マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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能勢天王区の干しもの

2017年07月07日 09時02分14秒 | もっと遠くへ(大阪編)
長時間に亘って亥の子行事に滞在していた大阪府の能勢町天王区でいくつかの干し物が見つかる。

奈良県内にも見られるが特徴的なものがあるのか、ないのか。

なかったとしても写真を撮っておく。

干し物をしている人はほとんどが女性。

それも高齢者である。

二十歳そこらとか、三十歳代でされている方は非常に少ない。

もんぺではないが、時代とともに廃れていく可能性がある。

そう思って記録しておく。

午前中の花集めの際に見つけた干し物は軒先に吊るした柿である。

何の変哲もない干し方であるが、夕方から始まった亥の子の巡回に同家もやってきた。

ふと見れば玄関脇に剥いた皮を干してあった。



瑞々しいからこの日に剥いたのであろう。

亥の子の子どもたちに祝儀を手渡した男性に話を伺う。

実は軒先に吊るしていた柿は男性がそうしていたという。

剥いた皮はこうして広げて天日干し。

この日の天候は曇天だったが干していた。



皮の使い道は・・。

その答えは漬物である。

吊るし柿は干してから数日間の経過をみて下ろす。

粉がふいたら甘くて美味しい吊るし柿になる。

皮は捨てることもせずに漬物にする。

はじめて知る再利用であるが、皮そのものの漬物ではなく、大根などの漬物をする際に干した柿の皮を放り込んでおくと甘くなるというのである。

漬けた大根の色具合もよくなるし防腐剤と同じような効果があるそうだ。



そこから数軒向こうの家は玄関横にスライス切りした生柿を干していた。

ザルに広げた輪切りの柿は天日干し。

何日間も放っておくと甘くなる。

柿一個丸ごと干しておいたら柔らかくなる。

とても柔らかくなったらうましガキ。

いわゆるずくし(熟し)の柿は食べられる。

これ、あげるから持って帰れと云った高齢夫妻。

ありがたく受け取って、数日後の我が家の駐車場屋根に干した。

吊るしではなく箱の上蓋にちょこんとのせてだ。

ほしてから3週間後。

渋柿の「ウマシガキ」は、ずくし(熟し)になった。

ご夫妻が云われた通りに干していたらできあがった。

とても美味しかったことをここで報告しておく。

そこから数軒出向く。

またもやあった柿の皮干し。

これもまた瑞々しいからついさっきに干したのであろう。

皮は長目に切っていたから針金に引っかけるように干していた。

干し方はお家によって違うのもわかった。

もう一つの干し物はトウガラシである。



私は昔から、というよりも子どものころから「トンガラシ」と呼んでいる。

トウガラシの名であれば青い鞘のイメージがある。

トンガラシは辛い。

辛いトンガラシは赤い。

そう使い分けてきたのかな・・・。

ビニールハウス室内に獅子頭の牙になるトウガラシを吊っていた。

亥の子の行事に欠かせないトウガラシである。

その室内にもう一つの干し物があった。



一つは竹で編んだ器。

もう一つは新聞紙を広げたところに広げて干していた。

何日か経過してから莢を取る。

バリバリに乾いた莢は叩けば弾ける。

そうすれば中から黒豆がでる。

いわゆるマメオトシの作業をして豆の実だけにする。

たぶんにそうだと思う黒豆はお正月の祝いの料理に使われるはずだ。

(H28.11. 6 EOS40D撮影)


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