マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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東明寺大般若経転読法要

2010年12月15日 03時37分21秒 | 大和郡山市へ
紅葉が綺麗な時期に行事を行いたいと初の大般若経転読法要が営まれた矢田町の東明寺。

願いは叶って楼門から見通す紅葉は鮮やかな色合いを見せる。

東明寺の年中行事は2月に行われる薬師講だけだった。

それに加えたいとはじめられたのだ。

同寺には檀家とされる宗家はないが、両行事とも関係者だけが集まる行事だそうだ。

集まった人たちはおよそ50人。

地元から愛知、大阪和泉、兵庫などさまざまだ。

本堂内に座った。

もうそれ以上は入堂できないというくらいの人数である。

住職からの応援を受けた和歌山、吉野などから来た5人の僧侶。

共に信貴山で修行を勤めてきたそうだ。

蝋燭を灯して導師となって座った住職。



大般若経の転読法要が始まった。

中国の唐の国の僧侶であった三蔵法師玄奘がインドの天竺から持ち帰ったとされる大般若(波羅蜜多)経は六百巻の大経典。

60億40万字からなる経典だそうだ。

導師が唱える間、僧侶たちは経典一巻を箱から取り出してパラパラとめくる。

めくるというよりも空中から下にあるいは左右へ広げ流すような作法で「だーいはんにゃはらみたきょう・・・ とう(唐)のげんじょうさんぞう(玄奘三蔵)ぶじょやーく だーいはんにゃはらみたきょう・・・」と大きな声で読誦(どくじゅ)される。

それは経典の流し読みの様のようで転読と呼ばれている。

60億40万字の経典を短時間で誦(ずうず)するのだ。

それはあたかも大経典のすべてを読んだことになるという。

般若心経は270の文字。

おそろしいほどに凝縮された。



それはともかく、一巻が終わるたびに経典を机(箱)に打ち当てる。

バーン、バシーと勢いのある打ち方だ。

大きな声と叩く音。

堂内にそれが響き渡り、その度に背筋は引き締まりシャンとする。

住職が言うには「声だしてなんぼ、叩いてなんぼ」だと話す。

修行時代には机を割ったら金一封が出たともされる転読はまことに力が入る。

そして導師は先祖代々の菩提や水子供養、家内安全、身体健全、交通安全、子孫繁栄など施主たちの様々な願いを唱える。



法要を終えてありがたい大般若経の経典でご加持を受ける。

首から肩へバシ、バシと打たれる。

すると普段から悩まされている肩こりが「一瞬に消えた」ように感じた。

(H22.11.14 EOS40D撮影)


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