍も中はメッチャ熱いです。
石風呂の説明で「サウナのようなもの」と表現しましたが
『あつい方』はサウナというより石釜で焼かれるピザと言ったほうがイメージしやすいと思います。

なので、『あつい方』に5分も入っていれば
脳味噌がアルデンテになっているんじゃないかって程の極限状態になります。
なので、ここで早々に脱落しても誰も文句は言いません。
ただ、その極限状態を越えた先には『あつい方』にしか無い達成感や開放感があるので
死なない程度にぜひチャレンジして欲しいです。
一度『あつい方』の達成感を覚えてしまうと
『ぬるい方』は「やっぱりヌルイな」としか思えなくなりますよw

あと、持って入った麻袋みたいな物は出るときに一緒に持って出て
建物外の通路手すりに干してあげるとみんな幸せになれると思います。



おじさんが毎日火を焚いて石風呂をガンガンに熱くして待っていてくれますので
岩乃屋に行ったらぜひ『あつい方』を体験してくださいね。

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『石風呂温泉 岩乃屋』

住 所:広島県竹原市忠海床浦1-12-30
    (ヒロシマケン タケハラシ タダノウミ トコウラ 1-12-30)
電 話:0846-26-0719


定休日:毎週月曜日と第3日曜日、12月24日頃から年明けまで。
   (ただし、祝日や事情により休みが若干変わることがあります)

営業時間:11:30~21:00(あつい方は13:00~)
入浴料金:1,200円 (16:00以降から1,100円)
注 意 点:水着必須、シャンプー等の使用は基本不可
駐 車 場:岩乃屋前の広場に数台分

[アクセス] : 忠海駅(JR呉線)から徒歩で15分。広島空港からレンタカーで約1時間です。(Google map)

(周辺詳細図)


【1の場所】

忠海駅(ただのうみえき)方面から竹原市内方面に向かって進み
線路を越えたすぐ直後の道路右側に1個目の看板があるので左折します。

【2の場所】

カーナビやGoogle mapでは左折した先に道が無いことになってますが(2013年8月末)
道は開通していますので坂を下っていき突き当りまで進むと小さな看板が出ています。
不安になるような狭い道ですが、看板に従い右折します。

【3の場所】

軽自動車でもこの狭さの道なので対向車が来ないことを祈りながら進みます。

【4の場所】

正面に鳥居が見えてきたら一安心です。そのまま進み神社前広場が見えたら右折です。

【5の場所】

神社前の広場の奥に岩乃屋がありますので、岩乃屋前に並べて駐車して到着となります。

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『注意事項』
湯船のある温泉と違い、サウナのように汗かくための場所なので
シャンプー・ボディーソープなどのアメニティグッズは使用しません。
「汗を出し、真水で流してサッパリして、休憩所でダラダラ休む。」を何回か繰り返して
身体をリフレッシュさせるのが目的の場所です。
どちらかというと通好みのシブイお風呂なので子供を連れて行くのは厳しいですね。
アミューズメント施設ではしゃぐ事でしか楽しめない若者のレベルではまだ早い場所ですね。

男女共同利用なので『水着が必要』です。
男女共同利用なので『水着が必要』です。大事な事なので2回書きました。
肌の露出を気にするのであれば水着だけでなく
汗や蒸気などで濡れても大丈夫な短パンやTシャツ、タンクトップを用意しておいて
水着の上から着ても良いかもしれないですね。

石風呂に持って行くものとしては「バスタオル・タオル・水着・着替え」といった感じです。
石風呂⇔駐車場は結構歩くし、トイレも離れにあるので車でサンダルに履き替えてから行くと便利です。

岩乃屋は現在宿泊はやっておらず日帰り入浴のみの営業となります。
飲み物の自動販売機はありますが、お菓子などの軽食も含み食事は無いです。
軽食や飲み物の持ち込みがOKですが、臭いの強いものと酒類はダメです。
結構お腹空くので、おにぎりとペットボトルくらいは持っていったほうがいいですね。
特に規定は無いですがおじさん一人で大変ですし、ゴミは持って帰りましょう。



ちなみに、おじさんは「75歳で辞める」と公言しており、現在は72歳で後継者もいないようなので
あと3年(つまり2016年)で入浴できる石風呂が日本国内から無くなってしまう可能性が高いです。

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(おまけ)

それにしてもおじさんホントよく働きます。
朝の5時から一人で黙々と海草干しを2時間以上やって朝食を食べたらすぐに石風呂の準備。
午後からは船に乗って海草を取りに行ったり薪を集めに行ったりと休む間もないです。



前日の熱気がまだ残っている石風呂での肉体労働は想像以上に大変です。
写真を撮っているだけの僕でも石風呂の近くにいるだけで汗ダラダラ出てきてグッタリなのに
72歳という年齢でありながら毎日一人でこの作業を続けて石風呂を守っている姿に感動しました。


トレードマークの短パンに鉢巻姿でいつまでも頑張ってもらいたいです。

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以上の内容は2013年8月末時点での個人的な備忘録であり公式ではないので
情報に間違いや変更があるかもしれません。あくまで参考程度と思ってください。
遠方から行く場合には電話で事前に定休日の確認などをしてから行くことをおすすめします。
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